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    メメント / Memento
    ● メメント / Memento [アメリカ / 2001年]

    メメント / Memento_b0055200_4235837.jpg2回目、3回目と、尾をひくように観賞したくなる不思議な作品。プロットが精錬されており、観る度に新しい発見がうまれる。万人が納得のいく真相は存在しない。作品の意図を理解しようとすればするほど苛立つが、それはきっとこんな映画に出会ったことがないからだ。



    監督は、「インソムニア」「バットマン ビギンズ」のクリストファー・ノーラン。「レナード」役には、「L.A.コンフィデンシャル」「タイムマシン」のガイ・ピアース。「テディ」役には、「ミッドナイト・ラン」「マトリックス」のジョー・パントリアーノ。「ナタリー」役には、"マトリックス" シリーズのキャリー=アン・モス。

    "Some memories are best forgotten"
    ─起きてる。オレは「サミー」と違って、要領を得ている。ロサンゼルスで保険調査員を務めていた「レナード」は、とある出来事が原因で前向性健忘症を患ってしまう。記憶がないわけではないが、新しい記憶を忘れてしまう。命綱は"ボラロイド写真"、"メモ"であり、そして"刺青"が「レナード」に代わって、重要な記憶を司る。さぁ、「ジョン・G」はどこだ…。


    既視感を得るような不思議なプロローグは、壮絶なシーンで締めくくられる。感が鋭ければ、これだけで一気に作品の構成が見抜けてしまう。結論を見せて、その原因に遡るフラッシュバック・シーケンスの手法をとった作品だ。新しい出来事を記憶できない、前向性健忘症を患っている、という主人公の設定と、この手法の選択があって、きわめて独特で斬新であった。しかし、そこで関心に耽っていられるほど、易しい作品ではない。

    まず観賞者に課せられる作業は、時系列に物語を整理、理解することである。モノクロームに色分けされた、いわゆる "ヒント" を与えてくれるシーンが節々に挿入されるが、観賞者はつねにシーンとシーンの整合を要求される。この段階を経て、本筋を掴んだところでようやく本当の謎解きに挑める。ところが厄介なのはここからで、完全なる真相を知れるほど登場人物は饒舌でない。より事の詳細を知ろうとすればするほど、拾い上げた伏線を片手に途方に暮れてしまう。パズルに例えれば、同じ形のピースがいくつも紛れているようなものだ。全体像を捉えながら、どこにどのピースを配置すればしっくりくるのか、を観賞者自らが起草するほかないのである。

    プロットが非常に上手く練り上げられている。だからこそ、難解で奇奇怪怪とした雰囲気を誇っているにも関わらず、多くのリピーターを生んだのだろう。万人に納得できる筋が用意されていないところに苛立ちすら覚えるが、それは物語の解釈を観る側に委ねてしまう大胆な作品に出会ったことがないからに違いない。

    ● 製作 : Newmarket Capital Group
    ● 配給 : Amuse Pictures
    ● 公開 : 2000年 (フランス)
    by movis | 2007-12-16 14:15 | サスペンス / ミステリー