● バックドラフト / BACK DRAFT [1991年]
消防士の果敢な活躍を追ったドキュメントの様な作品か、と思っていました。実は兄弟愛そして女性との愛を描いた作品であり、肝心のストーリーはミステリー、サスペンス仕立て。決して詰まらないわけではないけれど、可もなく不可もなく、と言ったところ。
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「ビューティフル・マインド」でも監督を務めたロン・ハワードは、現在爆発的人気でレンタルショップを嬉し泣きさせているテレビドラマ「
24 - TWENTY FOUR -」シリーズでも製作指揮を執っている。消防署で隊長を務める「スティーブン・マカフレイ」役に扮するはカート・ラッセル。彼の弟「ブライアン・マカフレイ」役にはウィリアム・ボールドウィン。また、ロバート・デニーロやジェニファー・ジェイソン・リー、更に「「
24 - TWENTY FOUR -」で主人公「ジャック・バウアー」に扮するキーファー・サザーランドの実父ドナルド・サザーランド等も出演している。
「
バックドラフト」現象の犠牲者となった父親の後を継いで消防士になろうとシカゴに舞い戻った「ブライアン」が配属されたのは、彼の実兄「スティーブン」が隊長を務める第17部隊だった。そんな彼らの前で「
バックドラフト」現象を伴う連続放火殺人が繰り返されて…。
この作品のテーマ曲は、フジテレビ系列の「料理の鉄人」でも使われていたことから、ご存知の方も多いのでは。やはり、大前提として消防士がテーマである様に、まるで生き物の如く彼らに襲いかかる炎の描写は観ているこちらも息苦しくなり、恐怖に駆られる位リアルで素晴らしい。男同士の兄弟愛も熱く描かれており、何もかも総括して「熱い」作品であることには間違いないでしょう。
ですが、所々の台詞や演出に若干「大袈裟じゃないのか」と感じる部分も。決して不自然ではありませんが、少し登場キャラクター達を美化してるのかな、やはり映画だな、と思ってしまいました。映画自体は普通に楽しめますし、上記でも述べた様に「インダストリアル ライト アンド マジック」が手掛けた炎の描写には圧倒されますし、何より消防士をテーマに描かれた作品ってそう多くないですよね?そういった意味でも観て損はしない作品だと思います。
閑話休題ですが、
ユニバーサルスタジオ・ジャパンには、この作品がテーマになっているアトラクションがある様で。自分は関西出身ながら恥ずかしくも、USJを訪れたことがないのです。このアトラクションに搭乗経験がある方は、是非その感想をお聞かせ下さい。(笑
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バックトラフトとは…
外部との大気の流れが遮断された密室空間の中で酸素の燃焼が進むと、所謂、酸欠状態となって炎が上がらない、火が燻っている状態が続く。この一見して「火の勢いは大したことがない」と思える状況こそが危険で、ドアを開ける、ガラスを割る、等の行為で密室内に外気(酸素)が雪崩れ込むと、その酸素の供給で一気に部屋が爆発してしまう。これをバックドラフト、と言う。実際、この現象で命を落としてしまう消防士も少なくない。
● DVD
バックドラフト (Amazon.co.jp)