● ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ / BUENA VISTA SOCIAL CLUB [2000年]
時の流れの中で人は忘れられていく。だが、彼らはそれぞれの過去を大切に抱きかかえ、今と言う人生を生きている。スタンディング・オーベーション、鳴り止まない拍手。何十年という時を経て、彼らの音色が再び。後代にも是非伝えていきたいキューバ音楽が詰まった音楽ドキュメンタリー。
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監督は映像作家として世に出、「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」で知られるヴィム・ヴェンダース。製作にはライ・クーダー。製作総指揮にはニック・ゴールド。出演する老音楽家は、コンパイ・セグンド、エリアデス・オチョア、イブライム・フェレール、オマーラ・ポルトゥオンド、ルーベン・ゴンザレス、オルランド・"カチャイート"・ロペス、アマディート・バルデス、マヌエル・"エル・グァヒーロ"・ミラバル、バルバリート・トーレス、ピオ・レイバ、マヌエル・"プンティジータ"・リセア、フアン・デ・マルコス・ゴンザレス。(アルファベット順) また、ライ・クーダーとその息子ヨアキム・クーダーも演奏に参加。
キューバ音楽に魅了されたライ・クーダーが、それを大成させた老音楽家達とコラボレートし、世界で100万枚以上を売り上げグラミー賞にも輝いたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」。そこに収録された楽曲が実際に演奏されたアムステルダムやニューヨークの舞台映像と共に、老音楽家達とキューバ音楽の歴史を遡る音楽ドキュメンタリー。
キューバ音楽に関しては素人でも、それが奏でる軽快でエキゾチックな雰囲気が好きな自分にとっては非常に満足な2時間でした。出演する音楽家達は中には90歳を超える高齢の方ばかり。でも、そんな彼らも自分が担当する楽器を目の前にすると、鋭い目付きになり、時には歳を感じさせない晴れ晴れとした笑顔を覗かせ、観る者を虜にする素晴らしい音楽を奏でます。「高齢の方ばかり」と言いましたが、皆お洒落な服装に身を包み、葉巻を美味しそうに吸い、その姿は若々しく見えます。それも彼らが共に歩んできたキューバ音楽の影響なのでしょうか。老音楽家の中でも特に自分が感銘を受けたのがピアニストのルーベン・ゴンザレスの演奏。細い指先からはとてつもない程パワフルで、繊細で綺麗な音色が流れてきます。
高齢で歳を取れば取る程に木は大木となる様に、彼らの顔や腕に出来た皺の数もまるで年輪の様。急く急くと人々が右往左往する日本とは違った時の流れ方をするハバナの街を観た時、自分も彼らの様な人生の歩み方が出来たら、とそう思いました。日々の生活に少し疲れを感じたら、彼らの奏でるキューバ音楽に身を委ねてみるのはいかがでしょう。
● DVD
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● CD
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ (Amazon.co.jp)