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    フリンジ / Fringe 1st season
    ● フリンジ / Fringe 1st season [TV / アメリカ / 2008年-2009年]
     
    知的でクールな雰囲気漂う作品だが、コミカルな要素もあり。超常的な事件や出来事を実証してしまう、という独創的なアプローチを採用するフィクションサスペンス。突っ込みどころは満載だが、次のエピソードを待ち遠しいと思わせる演出はうまいので、ハマれば中毒性は強い。

    フリンジ / Fringe 1st season_b0055200_2125359.jpg

    製作総指揮には、海外ドラマ"LOST"シリーズのJ・J・エイブラムス、ブライアン・バーク、ジェフ・ピンクナー、"トランスフォーマー"シリーズで脚本を手掛けたアレックス・カーツマン、ロベルト・オーチーら。「オリビア・ダナム」役には、アナ・トーヴ。「ピーター・ビショップ」役には、"飛べないアヒル"シリーズのジュシュア・ジャクソン。「ウォルター・ビショップ」役には、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」のジョン・ノーブル。「フィリップ・ブロイルズ」役には、海外ドラマ"LOST"シリーズのランス・レディック。「ニーナ・シャープ」役には、「バイバイ、ママ」のブレア・ブラウン。「アストリッド・ファーンズワース」役には、「レッスン!」のジャシカ・ニコール。「チャーリー・フランシス」役には、海外ドラマ"OZ/オズ"シリーズのカーク・アセヴェド。「ジョン・スコット」役には、海外ドラマ"ボストン・リーガル"シリーズのマーク・ヴァレー。

    "Seek Answers"
    ボストン、ローガン国際空港に大型の旅客機が緊急着陸した。生存者はいない。機内の様相は異様を極めた。現場に駆けつけたFBI捜査官「オリビア・ダナム」は、捜査組織間の"連絡係"として事件の捜査に加わるが、件に関わる捜査活動中、「オリビア」の良き相棒「ジョン」が重傷を負ってしまう。その症状は、ボストンで起きた旅客機事件の被害者の症状と酷似していたのだった。事件解決の糸口を掴むため、「ジョン」の命を救うため、「オリビア」は連邦のデータベースで事象に詳しい専門家を探す。どのようなキーワードで検索をかけても必ず1人の男に辿り着く。彼は、"アインシュタインの後継者"とも謳われている「ウォルター・ビショップ」であった。ところが彼は、17年間とある施設に収容されていた。彼の知識を捜査に活かすため、「オリビア」は「ウォルター」と疎遠になって長い、息子の「ピーター」を捜し出さなければならなかった…。


     かっこいいジャケットに惹かれて、衝動的に観賞。本作はFOX放送にて、2008年から翌2009年にかけて全20話で放送された。2010年6月現在、アメリカではシーズン2の放送が終了したところであり、シーズン3の製作も決定しているようだ。製作総指揮には、日本でも話題となった海外ドラマ"LOST"のJ・J・エイブラムスを筆頭として人気プロデューサが名を連ねている。知的でクールな作風が漂うコマーシャルが展開されているが、コミカルな演出も少なくない、おっとりとしたサスペンス。疾走感には欠くドラマシリーズだが、作品の雰囲気と相性が良ければ、次のエピソードが待ち遠しいと思えるだろう。

     "fringe"とは外縁や周囲といった意味のある言葉であり、本作のタイトルは"ニセモノの科学"や"科学と認められていない科学"といった意味のある"fringe science"に由来する。FBI捜査官「オリビア・ダナム」は、次々と発生する奇異で不気味な"パターン"と呼ばれる事件に対し、"fringe science"分野の権威「ウォルター・ビショップ」と、彼の息子でありIQ190の頭脳を持つ「ピーター・ビショップ」の協力を得ながら、その解決に挑んでいく。奇異で不気味な出来事が巻き起こる作品といえば「Xファイル」や「トワイライト・ゾーン」といったTVシリーズが有名だが、本作がこれらと決定的に違うのは、劇中の世界に限定されるものの、起きた事象に対して実証が許される点だ。フィクションだと分かっていても、私みたいな素人からすると「あってもおかしくなさそう」と思ってしまうような、本作のアプローチは非常にユニーク。「Xファイル」や「トライライト・ゾーン」が、得たいの知れない、言い様のない恐怖を煽ってくるのに対して、本作は"パターン"自体であったり、不可解で猟奇的な人間性であったりの"おぞましさ"が恐い。
     
     本作の見所は、"パターン"の独創性とそこに潜む陰謀の見せ方、そして"FRINGE"チームのコミカルな交流である。まず"パターン"について、グロテスクを躊躇せずに見せてくるので、食事中の観賞はオススメできないのだが、その出来事は毎話バラエティに富んでいて独創的。中にはチラホラとモチーフが垣間見えるような事件もあるが、それでも発想には脱帽する。基本的に事件は1つのエピソードで完結するが、ところどころに陰謀を予感させる伏線が張ってあるので、次のエピソードを待ち遠しいと思わせる演出もうまい。

     "FRINGE"チームについて、「ウォルター」が、「オリビア」、「ピーター」、「アストリッド」を巻き込んで、彼らの調子を狂わせていくコミカルな交流が面白い。「ウォルター」は17年間自由が奪われて、薬物治療を行っているという設定があって、事件解決に繋がる知識はあるのに、それがなかなか思い出せなかったり、思い出しても不安定な言動で周囲を困らせたりする。何かを思い出したと思えば、決まって食べたいもののメニューやレシピであり、最初は困惑していた「オリビア」も次第に喝を入れ始める始末だ。そんな彼を一番理解し、いわば"通訳"である「ピーター」が倦厭していた「ウォルター」の父親としての思いを知り、次第に心を通わせていく様は心温かい。
     
     シーズン1の終盤は突如として語られる世界が拡大するので、物語をどうまとめていくのか、"パターン"に更なるアイデアがあるのか、といった続編に対する不安はある。しかし、こうした展開の加速はJ・J・エイブラムスの作品には付き物でもあるので、期待も残しておきたいところだ。1,000万ドルが注ぎ込まれたとされるパイロット版の印象で、本作の好き嫌いがある程度見通せるだろう。粗を探せば、どこまでも突っ込みどころが尽きないものの、謎が謎を呼ぶ展開を読ませない演出には秀でているので、雰囲気にハマれば中毒性は強い。
     
    ● 製作代表 : Bad Robot
    ● 日本配給 : N/A
    ● 世界公開 : TV / 2008年09月09日 - アメリカ
    ● 日本公開 : N/A
    by movis | 2010-07-05 02:25 | サスペンス / ミステリー