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    カテゴリ:アニメーション( 2 )
    ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険
    ● ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険 [日本 / 2003年]

    言わずと知れた大人気コミックのスピンオフ第4作目は初の単作公開。本編でも観られる「ONE PIECE」の魅力がコンパクトにまとまっており、「ONE PIECE」を知らない人には入門編としても最適。コアなファンには少し物足りないかも…?それでも、エピローグに向けて開放的に見せてくるあたりはさすが!
     
    b0055200_6222081.jpg
     
    監督は、「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」の宇田鋼之介。「モンキー・D・ルフィ」の声の担当には、田中真弓。「ロロノア・ゾロ」の声の担当には、中井和哉。「ナミ」の声の担当には、岡村朋美。「ウソップ」の声の担当には、山口勝平。「サンジ」の声の担当には、平田広明。「トニートニー・チョッパー」の声の担当には、大谷育江。「ニコ・ロビン」の声の担当には、山口由里子。「シュライヤ・バスクード」の声の担当には、宮本充。「ビエラ」の声の担当には、永井一郎。「アナグマ」の声の担当には、酒井美紀。「ガスパーデ」の声の担当には、石田太郎。「ニードルス」の声の担当には、小杉十郎太。
     
    "生き残れるか!? 大海賊が競う史上最悪のレース!!"
    時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王「ゴールド・ロジャー」が遺した"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)"をめぐって、幾人もの海賊達が旗をかかげ戦っていた。"偉大なる航路(グランドライン)"、ハンナバル。「モンキー・D・ルフィ」率いる"麦わらの一味"は、彼と「チョッパー」の大喰らいが原因で慢性的な金欠病に陥っていた。優秀な航海士であり"麦わらの一味"の金庫番でもある「ナミ」は、金の匂いを嗅ぎつける。それは、ハンナバルで不定期に開催される、海賊の海賊による何でもありの『デッドエンド・レース』への参加であった。その頃、とある海賊蒸気船のボイラー室。病に蝕まれ咳き込む老いたボイラーマンと、彼を"じいちゃん"と慕い、病状を心配する少年の姿があった…。

     
      尾田栄一郎が描くコミック「ONE PIECE」は、史上最速で1億冊を売り上げ、60巻発表によって2億冊を突破、初版発行部数、初動週間売上部数では国内出版史上最高記録を樹立し、世界30カ国以上で翻訳販売されている大人気少年漫画。本作は、スピン・オフ劇場作品としては4作目に当たるが、単作での公開は初めてであり、上映時間も60分を超えた。本筋のストーリーでは描かれない、完全なオリジナルのシナリオであるが、「ルフィ」が呟くかつて戦闘したキャラクターの名前や、懸賞金をめぐる一連のエピソードから"アラバスタ編"と"スカイピア編"の中間に時間軸が設定されていることがうかがえる。メディアミックスの観点では「BUMP OF CHICKEN」の"sailing day"が公式タイアップされたほか、女優の酒井美紀が「アナグマ」役で声の出演を果たしているといった話題がある。

      90分強という短かい尺ではあるが、2011年4月現在、単行本61巻にも及ぶ「ONE PIECE」の"良さ"が網羅された、凝縮された作品であった。作者の尾田栄一郎は、単行本のライナーノーツの中で「ONE PIECE」に対するポリシーを語っており、同作は"少年漫画"であることを強調しながら、多少カタストロフィや殺戮は描きながらも「ルフィ」は絶対に敵を殺さないし、キャラクターの心情の移ろいは描きながらも明示的な恋愛は描かない、としている。ある意味で物語を盛り上げる上での"制約"と言えるのかもしれないが、それでも単行本が2億冊以上も売れてしまう"魅力"がある。作品に対しての思い入れは人それぞれであろうが、大きくは、細やかな伏線の張り方と丁寧な回収の仕方、感動と悲壮のエピソードの描き方が上手いというズルさ、そして、さまざまな過去に囚われるキャラクターが救いを見出す「ルフィ」の無邪気な仲間意識、といったところであろうか。そういった魅力が、本作にギュッとコンパクトに詰まっていた。
      
      『本編の魅力がコンパクトに閉じ込められた』という印象は、もしかするとズバリ制作サイドの狙いかもしれない。分かりやすい部分では、"麦わらの一味"がそれぞれの船員としての役割をこなす描写が必ず含まれているし、海軍との対峙もあるし、特徴に富んだ海賊が登場するし、といった具合だ。「ガスパーデ」をやっつける、という単純な活劇に終わらず、「シュライヤ」を巡る、ミスリードを誘うような感動的なエピソードも含まれていて、さながら本編に見られるドラマ性も保っている。「ONE PIECE」入門編とも言えるか、万人に観賞がやさしい作品だ。コアなファンに向けたケアも含まれているのか、登場する人物のセリフが、後に"麦わらの一味"が訪れることになる舞台を予感させたりもする。エピローグを開放的に見せてくるあたりもさすがである。
      
      しかし、本編が10巻程度のボリュームでひとつの舞台をまとめあげるのに対して、90分という時間で新しい舞台を描き切ってしまうので、淡泊な印象も否めない。「ルフィ」と「シュライヤ」が強調して描かれるので、必然的に"麦わらの一味"の連携のとれた大暴れは影を潜めてしまうし、強靭な敵を相手に「ルフィ」はどう攻略していくのか、という状況打開のスリルにも乏しい。「ONE PIECE」の魅力がコンパクトにまとまっている代わりに、本編にあるような奥深さが伴わず「観た!」という満足感は得難い点だけは残念であった。それでも、親子が同じテンションで観られる作品がどれほどあるだろうか、と考えると、本作しかり本編しかり、子供も楽しめる活劇の分かりやすさと、大人も楽しめる物語の奥の深さが、絶妙なバランスで描かれている点は改めてすごい。

      「ONE PIECE」好きで有名な「さまぁ~ず」三村マサカズ。某番組で相方の大竹一樹に対して「お前は、イースト・ブルー止まりだな!」と真顔で突っ込むが、理解してもらえず失笑を買う。分かる人には分かるんだけどなあ!
      
    ● 製作代表 : 東映アニメーション
    ● 日本配給 : 東映
    ● 世界公開 : 2003年3月1日 - 日本
    ● 日本公開 : 2003年3月1日
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    by movis | 2011-04-30 06:32 | アニメーション
    ウォーリー / WALL・E
    ● ウォーリー / WALL・E [アメリカ / 2008年]

    b0055200_1225492.jpgさすがはピクサー、さすがはスタントン、ロボットの所作を手掛けても可愛らしく演じさせてしまう。虚しい未来に輝く、あまりに眩しく、あまりに純粋なロボットのラブ・ストーリー。『本作は傑作』と胸を張って伝えられる。どこかで本作に感じる不思議な"違和感"の正体とは…。



    監督は、「レミーのおいしいレストラン」のアンドリュー・スタントン。「WALL・E」と「M・O」の声の担当には、ベン・バート。「EVE」の声の担当には、エリサ・ナイト。「マクレア」の声の担当には、ジェフ・ガーリン。「シェルビー・フォースライト」役には、フレッド・ウィラード。「ジョン」の声の担当には、ジョン・ラッツェンバーガー。「メアリー」の声の担当には、キャシー・ナジミー。「アクシオム・コンピュータ」の声の担当には、"エイリアン"シリーズのシガーニー・ウィーヴァー。

    "An Adventure Beyond the Ordinar-E"
    時は29世紀。人間たちが、汚染し尽された地球を捨て、新たな入植地を求めて宇宙船"アクシオム艦"で飛び立ってから700年もの歳月が経とうとしていた。荒廃し、砂ぼこりが舞い上がる不毛の地で、せっせとゴミを片付けるロボットがいた。彼の名前は「WALL・E(ウォーリー)」。仲間たちは皆壊れてしまい、唯一相棒と呼べるのはゴキブリの「HAL(ハル)」だけ。ゴミの中からお気に入りのガタクタを見つけることが楽しみで、古びた『ハロー・ドーリー!』のフィルムを見ては、人恋しさを募らせる寂しい日常を繰り返した。ある日、突然、上空から巨大な宇宙船が降りてきた。そこから降ろされたのは、丸みを帯びた白く輝くロボットで…。


      「レミーのおいしいレストラン」や「ファインディング・ニモ」を手掛けた、アンドリュー・スタントンが送るファンタジー・アニメーション。孤独な生活を送ってきた男の子という設定の「WALL・E」と、とある目的の為に地球に降ろされた女の子という設定の「EVE」の交流を描く。

      「WALL・E」と「M・O」の声を担当したベン・バートの本職はサウンド・デザイナーであり、本作でも音響エンジニアを兼務している。彼は、2005年5月にピクサー社に籍を置くまでは、28年間ルーカスフィルムに在籍し、"スター・ウォーズ"シリーズではお馴染みの「R2-D2」や「チューバッカ」の声から、ライトセイバーの効果音にいたるまで、音響界では巨匠と呼ばれるような功績を残してきた。スタントンは最新型ロボットという設定を与えた「EVE」のデザインを、iPodのデザインを担当したジョナサン・アイヴに依頼し、彼も快諾したという。加えて、スティーヴ・ジョブスを巡るピクサー社とアップル社の深い関係性は、「WALL・E」の起動音がマッキントッシュの効果音であったり、「WALL・E」がiPod nanoを使っているシーンにも表れている。物語はさておき、製作の背景が面白い一作でもある。

      さすがはピクサー製作とアンドリュー・スタントン、「WALL・E」と「EVE」を筆頭として劇中に登場するロボットの所作は、思わず目を細めんばかりに可愛らしい。「トイ・ストーリー」は例外として、スタントンはロボットというモチーフを初めて採用したが、無機質なキャラクターにも温かい感情を与え、彼のファンの期待を裏切らない出来であると言えよう。ところが、これまでのスタントンの作品と比較すると、不思議な違和感を得る作品である。爽やかなファンタジーであって、余韻には文句なく感動や解放感が帯びているにも関わらず、どこかでアンニュイが禁じえない。ある意味では、スタントンが製作総指揮を担当し、本作と同時上映される「マジシャン・プレスト」のほうが余程"らしい"とさえ思ってしまうのである。

      例えば、"BNL(Buy N Large)社"の創設者「シェルビー・フォースナイト」は、アニメーションでなく、フレッド・ウィラードその人の演技、つまり作品には唯一であるものの、生身の人間が登場すること。例えば、ようやくお家芸の"人間らしさを捨てた人間"が登場するものの、その造形に思わずギョッとしてしまったこと。「WALL・E」が生きる街はファンタジーらしからず荒廃していて埃っぽく、キャラクター動作の神がかったテンポも潜んでしまっている。この、これまでのスタントン作品との"何かが違う"という違和感は、現実味を持って地球の行く末を絶望的に暗示されているからのように思えてならないのだ。

      臆病で内気な「WALL・E」は、短い時間ながらも「EVE」と過ごした時が新鮮で、ひとりぼっちには戻りたくなくて彼女を懸命に追いかける。「EVE」は時々任務の邪魔をする「WALL・E」を疎ましく思いながらも、次第に彼の純心に惹かれていく。目標を失った未来人たちは、変わり映えのしない一定の生活を送っている中、この「WALL・E」と「EVE」の純愛に、忘れていたはずの何かを蘇らせていくのだ。違和感のあるどこか現実味のある世界観の絶望の中で、ロボットの純愛があまりに眩しく、やがて希望となっていく。『生き残るより、生きたいんだ』という台詞が心を掴んで離さない。

      絶望と希望のコントラストは見事なほど鮮やかに映えていたが、観賞後に感じた最後の違和感は、これほどメッセージが鋭い作品がスタントンやピクサーの作品にあっただろうか、という点だ。地球環境の悪化や世界情勢の傾斜が憂鬱な昨今、そこに希望や深慮を与えんとする作品が増えてきているなか、スタントンやピクサーにおいても新境地を開拓し、人々に活力を与えんとしているのか。それが図星か、私の過慮なのか、そこに答えはないが、絶対であるのは「WALL・E」と「EVE」の純愛に、身が震えたということ。本作は、もしかすると子供には少し難しいかもしれないし、もしかすると大人にはもっと難しいかもしれない。しかし、観て損は有り得ないはずだ。お世辞なし、正直な胸の内、本作は傑作だ。

    ● 関連作品 ※レビュー対象外
    マジシャン・プレスト [2008年]
     → 「ウォーリー」と同時上映。ショートアニメーション。

    ● 製作代表 : Pixar Animation Studios
    ● 日本配給 : Walt Disney Studios Motion Pictures
    ● 世界公開 : 2008年06日23日 - アメリカ(ロサンゼルス/プレミア)
    ● 日本公開 : 2008年12月05日
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    by movis | 2009-01-24 12:35 | アニメーション