● デジャヴ / Deja Vu [アメリカ / 2007年]
『マイ・ボディガード』のトニー・スコットとデンゼル・ワシントンが再タッグ。ワシントンの一途で猛進な役柄はここにも健在。読めそうで読めない結末。1分、1秒でも早く先が知りたくなるスリリングなストーリー。エピローグがたまらなく心に沁みた…。
監督は、「トップガン」「マイ・ボディガード」などで知られ、リドリー・スコットの実弟であるトニー・スコット。製作には、ジェリー・ブラッカイマー。「ダグ・カーリン」役には、「ボーン・コレクター」「マイ・ボディガード」のデンゼル・ワシントン。「ポール・プライズワーラ」役には、「トップガン」「バットマン フォーエバー」のヴァル・キルマー。「クレア・クチヴァー」役には、ポーラ・パットン。
"If you thought it was just a trick of the mind, prepare yourself for the truth. "
2006年2月28日、前年の夏、巨大ハリケーン『カトリーナ』が襲ったアメリカはニューオリンズ。アメリカ海軍とその家族は、フェリーの船上で祝賀祭「マルディグラ」に沸いた。船内を回る作業員がラジオを消し忘れた自動車に気が付いた直後、大規模な爆発がフェリーを跡形もなく吹き飛ばした。この事件を担当する ATF (アルコール・タバコ・火気局)の捜査官「ダグ・カーリン」は、現場の近くで女性の死体が発見された、との知らせを聞いて…。
『
マイ・ボディガード』のトニー・スコットとデンゼル・ワシントンが再び手を組んだ。目的のためには手段を選ばない、一途なデンゼル・ワシントンの暴走っぷりはこの作品にも健在だ。言葉少なで、あまりに突発すぎる行動の動機は、ていねいに解説もされないし、論理的ではないけれども、どこかで気持ちが理解できるから不思議だ。そういった蒸気のようなメンタルの昇華、ある種の人間くささを自然と表現してしまうデンゼル・ワシントンという演者に身が震える。
高純度の爽快さでもって作品が終わらないのも、トニー・スコットらしいところ。心温まるが、どこかセンチメンタルでもあり。なんとも意地が悪いが、なかなか嬉しいため息をつけた満足の一作。さて「デジャヴ」というタイトルは、作品を観終えてみれば、なるほど言い得て妙、であった。深読み厳禁。難しい話は抜きにして、「ダグ・カーリン」に振り回されたほうが楽である。
● DVD
デジャヴ (Amazon.co.jp)