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    ソウ / SAW
    ● ソウ / SAW [アメリカ / 2004年 / R-15]

    ソウ / SAW_b0055200_2249534.jpgなんとまぁ、疲れる映画だろう。観賞後の脱力感は形容しがたく、精神的に困憊した。"ゲーム"とはなるほど、興味の対象が盛りだくさんで、怖いもの見たさを煽る演出が巧い。意外性を狙った結末には、もう少し捻りが欲しかったところではあるが…。眠る前に観るべきではない…。



    監督は、ジェームズ・ワン。「ローレンス・ゴードン」役には、「グローリー」「ライアー ライアー」のケイリー・エルウィズ。「アダム」役には、原案、脚本も手掛けたリー・ワネル。「デイヴィット・タップ」役には、"リーサル・ウェポン"シリーズ、「アルカトラズからの脱出」のダニー・グローヴァー。

    "Let the games begin!"
    水を張った浴槽に沈んでいた「アダム」は、息苦しさに覚醒した。状況が把握できずに、自身は死後の世界にいるのか、とさえ思った彼だったが、声がして、眩い光が暗闇に慣れた目に突き刺さる。あまりに常軌を逸した光景であった。老朽化したバスルーム。足は鎖で、頑丈なパイプに繋がれている。中央には、頭から血を流す男が倒れている。対角線に誰かがいる。外科医の「ローレンス・ゴードン」もまた、「アダム」と同じように地獄に迷い込んでいたのである…。


    精神に疲労が襲う映画、と大まかに言ってしまえば、それはホラーに限ったことではないが、この手の作品の醍醐味は、恐怖への好奇心をいかに煽られるか、である。恐怖、とは生き物が備えた本能のひとつだと言える。"怖いもの見たさ"とは良く言い得たもので、日常では出会いたくもない状況でも、「所詮は映画」と割り切ってしまえれば、それは好奇心の対象となってしまう。現実味を捨て切っていない、という点でこの作品は怖い。

    "ゲーム"という言葉がこの作品のキーワードになってくるわけだが、その答えを導き出すためのアイテムが非常にバラエティに富んでいて、興味には事欠かない。このアイテムを用いて、観賞する人間は、二人の登場人物と謎解きを共にする。「ゴードン」の冷静さや頼りがいは、外科医という設定だけで不思議と説得力があるし、半狂乱に陥りそうな「アダム」は観賞者の心を代弁してくれる。観賞者を傍観者にさせない、この二人の主人公の立て方も巧い。

    なぜ「ゴードン」と「アダム」はバスルームにいて、誰が何の目的で"ゲーム"を要求するのか、といった物語の動機に関しては、サスペンスの要領で展開していく。目に訴えかけてくる恐怖という負のインパクトの大きさとは裏腹に、物語として不自然さが否めなかった。結末に関しても、予想すら及ばない意外性は認めるが、もう少し捻りやインパクトがあって欲しかったのが本音だ。

    それでも、眠る前に観るべきではない。目が覚めた場所が、見慣れた場所であるという保証などないのだから…。

    ● 製作 : Evolution Entertainment
    ● 配給 : Asmik Ace Entertainment
    ● 公開 : 2004年 (アメリカ)
    by movis | 2007-12-17 23:46 | ホラー