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    カテゴリ:SF( 20 )
    ブレードランナー / Blade Runner
    ● ブレードランナー / Blade Runner [アメリカ / 香港 / 1982年]

    b0055200_473380.jpg荒んだ近未来を先駆的に描き、愛や命の尊厳を語り、業界内外に大きな影響を与えたSF作品のひとつ。陰鬱で暗調な作品のムードゆえ、賛否を生み、観る人を選ぶ可能性も否めないが、情緒を揺さぶる物語の奥行きが見事。個人的な作品の心象は"美しい"に尽く。



    監督は、「エイリアン」「グラディエーター」のリドリー・スコット。原作は、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。「リック・デッカード」役には、"インディ・ジョーンズ"シリーズのハリソン・フォード。「ロイ・バッティ」役には、「ヒッチャー」のルトガー・ハウアー。「レイチェル」役には、「追いつめられて」のショーン・ヤング。「ガフ」役には、「落ちこぼれの天使たち」のエドワード・ジェームズ・オルモス。「ブライアント」役には、「新・猿の惑星」のM・エメット・ウォルシュ。「プリス」役には、「スプラッシュ」のダリル・ハンナ。「リオン」役には、「48時間」のブライアン・ジェームズ。

    "Man Has Made His Match... Now It's His Problem"
    地球環境の悪化により、人類の安住のため宇宙開拓が進む。遺伝子工学の分野では技術躍進が巻き起こり、"レプリカント"と呼ばれるヒューマノイドの開発に成功していた。人間と見分けが付かないが、肉体を強化され、感情を排除された彼ら"レプリカント"は宇宙開拓の前線で過酷な作業を強いられる。しかし、技術の誤算は、時の経過と共に"レプリカント"にも感情が芽生えてしまうことであり、時として人間に牙を向く"レプリカント"も現れた。この"レプリカント"問題を受け、地球に潜伏し、人間に危害を与える恐れのある"レプリカント"を処罰するため、"ブレードランナー"が結成された。2019年11月、ロサンゼルス、"ブレードランナー"をリタイアした「デッカード」が、過去に彼の上司であった「ブライアント」から突然召還される。"レプリカント"開発に深い関連のあるタイレル社にて、"ブレードランナー"である「ホールデン」が、従業員にフォークト・カンプフテストを実施の際、突然、その従業員「リオン」に殺害されてしまったのであった…。


      原作は、「トータル・リコール」で映画化された『追憶売ります』、「マイノリティ・レポート」で映画化された『少数報告』など、数々の名SF小説を生んできたフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。成功とは言えぬ公開初期の興行結果もあって、カルト・ムービーと称される一方で、1993年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。荒んだ近未来を先駆的に表現し、メランコリックな未来都市というモチーフは様々な作品に応用されることになる。

      本作が業界では高い評価を受けていながらも、リドリー・スコットが展開した世界観や作品に与えたテーマ性は、数あるSF作品の中でも特異であり、観賞者レベルでは賛否両論が巻き起こっている点が面白い。本作の世界観は、陰鬱で暗調であり独特の雰囲気を醸成しているものの、見方によっては不気味だ。ヒューマノイドと人間の対峙が大筋であるものの、愛や命の尊厳に焦点を当てたメッセージ性の強い作品となっているため、スリルやアクションを期待していると肩透かしを喰らったような印象を抱く可能性も否めない。こうして、感受の表裏一体と言うべきか、本作は独特のバランス感覚で描かれた作品なのである。

      個人的な作品に対する心象は、"美しい"という言葉に尽きる。それは、優美であり悲壮美でもある。優美は、世界観に帯びている。前述の通りに、本作が描く未来都市は陰鬱で暗調であり、例えば清潔さや鮮麗さといった、いわゆるクリーンなイメージとは一線を画した描き方をされている。しかし、この雨の重たい湿気のような身体にまとわり付く息苦しさは、エピローグにいたるまで一貫されており、奇奇怪怪で、ある意味では不気味なのだが、グイグイと引き込まれるような不思議な優雅さがある。

      悲壮美は、物語に帯びている。"レプリカント"対"ブレードランナー"という構図の中で、愛や命の尊厳が描かれているが、この語り口が切なくも美しい。"レプリカント"の登場たるものは凶悪性が先行して描かれ、勧善懲悪のシンプルな活劇かと思いきや、次第にその境界線が滲み出し、やがて有耶無耶になっていく。「デッカード」はなぜ"ブレードランナー"をリタイアしたのか、「ロイ」を筆頭とした"レプリカント"達はなぜ地球に帰還したのか、「レイチェル」が流す涙の意味とは何か。非現実的な物語でありながらも、作品の主張は観る者の心に訴えかけ、その解釈を委ねてくる。人間の傲慢さや技術発展の憂鬱などといった皮肉はなく、純粋に"生"の意味の問うてくる。完全なSFでありながらも、哀愁や深慮を作品に与えるという芸当は、リドリー・スコットだから成しえるのだろう。

      こうして作品は情緒を揺さぶる奥行きを持っている一方で、「ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版」や「ブレードランナー ファイナル・カット」と再編集が施されている。、ユニコーンは何を意味するのか、本作とキューブリックの意外な接点とは何か、妖しげな日本食屋台で「デッカード」は何を注文し、店主から『2つで十分』と説得されているのか、物語の背景を根底から覆すような推測が成り立ったり、マニアックなディテールの謎が解き明かされたりと、再編集作品をまたいで伏線が張り巡らされていることも興味深い。本作が投じた水滴は大きな水紋となって、今後も永く語り継がれていくように思う。

    ● 関連作品 ※レビュー対象外
    ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版 / Blade Runner: The Director's Cut
    ブレードランナー ファイナル・カット / Blade Runner: The Final Cut

    ● 製作代表 : The Ladd Company
    ● 日本配給 : Warner Bros.
    ● 世界公開 : 1982年06月25日 - アメリカ
    ● 日本公開 : 1982年07月03日
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    by movis | 2009-01-12 04:16 | SF
    紀元前1万年 / 10,000 BC
    ● 紀元前1万年 / 10,000 BC [アメリカ / ニュージーランド / 2008年]

    b0055200_5412838.jpg新しいものへの挑戦と、壮大なスケール感に表れるローランド・エメリッヒの"らしさ"が発揮されている作品。こじんまりとした人間模様が気になったものの、エンターテイメント作品としてはなかなかの好印象であった。世界観に相容れれば、十二分に楽しむことができる。



    監督は、「インデペンデス・デイ」のローランド・エメリッヒ。「デレー」役には、「スカイ・ハイ」のスティーヴン・ストレイト。「エバレット」役には、「姉のいた夏、いない夏」のカミーラ・ベル。「ティクティク」には、「ダイ・ハード4.0」のクリフ・カーティス。「ウォーロード」役には、アフィフ・ベル・バドラ。「ナクドゥ」役には、ジョエル・ヴァージェル。「カレン」役には、モー・ザイナル。「モハ」役には、リース・リッチー。「バク」役には、ナサニエル・ベアリング。「トゥドゥ」役には、ジュニア・オリファント。「巫母」役には、モナ・ハモンド。

    "It takes a hero to change the world."
    紀元前1万年、神々の時代。狩猟民族であるヤガル族の「デレー」は、村を離れたために裏切り者とされている父親の影響で、孤独な日々を送る。ある日、山奥に出掛けた青年が、青い眼をした少女を保護する。「エバレット」という名の彼女もまた、村の子供たちに相容れず、次第に「デレー」と親睦を深めていく。貧困に喘ぐヤガル族の「巫母」は、最期の狩りの日が迫っていること、その折に獲物を倒した者が「エバレット」と結ばれ村に平穏をもたらすこと、そして"四本脚の悪魔"が危機をもたらすことを予言した。彼らの獲物であるマナクの大群が訪れた。勇敢な「カレン」に注目が集まるなか、偶然にも「デレー」がマナクを仕留め、「エバレット」を射止める。歓喜に沸くヤガル族であったが、"四本脚の悪魔"の予言もまた、現実のものになろうとしていた…。


      「スターゲイト」や「インデペンデンス・デイ」など、とかく壮大なスケールで作品を描くローランド・エメリッヒの"らしさ"が存分に発揮されている。それは、ここでは使い古されていないモチーフを発掘する姿勢、想像の世界観を説得力のある映像に作り上げていく論理的発想に言及したい。紀元前1万年というテーマの選択が、彼の挑戦心を表しているようである。

      そのテーマを選んだ動機であるが、エメリッヒは昔ながらの物語の伝え方に興味があった、と述べている。紀元前1万年という時代は近いようで遠い。地質時代区分では更新世と呼ばれるようで、つまりは氷河時代であった。この時代は、部族の体系は多様的であったにせよ、一般的には石器を用いた狩猟や採集で生を営み、天候や気象を神話に結びつける文化が存在していたようだ。ややもすれば、難しいテーマである。物証も困難な古代文明でもなく、予測不能な彼方未来でもない。そうは言え、時代を忠実に再現できるほどの情報は乏しく、また奔放に描きすぎても違和感が生じる。さて、どう描くかが興味となるが、この点に関しては、なかなかのバランス感覚をほこっていたように思う。こんな世界もあったのか、と寛容になるほうが本作は楽しめるのではないだろうか。

      映像の迫力も、エメリッヒと組んで「デイ・アフター・トゥモロー」を作り上げたカレン・ゴーレカスが視覚効果を担当したこともあって、確かなものであった。地鳴りをあげるような"マナク"と呼ばれる巨大なマンモス、身軽だが力強いサーベルタイガー、不気味で恐怖を煽る恐鳥など、未知なる生物が活き活きと描かれている。ニュージーランド、南アフリカ、ナミビアとロケ地を巡っただけあって、自然景観のコントラストも鮮やかであった。

      スティーヴン・ストレイトが演じる「デレー」は、人に優しく実直であるが、勇猛さに欠けている。最愛の「エバレット」を助けたい一心で、気持ちを強く持ち始めていく。本作には、そんなドラマも含まれている。人望によって仲間を得た「デレー」が、さらわれた「エバレット」とニアミスするシーンがあるのだが、ここでは不覚にも鳥肌が立ってしまった。しかしながら、欲を言えば、このドラマの要素をもっと分かりやすく強調してほしかった。映像とロマンスありきな作品であることは理解しているつもりだが、多種多様な民族との出会いも見せられているわけであるから、「デレー」のカリスマ性がもっと表現されてもいいのではないか。世界観がせっかく壮大であるのに、そこで描かれている人間関係がこじんまりとしている点が気になってしまった。

      ともあれ、気軽に観賞していい作品だ。映像は壮大であるし、出演者たちもいい人間味がある。エメリッヒの描いた世界観に相容れれば、グイグイと作品に惹きこまれるであろう。エンターテイメント作品としては、なかなかの好印象であった。

    ● 製作代表 : Warner Bros. Pictures
    ● 日本配給 : Warner Bros.
    ● 世界公開 : 2008年02月22日 - 日本(東京/プレミア)
    ● 日本公開 : 2008年04月26日
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    by movis | 2008-05-07 05:48 | SF
    NEXT - ネクスト - / NEXT
    ● NEXT - ネクスト - / NEXT [アメリカ / 2007年]

    b0055200_15193923.jpg自分にまつわる2分先までの未来が先見できる男が陰謀に巻き込まれていく、という物語のアイデアがなかなか面白い。ストーリーが進行するにつれて暴走するプロットに、もう少し落ち着きがあって欲しかったのだけれども、スピード感があって娯楽作としては手堅い。



    監督は、「007/ダイ・アナザー・デイ」のリー・タマホリ。原作は、フィリップ・K・ディックの『ゴールデン・マン』。製作と「クリス・ジョンソン」役には、"ナショナル・トレジャー"シリーズのニコラス・ケイジ。「カリー・フェリス」役には、「エデンより彼方に」「美しすぎる母」のジュリアン・ムーア。「リズ・クーパー」役には、「エリザベスタウン」「ステルス」のジェシカ・ビール。「アーヴ」役には、"刑事コロンボ"シリーズのピーター・フォーク。「スミス」役には、「トリコロールに燃えて」のトーマス・クレッチマン。「キャバノー」役には、「タイガーランド」のトリー・キトルズ。

    "If you can see the future, you can save it."
    ラスベガスにいるパフォーマーの中には、タネも仕掛けもない、生まれ持った能力で稼ぐ連中がいる。「フランク・キャデラック」という芸名で活躍する「クリス」もそのひとりである。彼は自分にまつわる2分先までの未来が見えた。ところが例外もあって、ひとりの女性の未来だけは遠くまで見通すことができた。彼女は魅力的だが、出会ったことがない。8時9分、カフェでその女性に出会う。不確かだが鮮明なイメージを信じ、マティーニを飲みながら彼女を待つ日が続いた。ある日、彼のパフォーマンスを眺める特異な視線があった。FBI捜査官である「カリー」と「キャバノー」には、彼の能力の真贋を早急に確認しなければならない事情があった…。


      「ブレードランナー」や「トータル・リコール」などの原作を生んだフィリップ・K・ディックの『ゴールド・マン』を、リー・タマホリが映画化した。自身にまつわる2分先までの未来を先見できる男が、国家を揺るがす危機に巻き込まれるSFサスペンスである。ニコラス・ケイジ、ジュリアン・ムーアを核に展開するストーリーに、ジェシカ・ビールが華を添える。ちなみに、プロローグで「クリス」が韓国系女性を相手にマジックを披露するシーンがあるが、カメオ出演のこの女性はニコラス・ケイジの妻、アリス・キム(アリス・キム・ケイジ)である。憎い演出だ。

      2分先を先見できる、という設定はなかなか面白い。そして、大味かと思える作品であるが、意外にも導入部は丁寧かつ親切に描かれている。一考すると地味にも思える能力ではあるが、爽快な映像を見せておきながら、応用次第では大きな可能性を秘めていること、制約と例外があることを説得してくる。実は、ここでほぼ作品のトリックは明かされている。ストーリーが進行するにつれて能力が一人歩きしているかのような混乱が生じるが、納得するには序盤のシーンを思い返してみると良いかもしれない。ニコラス・ケイジが見せる殺陣がかっこよかった。

      さて、作品は95分という短尺を誇っているのであるが、いささか消化不良な印象が拭えない。核兵器によるテロ計画の阻止がテーマであろうが、「クリス」と「リズ」のロマンスも主張が強い。それでも、95分に作品が収まっていれば痛快だったのだろうが、「バンテージ・ポイント」のようなコンパクトさにも欠け、いくつかの疑問が白黒つかぬままスタッフ・ロールを眺めてしまった。この手の作品は鮮度が命であるから無駄な長尺も感心しえないが、暴走しそうなプロットにもう少し落ち着きを与えて欲しかった。

      暴走という言葉を使えば、まさにエピローグはそれを極めているのだが、挑戦的というべきか、挑発的というべきか、淡白に作品を締められるよりは良いと思った。こうした粗放的なエピローグは、さまざまな映画にも応用されているけれども、本作は非常に大胆である。ともあれ、FBI捜査官の期待と「クリス」の憂鬱にも表れているように、未来を先見できるにしても2分先まで、という何とも微妙な能力の設定がものをいう。謎解きを迫られても、この根底は変わらない。世界観もこじんまりとしているし、もう少し濃密なストーリーを楽しみかったとは思うが、スピード感があってアイデアが面白い、手堅い娯楽作であることは認めておきたい。

    ● 製作代表 : Initial Entertainment Group
    ● 日本配給 : GAGA Communications
    ● 世界公開 : 2007年04月25日 - フランス/ベルギー
    ● 日本公開 : 2008年04月26日
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    by movis | 2008-05-04 15:26 | SF
    バタフライ・エフェクト2 / The Butterfly Effect 2
    ● バタフライ・エフェクト2 / The Butterfly Effect 2 [アメリカ / 2006年]

    b0055200_1252167.jpg精神に重く、しかし非常にセンチメンタルなストーリーが反響を呼んだ「バタフライ・エフェクト」の続編。作品のトリックは前作から継承しているものの、ストーリーにはやや難あり…。シリーズが言わんとしていることは本作が分かり易いので、リラックスして観賞されたい。



    監督は、ジョン・R・レオネッティ。「ニック」役には、「アメリカン・パイ」のエリック・ライヴリー。「ジュリー」役には、エリカ・デュランス。「トレバー」役には、ダスティン・ミリガン。「アマンダ」役には、ジーナ・ホールデン。「ブリストル」役には、デヴィッド・ルイス。「ロン」役には、アンドリュー・エアリー。「グレース」役には、リンゼイ・マックスウェル。

    "Can you change your past without destroying your future?"
    新興携帯メーカー"CMI"で立ち上げたプロジェクトも前途洋々に進捗し、仕事に熱意をみせる「ニック」は、恋人「ジュリー」の24歳の誕生日を祝うため、親友の「トレバー」、その恋人「アマンダ」の4人で湖畔を訪れた。言葉にすることはなかったが、「ニック」も、「ジュリー」も、互いの未来に夢を膨らませているのであった。突然、「ニック」の携帯電話が鳴り、何か言いたげな「ジュリー」は言葉を呑んだ。会社からの呼び出しでは断ることも出来ず、4人は渋々車を走らせる。他愛ない会話で盛り上がる車内であったが、タイヤのパンクに空気が一変する。道を塞ぐかたちで急停止した車のサイドガラスには、真っ向から向かってくる大型トラックが映って…。


      監督エリック・ブレスが製作した「バタフライ・エフェクト」の続編製作を、撮影分野で活躍してきたジョン・R・レオネッティが引き継いだ。作品のトリックは、日記から写真へとトリガーが変わっただけで、アイデア自体は前作から継承している。一方、プロットは独立しているので、前作との比較というのは極力控えたいのだけれども…。

      …さて、どう書けばよいか。おそらくは、自身を含め、ファンが抱いていた期待とは相容れぬ方向へ歩んでしまった。理由は、主人公が持つ"能力"の説得と、その活かし方の二点にあるような気がしてならない。前作でアシュトン・カッチャーが演じた「エヴァン」が"能力"の潜在に気付いていく過程は、決してロジカルではなかったものの、物語の流れがニュートラルであったから、とりあえず納得できた。しかし、「ニック」のケースはあまりに唐突だ。

      「エヴァン」は"能力"を親和的に活かしたが、「ニック」は利己的に活かした。どうせそうであるなら「ジャンパー」の「デヴィッド」くらい徹底してほしいものだが、そこも果たしていない。物語のトリックを見せる段階では、まるで、前作を見てくれ、と言わんばかりの粗放さがあるに対し、ストーリーは独尊を貫いているために、どうも不親切だな、という思いを禁じえないのである。おまけのようなラブ・シーンがあったりするものの、それならばもっと前作へのオマージュを強調してほしかった、というのが本音である。

      ともあれ、"能力"を持ってしまったがために訪れる不幸のスパイラルは、センチメンタルを伴いながら上手く描かれている。「ニック」には、一筋縄ではいかない究極の選択肢が突きつけられていくために、彼がどういった行動をとっていくのか、興味はその動向へと向いていく。前作が湛えていた複雑難解な伏線や精神に重くのしかかるエピソードはさほど見受けられず、肩の力を抜いて観賞することができた。

      また、前作との互換性が明示される短いシーンがあった。全くのアナザー・ストーリーかと思っていたために、これには頬が緩んだ。そういったこともあるので、前作のトリックが好きなのであれば観賞してみるのも良いだろう。このシリーズが言わんとしていることは、本作のほうが明確で分かり易いのは間違いない。

    ● 関連作品 in this blog ...

    バタフライ・エフェクト [2004年]

    ● 製作代表 : New Line Cinema
    ● 日本配給 : ArtPort / AMGエンタテインメント
    ● 世界公開 : 2006年08月10日 - イスラエル
    ● 日本公開 : 2007年10月13日
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    by movis | 2008-04-29 12:09 | SF
    クローバーフィールド/HAKAISHA / CLOVERFIELD
    ● クローバーフィールド/HAKAISHA / CLOVERFIELD [アメリカ / 2008年 / PG-12]

    b0055200_1941298.jpg作品の情報や詳細を一切シャットアウトした宣伝の戦略が勝った。モチーフ自体は新しいものではない、とは言え、期待を大きく裏切られることはなかった。恐怖を体感させる手法には脱帽。ひどい手ぶれ映像が苦手な方は、ぜひ観賞前の熟考と多少の覚悟を。



    監督は、マット・リーヴス。製作は、海外ドラマ"LOST"シリーズのJ・J・エイブラムスとブライアン・バーク。「ロブ・ホーキンス」役には、マイケル・スタール=デヴィッド。「ジェイソン・ホーキンス」役には、マイク・ヴォーゲル。「ベス・マッキンタイア」役には、オデット・ユーストマン。「ハドソン・プラット」役には、T・J・ミラー。「リリー・フォード」役には、ジェシカ・ルーカス。「マレーナ・ダイアモンド」役には、リジー・キャプラン。

    "Some Thing Has Found Us"
    アメリカ、国防総省には極秘資料として保管されているひとつのビデオカメラがある。かつて"セントラル・パーク N.Y."と呼ばれていたポイントで発見された、そのビデオカメラは「ロブ・ホーキンス」という民間人の所有物であったと思われる。テープには、5月22日の夕刻から発生した、とある出来事の一部始終が記録されている。この記録の暗号名は"クローバーフィールド"…。


      少なくとも、大衆の興味を掻き立てたという点で、広告メディアの戦略は成功だったと言えるだろう。本作公開前の劇場で見ることができたのは、不穏なデザインのポスターと、詳細不明の短いプロモーション・ムービーだけ。公式サイトでは情報を小出ししていた、とはいうものの、やはり作品の実体を掴むにはほど遠く、隠された内容を知りたい、多くの人々を劇場に向かわせた。制作費は公開たった3日で回収してしまったという。ところで、公式サイトでも謳っているようにアトラクションとして楽しむべき作品だが、ひどい手ぶれ映像が苦手な方には、お勧めできない。

      本題に添えられた"HAKAISHA"という日本限定のサブタイトルは、製作J・J・エイブラムスの意図だというから、無粋といえば失礼か。しかし、ニューヨークをカタストロフィが襲う、という設定は容易に察しがついてしまうから、要らぬ親切だったと言っておきたい。そして、映像が乱れきったプロモーション・ムービーから彷彿とさせたのは、全編カムコーダ撮影という斬新なアイデアを採用した「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」であった。これだけで、主観がメインのパニック映画、という推測は可能で、それは正解である。つまり、作品のモチーフ自体は新しいものではない。

      これを受けて、期待は外れたか、といえばそうでもない。出来事を俯瞰させず、カタルシスを与えない手法が、常軌を逸した状況から出来るだけ早く逃れたい、という不安を植えつけてくる。これが製作の狙いであれば、カムコーダ撮影の採用は当たりだった。度を超えた究極の恐怖を目の当たりにして、一般人は目で何を捉えようとするのかが計算し尽くされている感がある。そんな絶妙なアングルが功を奏して、観賞者に出来事を体感させていく。

      「アイ・アム・レジェンド」などと同様に、荒廃するニューヨークを描くことで、「9.11」で全世界が得た恐怖を上手く煽ってくるが、いささか作品の去り際には感心しない。ドキュメンタリー性が活きている内に、コンパクトに作品をまとめて欲しかった。どうやら本作の続編も視野に入れているようで、早くもインターネット上には予感がばら撒かれつつあるが、この手の"やってしまったもの勝ち"な作品の下馬評をどう裏切るつもりであるのか、ただ静かに見守りたいと思う。

    ● 製作代表 : Bad Robot
    ● 日本配給 : Paramount Japan
    ● 世界公開 : 2008年01月16日 - アメリカ(ハリウッド/プレミア)
    ● 日本公開 : 2008年04月05日
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    by movis | 2008-04-19 19:45 | SF
    ジャンパー / JUMPER
    ● ジャンパー / JUMPER [アメリカ / 2008年]

    b0055200_1492533.jpg爽快でパワフル。目に見えるものが楽しい。ダグ・リーマンの経験が大いに活かされた。VFXという助力を得て、壮大なケンカ映画を完成度の高い娯楽作品として仕上げた。ヘイデン・クリステンセンの勢いは相変わらずだが、ジェイミー・ベルという存在にも一目置きたい。



    監督は、「ボーン・アイデンティティー」「Mr. & Mrs. スミス」のダグ・リーマン。原作は、スティーヴン・グールドの『ジャンパー 跳ぶ少年』。「デヴィッド・ライス」役には、「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」のヘイデン・クリステンセン。「ミリー・ハリス」役には、海外ドラマ"The OC"シリーズのレイチェル・ビルソン。「グリフィン・オコナー」役には、「キング・コング」「父親たちの星条旗」のジェイミー・ベル。「ローランド・コックス」役には、「パルプ・フィクション」「ダイ・ハード3」のサムエル・L・ジャクソン。

    "anywhere is possible."
    ミシガンで生まれ育った高校生「デヴィッド」は、想いを寄せる「ミリー」にスノーグローブを贈った。しかし、同級生の難敵「マーク」はそれを強引に奪い、凍て付く河へと放り投げた。「ミリー」の制止もきかず、「デヴィッド」は凍った水面に脚をおろす。スノーグローブは取り戻せたが、足元が割れ、「デヴィッド」は川底へと沈む。生命の危機に直面し、彼は自身の才能を知る。気が付くと、馴染みのある図書館の中であった。"JUMP"に目覚めた。ハッピーエンドのはずだった…。


      VFXの技術進歩に懐古的な憂いを感じる反面、目に見える楽しさが増えたとも思う。シームレスに世界を飛び回る「デヴィッド」の姿は非常に爽快かつパワフルであり、マイケル・ベイの「トランスフォーマー」にも同様の心象を抱いたが、シーンの迫力には圧倒されるばかりであった。

      ダグ・リーマンの監督キャリアは、「ボーン・アイデンティティー」「Mr. & Mrs. スミス」に次いで本作が3作目であるが、ここ6年間の間、アクション作品のビッグ・タイトル製作に携わってきただけあって、その経験が大いに活かされている。もっとも象徴的であるのが、"ジャンパー"と"パラディン"、追う者と追われる者の逼迫した対決の模様である。有利不利の微妙なシーソーゲームの様相を呈しながらも、終盤に向かうにつれ、バトルを激化させていく。VFXという助力も得て、壮大で、悪く言えば傍迷惑なケンカ映画を完成度の高い娯楽作品として仕上げた。

      "スター・ウォーズ"シリーズで、世に名を知らしめたヘイデン・クリステンセンは、またしても一筋縄ではいかない若くて勢いのある役柄に挑んだわけだが、十二分に存在感を示した。彼にも増して、冷静かつ孤高の"ジャンパー"である「グリフィン」を演じたジェイミー・ベルの演技力にも味がある。魅力ある配役を見事にこなし続けており、彼の動向にも期待したい。

      "ジャンパー"と"パラディン"という好奇心をかき立てられる世界観があるにも関わらず、それは添え物にすぎなかったのか、饒舌に語られない点がむしろ残念であったが、娯楽作品だと割り切ってしまえばいい。映像に裏切られることはない。是非、劇場での観賞をお勧めしたい。

    ● 製作 : Twentieth Century-Fox Film Corporation
    ● 配給 : 20th Century Fox
    ● 公開 : 2008年2月6日 - イタリア(ローマ/プレミア)
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    by movis | 2008-03-09 01:56 | SF
    コンタクト / Contact
    ● コンタクト / Contact [アメリカ / 1997年]

    b0055200_2545335.jpgこれほど、宇宙の広大さを体験できた作品はなかった。カール・セーガンの情熱と、ロバート・ゼメキスの素直さは見事な相性である。抱えきれぬほどのテーマを盛り込みつつ、ヴィジュアルでは夢を与えてくれた。宇宙の可能性に好奇心がくすぐられる傑作SFだ。



    監督、製作には、"バック・トゥ・ザ・フューチャー"シリーズのロバート・ゼメキス。原作は、カール・セーガンの『コンタクト』。「エリナー・アロウェイ」役には、「羊たちの沈黙」「フライトプラン」のジョディ・フォスター。「パーマー・ジョス」役には、「評決のとき」「U-571」のマシュー・マコノヒー。「S・R・ハデン」役には、「ミッドナイト・エクスプレス」のジョン・ハート。「デヴィッド・ドラムリン」役には、トム・スケリット。「マイケル・キッツ」役には、ジェームズ・ウッズ。「ケント・クラーク」役には、ウィリアム・フィクトナー。

    "If it's just us, it seems like an awful waste of space."
    フロリダ、ペンサコラの人間が無線に応じた。十を数えぬ幼き「エリナー」は、コンタクトの最長記録に胸が高まる。ニューヨークは、カリフォルニアは、中国は、…お母さんにも声は届くのだろうか。SETI(地球外知的生命体調査)の研究員になった「エリナー」は、空を見上げる巨大なアンテナを目の前に、溢れんばかりの情熱を更に一層燃え上がらせた。自身を導いてくれた優しき父親「テッド」の面影を胸に秘めて…。


      天文学者でもあり、作家としても有名であったカール・セーガンの著書『コンタクト』の映像化に"バック・トゥ・ザ・フューチャー"シリーズを築いたロバート・ゼメキスが挑んだ。これに伴い、カール・セーガンはアレンジを加えるほどの熱の入れ様であったが、作品の完成を待たずに逝去。だが、彼の情熱に対して、ロバート・ゼメキスは十二分に応えたのではないだろうか。好奇心をくすぐられる傑作SFであった。

      宇宙を馳せる、というモチーフ自体はもはや定番となってしまったが、宇宙を脅威として捉えるのではなく、"接触"を図ろうとする姿勢を貫いたことで本作には斬新かつ新鮮な印象を抱いた。地球と同じような惑星があるのだろうか、と誰しもが一度は抱く壮大な疑問に対して、地球からズームアウトしていくプロローグにも表れているように、真っ向から美しいCGで応えてくれた。報道番組のカットを細やかに振り分けたり、物語の出来事で影響を受けていく大衆を描写したり、とディテールへのこだわりはSF作品にリアリティを添えている。綻びや隙を感じることもなく、ただロバート・ゼメキスに畏敬の念を抱くばかりであった。

      本作の特徴は、ヴィジュアルだけでなく、「科学」と「宗教」に代表されるような二面性があって"人間たる"様々なテーマを盛り込んでいる点である。地に脚ついた現実的な考えを、マクロ・レベルで俯瞰して昇華させる。海を眺めれば悩みが小さく思える、というような体験を与えてくれたようだ。解釈が分かれるところであろうが、自身は世界的な"友好"、つまり"平和"を謳っているようだと思った。

      溢れんばかりのテーマを携えているにも関わらず、作品が軸を保って成立している理由は、演技者たちの貢献も言わずもがなであろう。ジョディ・フォスターを核として、決して派手とは言えぬが味わい深いキャストが絶妙であった。彼らの人間くささに感情移入しながら、宇宙の可能性を大いに夢見させてくれた。星を見上げるのが、少し楽しみになった。

    ● 製作 : Warner Bros. Pictures
    ● 配給 : Warner Bros.
    ● 公開 : 1997年7月11日 - アメリカ/カナダ 
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    by movis | 2008-03-03 02:59 | SF
    AVP2 エイリアンズ VS. プレデター / ALIENS VS. PREDATOR: REQUIEM
    ● AVP2 エイリアンズ VS. プレデター /
        ALIENS VS. PREDATOR: REQUIEM [アメリカ / 2007年 / PG-12]

    b0055200_15275816.jpgさぁ、いよいよ続きが明かされる。モンスター映画界の代表格、「エイリアン」と「プレデター」の再激突である。暗黙のルールなどなく、グロテスクな描写は前作比で増量…。甘さを許さない非情な展開を評価したい。そして、物語の伏線がいよいよ見えてきた。



    監督は、"ストラウス兄弟"と呼ばれ、これまでVFXの分野で活躍していたコリン・ストラウスとグレッグ・ストラウス。「ダラス」役には、海外ドラマ"レスキュー・ミー ~NYの英雄たち"シリーズのスティーヴン・パスクール。「ケリー」役には、海外ドラマ"24 TWENTY FOUR"シリーズのレイコ・エイルスワース。「モラリス」役には、「レッスン!」「マイアミ・バイス」のジョン・オーティス。「リッキー」役には、ジョニー・ルイス。

    "This Christmas there will be no peace on Earth."
    2004年、南極で勃発した「エイリアン」と「プレデター」の死闘。闘いを終えた「プレデター」は、母船を飛ばし、故郷の惑星への帰還を試みた。しかし、「エイリアン」の抵抗は終わらない。負傷した「プレデター」の体内に"チェスト・バスター"を仕込んでいたのである。例を見ない異様な風格を誇る新型の「エイリアン」は、脅威の早さで成長し、船内の「プレデター」に次々と襲いかかる。彼らの攻防に「プレデター」のシップは耐え切れず、飛び立ったばかりの地球へと堕ちていくのであった…。


    エイリアン VS. プレデター」で実現した、SFモンスター映画のビックタイトル「エイリアン」と「プレデター」の激突。両者の殴り合いを存分に楽しんだ後、「プレデター」の身体から飛び出す異形の"チェスト・バスター"を見せられただけに、待ちに待った続編である。

    "エイリアンズ"のタイトルが表すように、"エイリアン"シリーズでは嫌というほど見せられた、群れるという彼らの習性が活き活きと描写されていて、それは恐怖や絶望となって頭をもたげてくる。「プレデター」の知性や武器のバラエティも健在。監督は、ポール・S・W・アンダーソンからストラウス兄弟へと受け継がれたが、モンスターの個性が歪められていないことに、とりあえずは安心である。

    ところが、どうも前作とは印象が違う。「エイリアン」と「プレデター」の闘いに巻き込まれ、犠牲となる人間を選ばないのである。この手の作品には、ある種の"暗黙のルール"が存在するものだ、と勝手に思い込んでいたのだが、これほど非情な物語も有り得るのか、とショックを覚えたほどだ。グロテスクな描写も前作に比べて増えた。必然性を帯びていて、淡々としていて、驚くほど冷静さを備えた作品であった。

    前作のレビューでは、ストーリーに傾倒するではなく、目に映るものを楽しむべきだ、との感想を述べたが、今作も同じである。ただ、"エイリアン"シリーズと、"プレデター"シリーズという異なるSFホラー作品が"AVP"シリーズによって結ばれつつある。当然、構想は後付けであろうが、いよいよ伏線が目に見えてきたという点で、ファンのみならず、両シリーズを観賞した人の関心を惹きつけてくれる作品といえた。

    ● 関連作品 in the MOVIS

    エイリアン4 [1998年]
    エイリアン VS. プレデター [2004年]

    ● 製作 : Twentieth Century-Fox Film Corporation
    ● 配給 : 20th Century Fox
    ● 公開 : 2007年 (コロンビア / 香港 / ペルー / タイ / アメリカ)
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    by movis | 2007-12-31 03:42 | SF
    アイ・アム・レジェンド / I AM LEGEND
    ● アイ・アム・レジェンド / I AM LEGEND [アメリカ / 2007年]

    b0055200_2317480.jpg業界では著名なリチャード・マシスンによる原作であること、同一原作では3度目の映画化作品であることを知ったのは観賞後。先入観は持たなかったにしても、これほど衝撃的な展開だとは思いもよらず…。何にもまして聴覚に訴えかけてこられては、逃げ場がない…。



    監督は、「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。原作は、リチャード・マシスンの『地球最後の男』。「ロバート・ネビル」役には、「エネミー・オブ・アメリカ」「アイ, ロボット」のウィル・スミス。

    "The last man on earth is not alone"
    2012年、アメリカはニューヨーク。文明の足跡と化したこの地を、シェルビー・マスタングGT500が駆ける。助手席の窓からは、相棒「サム」が鼻を覗かせて、獲物の気配に嗅覚を研ぎ澄ます。「ロバート・ネビル」は狩りの最中であった。トレーニングで身体を鍛え、タイムズスクエアに設けた畑の作物で腹を満たす日常。シャンプーで身体を洗ってやりながら、野菜を食べない「サム」を諭す「ロバート」。彼の腕時計のアラームがなる。余裕を持って、夜を向かえなければならない。なぜなら、奴らがやってくるからだ…。


    ウィル・スミスが舞台挨拶を行ったジャパン・プレミアの後片付けが進む有楽町、東京国際フォーラム。大きな広告を横目にしながら、どんな作品なのか、と想いを馳せていた。「激突!」や「ある日どこかで」など、ハリウッド界に大きな功績を残したリチャード・マシスンが原作を執筆したこと、過去2度にわたって、同一原作が映画化されたことなど露知らず。この作品は、原作の本筋を知っているのと、そうでないのとでは、受ける印象に大きな差があるに違いない。アイデア自体は使い古されている、と言っても過言ではないが、少なくとも前提知識がなかった自分にとっては、作品の意外性があまりに衝撃的だった。

    動植物の息遣いが聞こえてくるが、スクリーンに映っているのはニューヨークの高層ビル群。あまりにミスマッチだが、まるで初めて出会うような映像に心が高ぶる。自給自足を強いられる「ロバート」だが、たくましくも迷いなく日常をおくっている。…と思いきや、シェパードの「サム」を叱ってみたり、マネキンに話しかけてみたり、と『地球最後の男』になってしまった彼の悲壮が伝わってくる。ウィル・スミスの演技が巧い、と今更言う必要はないにしても、新鋭フランシス・ローレンスの演出に、この段階では関心せざるを得なかった。

    こういった描写を、割と長い尺で魅せてくれるものだから、自ずと結末への期待が高まるわけであるが、核心が見え始めてからというもの、展開には雑多な印象も否めなかった。「ロバート」の回想シーンを散りばめ、背景についても明らかにしていきながら、終盤は加速度的にストーリーが進行していくわけであるが、説得が不親切であるし、インパクトに任せて押せ押せになってしまっている。

    玉石混交と言ってしまえば言葉が悪いが、目に魅せられる作品として完成度が高いことは認めておきたい。そして、聴覚を攻撃するのはあまりに卑怯である…。

    ● 製作 : Warner Bros. Pictures
    ● 配給 : Warner Bros.
    ● 公開 : 2007年 (日本)
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    by movis | 2007-12-20 01:07 | SF
    バタフライ・エフェクト / The Butterfly Effect
    ● バタフライ・エフェクト / The Butterfly Effect [アメリカ / 2004年 / PG-12]

    b0055200_21461368.jpgこれは切ない!少し灰汁のある作品であったが、良い意味で期待を裏切ってくれる。ボテボテだが、押し付けがましくないエピローグが良い。ストーリーがストーリーだけに、鳥肌が立った。「あれ?あのシーンの意味は…?」と、物語の繋ぎに脆さも感じたが、これは許容範囲!



    監督は、「デッドコースター」のエリック・ブレス。「エヴァン・トレボーン」役には、「ジャスト・マリッジ」のアシュトン・カッチャー。「ケイリー・ミラー」役には、「スタスキー & ハッチ」のエイミー・スマート。「レニー・カウガン」役には、「シーズ・オール・ザット」のエルデン・ヘンソン。「トミー・ミラー」役には、「遠い空の向こうに」のウィリアム・リー・スコット。

    "Change one thing, change everything."
    部屋の外では怒号が響き、ソファで抑えた扉は今にも破られそうだ。『もし誰かがこれを見つけたら、それは僕の計画が失敗した証拠。その時、僕は死んでいる。でも、もし僕が最初に戻れたら…。その時はきっと、彼女を救えるだろう』。机の下に伏せた青年は紙にこう殴り書くと、強く目を閉じた。7歳の少年「エヴァン」には、病院に拘束されている父親がいる。「エヴァン」の母親「アンドレア」は女手ひとつで彼を支えて愛を注ぎ、「エヴァン」もまた母親を慕っていた。「エヴァン」は普通の少年であった。時折、一時的な記憶喪失に陥ることだけを除けば…。


      "カオス理論"において、『1匹の蝶の羽ばたきが、地球の裏側で台風を発生させる』と詩的に表現される"バタフライ効果"がタイトルの由縁となっている。これを本編に結び付けていくプロットが非常に斬新で、新鮮味のあるSFサスペンスであった。

      タイトルよろしく、物語の序盤から小さな伏線が張り巡らされているのだが、これが非常に込み入っている。作品のトリック自体も序盤は伏線として隠れている点が憎い。一見して、何の関連もないように見えるような小さなピースがスッキリと形になっていく。この作品は伏線の回収の仕方が巧い。なかには、「あのシーンの意味は…?」と繋ぎの脆さが気になる伏線もあったが、そこも愛嬌と思えるほど、壮大である。

      作品のトリック、という言葉を先に使ったが、モチーフという意味では、あくまでも新しいものとは言えない。そのトリックを見せるまでの過程や、活かし方が独特なのである。綱渡りのようなもので、バランスを崩せば『ありがちな作品』に取り込まれてしまいそうなのだが、何とかエピローグまで渡りきってしまうので、期待は裏切られ、思わず感嘆の声をあげそうになる。

      意外と灰汁の強い表現があったり、精神に重いエピソードがあったり、と軽やかに眺めることができないストーリーではある。しかし、客観的にはありがちなエピローグを迎えるものの、ここでストーリーの性格が活きて、最高に爽やかに、そして非常に切ない印象を残してくれる。「Oasis」の"Stop Crying Your Heart Out"をエンドタイトルに持ってこられるのだから、余韻に浸らない理由はない。2度目の観賞機会を心待ちにできる、なかなかの秀作であった。

    ● 関連作品 in this blog ...

    バタフライ・エフェクト2 [2006年]

    ● 製作代表 : BenderSpink
    ● 日本配給 : ArtPort
    ● 世界公開 : 2004年01月22日 - プエルトリコ
    ● 日本公開 : 2005年05月14日
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    by movis | 2007-11-25 23:22 | SF