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    失踪 妄想は究極の凶器 / THE VANISHING
    ● 失踪 妄想は究極の凶器 / THE VANISHING [1993年]

    失踪 妄想は究極の凶器 / THE VANISHING_b0055200_2282214.jpg知への欲求。顕在的に意識することがなくても、障壁が生まれれば究極の苦痛となる。淡白にストーリーが進み、派手な演出もない。それでも最後まで観てしまうのは何故か。それは観賞者もまた、知への欲求を満たしたい人間だから。



    オランダ界の映画監督ジョルジュ・シュルイツァーが、自国で製作した作品をハリウッドでセルフ・リメイク。「ジェフ・ハリマン」には、人気海外ドラマ「24 TWENTY FOUR」シリーズ、「フォーン・ブース」「テイキング・ライブス」のキーファー・サザーランド。「バーニー・カズンズ」には、「隣人は静かに笑う」「シービスケット」のジェフ・ブリッジス。「ダイアン」には、「スピード」シリーズ、「ザ・インターネット」のサンドラ・ブロック。「リタ」役には、ナンシー・トラヴィス。

    "If someone you loved mysteriously vanished how far out of your mind would you go to find them?"
    「バーニー・カズンズ」は妻と娘を持ち、一見すると幸せな家庭を築いている。ところが、奇怪な行動が多く、山小屋に篭った彼はストップ・ウォッチの針を進めると、自らクロロホルムを嗅いで眠りに落ちてしまった。作家になることを夢に見る「ジェフ・ハリマン」は恋人の「ダイアン」とレジャーに出掛けた。そして彼らが休息に立ち寄ったセント・ヘレンマウンテンのサービスエリアで…。


    奇怪な行動が多く、怪しい雰囲気を醸し出している「バーニー」を演じるジェフ・ブリッジス。血気盛んで強気な男「ジェフ」を演じるキーファー・サザーランド。この映画の見所は彼らの演技力の高さであろう。物語の後半で登場する「リタ」役のナンシー・トラヴィスの存在も見逃すことは出来ない。

    一定のテンションで進行するストーリーに飽きることはない。良い父親である「バーニー」が、自らクロロホルムを嗅いでブッ倒れてしまうのだから、作品の導入部における掴みもバッチリだ。物語の動機こそ不安定だが、白黒のメリハリが決まっており、単純な作品ながら奥が深い。娘が居る偏狂者「バーニー」、相思相愛ながらも些細なことで喧嘩をしてしまう「ジェフ」と「ダイアン」など、物語の節々で見える変哲ないエピソードの切れ味も良い。小さな伏線が三々五々と散っている点も巧みだ。

    知りたい。でも、知ることが出来ない。当たり前に享受している欲求が邪魔されることほど、人間にとって苦痛なことはない。サイコ・サスペンス作品としては着眼点が斬新だが、実際には起こり得る設定が恐怖心をかき立てる。おすすめの一作。

    ● DVD

    失踪 (Amazon.co.jp)
    by movis | 2006-02-01 03:15 | サスペンス / ミステリー