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    バタフライ・エフェクト2 / The Butterfly Effect 2
    ● バタフライ・エフェクト2 / The Butterfly Effect 2 [アメリカ / 2006年]

    バタフライ・エフェクト2 / The Butterfly Effect 2_b0055200_1252167.jpg精神に重く、しかし非常にセンチメンタルなストーリーが反響を呼んだ「バタフライ・エフェクト」の続編。作品のトリックは前作から継承しているものの、ストーリーにはやや難あり…。シリーズが言わんとしていることは本作が分かり易いので、リラックスして観賞されたい。



    監督は、ジョン・R・レオネッティ。「ニック」役には、「アメリカン・パイ」のエリック・ライヴリー。「ジュリー」役には、エリカ・デュランス。「トレバー」役には、ダスティン・ミリガン。「アマンダ」役には、ジーナ・ホールデン。「ブリストル」役には、デヴィッド・ルイス。「ロン」役には、アンドリュー・エアリー。「グレース」役には、リンゼイ・マックスウェル。

    "Can you change your past without destroying your future?"
    新興携帯メーカー"CMI"で立ち上げたプロジェクトも前途洋々に進捗し、仕事に熱意をみせる「ニック」は、恋人「ジュリー」の24歳の誕生日を祝うため、親友の「トレバー」、その恋人「アマンダ」の4人で湖畔を訪れた。言葉にすることはなかったが、「ニック」も、「ジュリー」も、互いの未来に夢を膨らませているのであった。突然、「ニック」の携帯電話が鳴り、何か言いたげな「ジュリー」は言葉を呑んだ。会社からの呼び出しでは断ることも出来ず、4人は渋々車を走らせる。他愛ない会話で盛り上がる車内であったが、タイヤのパンクに空気が一変する。道を塞ぐかたちで急停止した車のサイドガラスには、真っ向から向かってくる大型トラックが映って…。


      監督エリック・ブレスが製作した「バタフライ・エフェクト」の続編製作を、撮影分野で活躍してきたジョン・R・レオネッティが引き継いだ。作品のトリックは、日記から写真へとトリガーが変わっただけで、アイデア自体は前作から継承している。一方、プロットは独立しているので、前作との比較というのは極力控えたいのだけれども…。

      …さて、どう書けばよいか。おそらくは、自身を含め、ファンが抱いていた期待とは相容れぬ方向へ歩んでしまった。理由は、主人公が持つ"能力"の説得と、その活かし方の二点にあるような気がしてならない。前作でアシュトン・カッチャーが演じた「エヴァン」が"能力"の潜在に気付いていく過程は、決してロジカルではなかったものの、物語の流れがニュートラルであったから、とりあえず納得できた。しかし、「ニック」のケースはあまりに唐突だ。

      「エヴァン」は"能力"を親和的に活かしたが、「ニック」は利己的に活かした。どうせそうであるなら「ジャンパー」の「デヴィッド」くらい徹底してほしいものだが、そこも果たしていない。物語のトリックを見せる段階では、まるで、前作を見てくれ、と言わんばかりの粗放さがあるに対し、ストーリーは独尊を貫いているために、どうも不親切だな、という思いを禁じえないのである。おまけのようなラブ・シーンがあったりするものの、それならばもっと前作へのオマージュを強調してほしかった、というのが本音である。

      ともあれ、"能力"を持ってしまったがために訪れる不幸のスパイラルは、センチメンタルを伴いながら上手く描かれている。「ニック」には、一筋縄ではいかない究極の選択肢が突きつけられていくために、彼がどういった行動をとっていくのか、興味はその動向へと向いていく。前作が湛えていた複雑難解な伏線や精神に重くのしかかるエピソードはさほど見受けられず、肩の力を抜いて観賞することができた。

      また、前作との互換性が明示される短いシーンがあった。全くのアナザー・ストーリーかと思っていたために、これには頬が緩んだ。そういったこともあるので、前作のトリックが好きなのであれば観賞してみるのも良いだろう。このシリーズが言わんとしていることは、本作のほうが明確で分かり易いのは間違いない。

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    バタフライ・エフェクト [2004年]

    ● 製作代表 : New Line Cinema
    ● 日本配給 : ArtPort / AMGエンタテインメント
    ● 世界公開 : 2006年08月10日 - イスラエル
    ● 日本公開 : 2007年10月13日
    by movis | 2008-04-29 12:09 | SF