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    続・激突!/カージャック / The Sugarland Express
    ● 続・激突!/カージャック / The Sugarland Express [アメリカ / 1974年]

    続・激突!/カージャック / The Sugarland Express_b0055200_1851933.jpgスティーヴン・スピルバーグの劇場デビュー作品。1969年、テキサスにおいての実話に基づいて製作されたドラマ。子供を、夫を、ただ純粋に愛した女性の行く末がおかしくも切なく描かれている。しかし、邦題が作品のイメージをミスリードしている点は否めず…。



    監督は、"インディ・ジョーンズ"シリーズのスティーヴン・スピルバーグ。「ルー・ジーン・ポプリン」役には、「サボテンの花」のゴールディ・ホーン。「クロヴィス・マイケル・ポプリン」役には、「ダイ・ハード」「ペリカン文書」のウィリアム・アザートン。「ハーリン・タナー」役には、「ワイルドバンチ」「シェーン」のベン・ジョンソン。「マックスウェル・スライド」役には、マイケル・サックス。

    "The true story of a girl who took on all of Texas...and almost won."
    テキサスのとある田舎道にバスが停まる。両手に大きな荷物を抱えた若い女性が降り立った。「ルー・ジーン」が向かった先は、囚人の訓練施設であった。手荷物検査を終えた彼女は、夫「クロヴィス」の元へと駆け寄る。彼らには、幼い息子がいた。ところが、裁判所の命令で養育権が取り上げられてしまった。「ルー・ジーン」は、息子を取り戻すべく「クロヴィス」に助けを求めにきたのだ。あと4ヶ月で出所できる、と思い悩む「クロヴィス」であったが、「ルー・ジーン」に押し切られてしまい、脱獄を決行。息子が保護されているシュガーランドまでの長い旅が始まった…。


      1969年、テキサスで実際に起きた出来事を基に製作された本作は、「激突!」で知名度を高めたスティーヴン・スピルバーグの劇場デビュー作品である。若い夫婦が息子を取り戻すために行動を起こしていくさまを、コメディや犯罪性を含めて描いたドラマであった。

      「ルー・ジーン」演じた、ゴールディ・ホーンの演技力が見所のひとつ。"若さ故に"と片付けるには言葉足りぬ傍若無人だが無邪気な振る舞い、何をしてでも子供を取り返したいと強く願う心、そして夫への愛情。一風変わった女性をホーンはニュートラルに演じきった。「ルー・ジーン」の夫「クロヴィス」も然ることながら、「タナー」や「スライド」の存在感も大きい。警察の立場として、「ポプリン」夫婦を放ってはおけぬが、理解もある。本来は相容れないはずの人間たちが紆余曲折を経て、親近感を抱いていく様が非常に切ない。カントリーサイドの風景も作品に哀愁を添える。シュガーランドを目指して直走る。センチメンタルを誘う、美しいロードムービーともいえる。朗らかなプロローグから胸がつまるようなエピローグへの遷移が絶妙のバランス感覚を誇っていた。

      しかし、何に増しても邦題が頂けぬ。何百というパトカーに追われて、カーチェイスの様相を呈しているものの、その意味合いは「激突!」とはまったく異なる。少なからず"続"を期待していただけに、ガッカリであったというのも正直な胸の内である。作品への印象はタイトルによるところも大きいということを、改めて思い知る。スピルバーグが劇場デビューを果たした本作はもっと伝えられて然るべきだと思うからだ。

    ● 製作 : Zanuck/Brown Productions
    ● 配給 : Universal Pictures/Cinema International Corporation
    ● 公開 : 1974年3月31日 - アメリカ
    by movis | 2008-02-16 18:11 | ドラマ