Top
MOVIS
one for all, all for one
Will Be Next to ...
  • LIE TO ME 嘘の瞬間 1st season
  • LIE TO ME 嘘の瞬間 2nd season
  • アマルフィ 女神の報酬
  • ターミネーター サラ・コナー クロニクルズ 1st season
  • ターミネーター サラ・コナー クロニクルズ 2nd season
  • インセプション
  • 最近のエントリ
    検索
    カテゴリ
    タグ
    タイトル別カテゴリ
    ■ 音順カテゴリ


    ■ 特集
    映画で音楽を聴く

    ■ 公開年度別カテゴリ

    sorry...
    restorin' soon ...
    最新のトラックバック
    ワンピースのこのセリフに..
    from 脳挫傷による見えない障害と闘..
    252生存者あり(テレビ..
    from 単館系
    Blu-ray バックド..
    from VAIOちゃんのよもやまブログ
    FRINGE シーズン1
    from piece of life ..
    コラテラル(55点)評価:△
    from 映画批評OX
    『ある日どこかで』観てほしい
    from 映画のブログ
    ps3TERMINATO..
    from 家電逸品
    アルマゲドン
    from Addict allcine..
    ターミネーター2
    from 映検つながるブログ
    バンテージ・ポイント
    from 映画、言いたい放題!
    救命病棟24時
    from 救命病棟24時
    ハッピーフライト
    from ピースのAMEBLO CA..
    ハッピーフライト
    from 映画、言いたい放題!
    バッファロー'66
    from Addict allcine..
    『ジャンパー』を観たぞ〜!
    from おきらく楽天 映画生活
    ジャンパー(感想120作..
    from 別館ヒガシ日記
    スパイダーウィックの謎
    from 映画、言いたい放題!
    真夏のオリオン
    from Diarydiary!
    真夏のオリオン
    from 橋本甜歌 前略 画像
    グラン・トリノ
    from Diarydiary!
    最新のコメント
    > ムーさん なか..
    by movis at 03:46
    私も、そのブログの読みま..
    by mnstr_movie at 20:47
    > ムーさん ども..
    by movis at 14:32
    どうもどうも!山形の遊び..
    by mnstr_movie at 12:57
    > 台湾人さま は..
    by movis at 00:09
    リチャード・チェンバレン..
    by 台湾人 at 00:16
    > 鍵コメントさま ..
    by movis at 03:42
    > samurai-ky..
    by movis at 01:23
    「眼下の敵」を筆頭に"潜..
    by samurai-kyousuke at 09:34
    > Jimさん は..
    by movis at 12:19
    一年ほど前に飛行機の中で..
    by Jim at 22:51
    > ならぢゅん さん ..
    by movis at 06:39
    Youth-Kさま、トラ..
    by ならぢゅん at 12:06
    > samurai-ky..
    by movis at 02:02
    基本的には娯楽作品が好き..
    by samurai-kyousuke at 23:08
    > samurai-ky..
    by movis at 15:52
    ロイ・バッデイ(ルトガー..
    by samurai-kyousuke at 01:03
    > samurai-ky..
    by movis at 23:33
    さすがにフランク・ダラボ..
    by samurai-kyousuke at 20:30
    > samurai-ky..
    by movis at 00:14
    フォロー中のブログ
    その他のジャンル
    ファン
    記事ランキング
    ブログジャンル
    画像一覧
    リンク
    タグ:□ サスペンス / ミステリー ( 19 ) タグの人気記事
    フェイク / Donnie Brasco
    ● フェイク / Donnie Brasco [アメリカ / 1997年]

    b0055200_3184286.jpg最近では見られないジョニー・デップのクールな演技と、"ゴッドファーザー"とは異なったマフィアを演じるアル・パチーノの共演が光る。FBI潜入捜査官がマフィアと交友を深めたための苦悩や葛藤が辛い。男の信頼や友情をかっこつけずに描いた優秀なドラマだ。



    監督は、「コレラの時代の愛」のマイク・ニューウェル。「ベンジャミン・"レフティー"・ルッジェーロ」役には、"ゴッドファーザー"シリーズのアル・パチーノ。「ドニー・ブラスコ/ジョセフ・D・"ジョー"・ピストーネ」役には、「シザーハンズ」のジョニー・デップ。「ソニー・ブラック」役には、"キル・ビル"シリーズのマイケル・マドセン。「ニッキー」役には、「恋人たちの予感」のブルーノ・カービイ。「マギー・ピストーネ」役には、「6デイズ・7ナイツ」のアン・ヘッシュ。「ティム・カーリー」役には、「ダメージ」のジェリコ・イヴァネク。

    "Donnie Brasco. Based On A True Story."
    1978年、ブルックリン。連邦捜査局が目をつけたマフィア組織を検挙するため、FBI捜査官「ジョー・ピストーネ」は潜入捜査を命じられる。組織との接触の機をうかがう「ジョー」は、一員である「レフティー・ルッジェーノ」に宝石鑑定の腕を買わせ、「レフティー」や組織のメンバーに「ドニー・ブラスコ」の偽名で周知されていく。組織の活動に目を光らせる「ジョー」の捜査成果に対する評価は高く、それを裏付けるように彼は慎重を徹底して、マフィアの一員を演じ続ける。一方で「レフティー」は、誠実で聡明な「ドニー」という弟分を得たことで、諦めかけていた昇格の夢を再燃させるようになる。「レフティー」と私情を通わせ、交友関係を築いてしまった「ジョー」は、マフィア組織のメンバという偽りの姿と、FBI囮捜査官という本来の姿の狭間で心が揺れ続け…。


      FBIの潜入捜査官として数々のマフィアを摘発した「ジョー・ピストーネ」の実話をマイク・ニューウェルが映画化した骨太な作品。最近の出演作では一風変わった配役の多いジョニー・デップだが、本作ではド真面目にFBI捜査官「ジョー」を演じている。また、"ゴッドファーザー"シリーズでは高い評価を受けたアル・パチーノが演じる、同じマフィア役でありながら雰囲気の異なる「レフティー」の奥深さは必見。

      本作は、「ドニー・ブラスコ」という偽名を使ってマフィア組織への潜入捜査を敢行する「ジョー」が、うだつは上がらぬが情に厚いマフィアの一員「レフティー」と交友を深めてしまうことで生じてしまう男たちの心の葛藤や苦悩を描いている。互いの立場の違いが心の交流の芽を摘んでしまう、という逃げ場のない哀愁を植えつけてくる手法は数々の作品でも用いられているが、実話がベースになっているという前提があって、より心象をドラマチックにさせるのだろう。

      緊迫感やセンチメンタルに溢れるエピローグに向けて、作品は重厚感たっぷりに展開していくわけであるが、ところどころにユーモアが散りばめられている点もおもしろい。ジャージ姿が似合ってしまうアル・パチーノの立ち姿が最たるものであるが、マイケル・マドセンやブルーノ・カービイの演じるマフィアたちはどこかお茶目であったりする。彼らの人間らしい一面も垣間見せておきながらも、結局のところ"掟"には絶対であることを説得してくる。闇社会に生きる男達の悲しい宿命を、ユーモアを織り交ぜて一層センチメンタルに伝えてくる。

      しかし、観賞を終えた後の作品に対する印象がエピローグの余韻に集約されてしまうところが残念でもある。例えば、FBI潜入捜査官である「ジョー・ピストーネ」の人物描写に乏しく、実際のところ、なぜ「レフティー」と接触できたのかが不透明である。また、「ジョー」が潜入捜査官として簡単に抜け出せないマフィアの深みにまで入り込んでしまった、という状況はかろうじて理解できるにしても、捜査成果の詳細が描かれないために、エピローグの訪れは唐突に思えてしまう。

      だが、結果としてアル・パチーノの圧倒的な存在感が作品の支柱であり、また成功の要因だろう。物語は「ジョー」の視点で描かれていくが、彼に感情移入してみれば確かに「レフティー」という男は、他人の心を惹くには十分な魅力をぎっしりと抱えているのである。マフィア対FBIへの勝負の期待は、観賞を進めるうちに「レフティー」対「ドニー」がどうか温和に事を収めてくれるように、との願いに変わっていく。「レフティー」のエピローグのセリフが、作品の核心を見事についている。男の信頼や友情といったものをひしひしと伝えてくる優秀なドラマである。

    ● 製作代表 : TriStar Pictures
    ● 日本配給 : 東宝東和
    ● 世界公開 : 1997/02/28 - アメリカ/カナダ
    ● 日本公開 : 1997/11/15
    [PR]
    by movis | 2008-11-24 03:22 | 犯罪 / ギャング
    イーグル・アイ / Eagle Eye
    ● イーグル・アイ / Eagle Eye [アメリカ / 2008年]

    b0055200_3533025.jpg勢いのあるシャイア・ラブーフがD・J・カルーソー、スティーヴン・スピルバーグと再タッグ。サスペンスとアクションをシックに、スリリングに魅せる。アイデアに既視感が伴うが、飽きさせない工夫とテンポの良さが特徴。娯楽作品として質は高いので、気軽に観賞されたい。



    監督は、「テイキング・ライブス」「ディスタービア」のD・J・カルーソー。製作総指揮は、スティーヴン・スピルバーグと「ウォーク・トゥ・リメンバー」のエドワード・L・マクドネル。「マット・ウィリアムズ」役には、「トランスフォーマー」「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」のシャイア・ラブーフ。「レイチェル・ホロマン」役には、「ボーン・スプレマシー」「M:i:III」のミシェル・モナハン。「ゾーイ・ペレス」役には、「メン・イン・ブラック2」「シン・シティ」のロザリオ・ドーソン。「ジョージ・カリスター」役には、"ファンタスティック・フォー"シリーズのマイケル・チクリス。

    "If you want to live you will obey"
    コピー・ショップで働く青年「マット」の生活は苦しい。祈るのようにATMの画面を覗いても、貯金は微々たるもので、家賃すら返せそうにない。だが、何かに束縛されるのは真っ平御免だ。口うるさい大家を逃げるようにかわし、自室へと急ぐ彼の携帯電話が鳴る。「マット」の双子の兄「ショー」の死はあまりに早かった。米軍の広報室長を務めた優秀な「ショー」とは性格も生き方も違った。連絡を3年近く怠っていた「マット」であったが、兄弟の死に悲しみを隠せなかった。失意のうちに帰途につく「マット」が何気なくATMに立ち寄る。画面には"751,000ドル"の表示。延々と100ドル紙幣が溢れた。「マット」は混乱したまま、自室に戻るが、そこには大量の荷物が届いていた。銃火器、偽造パスポート、実弾、化学薬品、戦闘機の操縦マニュアルの数々…。唖然とする「マット」の携帯が鳴る。女の冷たい声だった。『30秒でFBIが到着 今すぐ逃げなさい』。人違いを訴える「マット」の耳に飛び込んできたのは、窓ガラスが粉砕される音とFBI突入部隊の怒号で…。


      「トランスフォーマー」、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」と手を組み、スティーヴン・スピルバーグのお気に入りとも言えるシャイア・ラブーフを主演に迎えたSF・アクション・サスペンス作品。彼は本作の監督D・J・カルーソーとも「ディスタービア」でタッグを組んでおり、好調の波に乗った若手俳優の注目株だ。今年度公開作品には少なかったシックでスリリングなサスペンス・アクションであった。

      非常に緊迫感のあるプロローグと、どこにでもありそうな「マット」の日常シーンのメリハリが効いていて、観賞者の興味の惹きつけ方がうまい。何をも知らぬ主人公があれよあれよと窮地に追い込まれていく様には、「ボーン・アイデンティティー」に始まる"ジェイソン・ボーン"三部作が頭をよぎったが、本作の意図を読む上で、うだつの上がらない青年を描き、「マット」という人間を観賞者に共感させている点が重要だと言える。また、次第に存在感を高めていく陰謀が「マット」に限らず、「レイチェル」というパートナーや1シーン、2シーンでしか登場しないキャラクターをも巻き込んでいく点も憎い。それはずばり、一般市民が当たり前に享受している"モノ"が突然牙を向いたら?という作品の核心に添えられた問いかけに結びついていく。

      陰謀に至近距離から接近していく、空軍特捜部「ゾーイ」と国防長官「カリスター」と、それらとは無関係に思える「マット」と「レイチェル」の2つのエピソードが同時進行で進んでいく。そして、本作を包み込む謎の正体と、なぜ「マット」と「レイチェル」が窮地に追い込まれなければならないのか、という興味を掻きたてながら、前者はサスペンスの要領で核心に迫り、後者は派手なアクションでスリルを与えていく。2つの要素は共通のエピローグに向けて、しっかりと歯車を噛み合わせながら進んでいく。プロットの完成度は非常に高い。

      登場人物全員に重要な意味を持たせ、物語の整合性をバッチリと併せていく、つまり、作品の世界観やストーリーに無駄が少ないのであるが、あまりにスマートに決まってしまっているために物語が進むうちに共感は薄れ、清爽なカタルシスは得られなかった。そして、残念ながら物語の核心も既視感を禁じえず、アイデアには新鮮さが欠けてしまっている。しかしながら、娯楽作品として十二分に存在感を発揮し、観賞者を飽きさせない工夫が映像に効果的に表れている。サスペンスとアクションのバランスを器用にとりながら、独特のテンポを最後まで守り抜いている点を評価すべき作品だろう。

    ● 製作代表 : DreamWorks SKG
    ● 日本配給 : 角川映画/角川エンタテインメント
    ● 世界公開 : 2008年09月16日 - アメリカ(ハリウッド/プレミア)
    ● 日本公開 : 2008年10月18日
    [PR]
    by movis | 2008-11-16 04:00 | アクション
    M:i:III / Mission: Impossible III
    ● M:i:III / Mission: Impossible III [アメリカ / 2006年]

    b0055200_14465297.jpg娯楽アクション大作、という個人的な評価は、本作でも揺るがない。目に飛び込んでくる映像が楽しい。苦々しい描写も多いが、シリーズの中では最もチームワークの爽快感を得ることができる。劇場作品初挑戦のJ・J・エイブラムスの今後の活躍を期待したくなった。



    監督は、J・J・エイブラムス。製作と「イーサン・ハント」役には、「レインマン」「ラスト・サムライ」のトム・クルーズ。「オーウェン・デヴィアン」役には、「ブギーナイツ」「マグノリア」のフィリップ・シーモア・ホフマン。「ルーサー」役には、「パルプ・フィクション」のヴィング・レイムス。「ゼーン」役には、「レディ・ウェポン」のマギー・Q。「デクラン」役には、「ベルベット・ゴールドマイン」のジョナサン・リス=マイヤーズ。「ジュリア」役には、「運命の女」のミシェル・モナハン。「セオドア・ブラッセル」役には、"マトリックス"シリーズのローレンス・フィッシュバーン。「リンジー・ファリス」役には、ケリー・ラッセル。「マスグレイブ」役には、ビリー・クラダップ。

    [NO TAGLINE]
    アメリカの極秘スパイ組織"IMF(Impossible Mission Force)"で、数々の困難な任務を遂行してきた「イーサン・ハント」は、現場を離れ、エージェント育成に注力している。フィアンセである看護士「ジュリア」との関係も良好で、公私ともに充実した日々を送っていた。そんな折、"IMF"エージェントである「リンジー・ファリス」が、任務の遂行中、ターゲット組織に捕らえられてしまう。彼女は「イーサン」が育成し、高い評価を与えた優秀なエージェントだった。レスキュー・ミッションへの参加に迷いをみせた「イーサン」であったが、「ルーサー」、「ゼーン」、「デクラン」らの強力なサポートを受け、見事に「リンジー」を救い出す。しかし、「リンジー」は酷い頭痛を訴えて…。


      1966年から1973年にかけて放送され、日本でも高い人気を誇ったアメリカのドラマ「スパイ大作戦」の映画化第3弾作品。第1弾作品はブライアン・デ・パルマ、第2弾作品はジョン・ウー、そして本作は"エイリアス"や"LOST"などの海外ドラマを制作し、初の劇場作品挑戦となるJ・J・エイブラムスが監督を務める。日本でも、新幹線をチャーターするなど、巨額のプロモーション活動が展開されたことでも有名である。

      娯楽アクション大作という個人的な評価は揺るがない。とかく目に飛び込んでくる映像の躍動感を素直に楽しむことができる。当然、映画の良し悪しは制作費の額で決まるわけではないが、1億ドルを超える巨額が注がれたこともあって、破壊力のあるアクション、壮大な世界観が見物だといえる。言い方を換えれば、資金に依存して内容が伴わない、という事態には無縁である。"スパイ"がテーマとなっているわりには派手が過ぎるような気もするが、そんな突っ込みもナンセンスかと思えるくらい、手に汗握る展開をノンストップで見せてくれた。

      そうとは言え、苦々しいテイストが印象にも目立つ。思わず不愉快に思えてしまう描写も少なくなく、プロット自体にも爽やかさは感じ得ない。よって、お気楽な作品ではない。これはシリーズを通しても同じであるが、とりわけ本作は味の悪さが強調されている。しかしながら、この点は、エージェントとターゲットの対決が一筋縄ではいかず、白熱したシーソーゲームとして演出する上では効果的であった。重厚というには物足りないが、それなりに緊張感のある攻防を楽しめた。

      原作の「スパイ大作戦」と、映画シリーズが比較されると、"チームワークの魅力"が引き合いに出されることが多い。つまり、映画シリーズはトム・クルーズ演じる「イーサン・ハント」の独壇場となってしまっており、「スパイ大作戦」が描いた"チームワークの魅力"が削がれてしまっている、ということである。おそらく、映画3部作の中で、「スパイ大作戦」ファンのこうした憂鬱をもっとも解消してくれるのは本作であろうか。トム・クルーズ一本路線は相変わらずだが、序盤の「リンジー」のレスキュー・ミッションをはじめとして、「ルーサー」、「ゼーン」、「デクラン」のサポートには安心感がある。「イーサン」を含め、個々の任務が絶妙な間でリンクしていく様子はアクションとは別の爽快感があった。

      本作だけでは、監督としてのJ・J・エイブラムスを評価するのは難しい。だが、「クローバーフィールド/HAKAISHA」の発表も含め、もっと彼のオリジナリティを見てみたい、という欲求はある。彼の活躍は長期的に、静かに期待していきたい。

    ● 製作代表 : Paramount Pictures
    ● 日本配給 : United International Pictures
    ● 世界公開 : 2006年04月24日 - イタリア(ローマ/プレミア)
    ● 日本公開 : 2006年07月08日
    [PR]
    by movis | 2008-05-18 14:53 | アクション
    NEXT - ネクスト - / NEXT
    ● NEXT - ネクスト - / NEXT [アメリカ / 2007年]

    b0055200_15193923.jpg自分にまつわる2分先までの未来が先見できる男が陰謀に巻き込まれていく、という物語のアイデアがなかなか面白い。ストーリーが進行するにつれて暴走するプロットに、もう少し落ち着きがあって欲しかったのだけれども、スピード感があって娯楽作としては手堅い。



    監督は、「007/ダイ・アナザー・デイ」のリー・タマホリ。原作は、フィリップ・K・ディックの『ゴールデン・マン』。製作と「クリス・ジョンソン」役には、"ナショナル・トレジャー"シリーズのニコラス・ケイジ。「カリー・フェリス」役には、「エデンより彼方に」「美しすぎる母」のジュリアン・ムーア。「リズ・クーパー」役には、「エリザベスタウン」「ステルス」のジェシカ・ビール。「アーヴ」役には、"刑事コロンボ"シリーズのピーター・フォーク。「スミス」役には、「トリコロールに燃えて」のトーマス・クレッチマン。「キャバノー」役には、「タイガーランド」のトリー・キトルズ。

    "If you can see the future, you can save it."
    ラスベガスにいるパフォーマーの中には、タネも仕掛けもない、生まれ持った能力で稼ぐ連中がいる。「フランク・キャデラック」という芸名で活躍する「クリス」もそのひとりである。彼は自分にまつわる2分先までの未来が見えた。ところが例外もあって、ひとりの女性の未来だけは遠くまで見通すことができた。彼女は魅力的だが、出会ったことがない。8時9分、カフェでその女性に出会う。不確かだが鮮明なイメージを信じ、マティーニを飲みながら彼女を待つ日が続いた。ある日、彼のパフォーマンスを眺める特異な視線があった。FBI捜査官である「カリー」と「キャバノー」には、彼の能力の真贋を早急に確認しなければならない事情があった…。


      「ブレードランナー」や「トータル・リコール」などの原作を生んだフィリップ・K・ディックの『ゴールド・マン』を、リー・タマホリが映画化した。自身にまつわる2分先までの未来を先見できる男が、国家を揺るがす危機に巻き込まれるSFサスペンスである。ニコラス・ケイジ、ジュリアン・ムーアを核に展開するストーリーに、ジェシカ・ビールが華を添える。ちなみに、プロローグで「クリス」が韓国系女性を相手にマジックを披露するシーンがあるが、カメオ出演のこの女性はニコラス・ケイジの妻、アリス・キム(アリス・キム・ケイジ)である。憎い演出だ。

      2分先を先見できる、という設定はなかなか面白い。そして、大味かと思える作品であるが、意外にも導入部は丁寧かつ親切に描かれている。一考すると地味にも思える能力ではあるが、爽快な映像を見せておきながら、応用次第では大きな可能性を秘めていること、制約と例外があることを説得してくる。実は、ここでほぼ作品のトリックは明かされている。ストーリーが進行するにつれて能力が一人歩きしているかのような混乱が生じるが、納得するには序盤のシーンを思い返してみると良いかもしれない。ニコラス・ケイジが見せる殺陣がかっこよかった。

      さて、作品は95分という短尺を誇っているのであるが、いささか消化不良な印象が拭えない。核兵器によるテロ計画の阻止がテーマであろうが、「クリス」と「リズ」のロマンスも主張が強い。それでも、95分に作品が収まっていれば痛快だったのだろうが、「バンテージ・ポイント」のようなコンパクトさにも欠け、いくつかの疑問が白黒つかぬままスタッフ・ロールを眺めてしまった。この手の作品は鮮度が命であるから無駄な長尺も感心しえないが、暴走しそうなプロットにもう少し落ち着きを与えて欲しかった。

      暴走という言葉を使えば、まさにエピローグはそれを極めているのだが、挑戦的というべきか、挑発的というべきか、淡白に作品を締められるよりは良いと思った。こうした粗放的なエピローグは、さまざまな映画にも応用されているけれども、本作は非常に大胆である。ともあれ、FBI捜査官の期待と「クリス」の憂鬱にも表れているように、未来を先見できるにしても2分先まで、という何とも微妙な能力の設定がものをいう。謎解きを迫られても、この根底は変わらない。世界観もこじんまりとしているし、もう少し濃密なストーリーを楽しみかったとは思うが、スピード感があってアイデアが面白い、手堅い娯楽作であることは認めておきたい。

    ● 製作代表 : Initial Entertainment Group
    ● 日本配給 : GAGA Communications
    ● 世界公開 : 2007年04月25日 - フランス/ベルギー
    ● 日本公開 : 2008年04月26日
    [PR]
    by movis | 2008-05-04 15:26 | SF
    ヒットマン / HITMAN
    ● ヒットマン / HITMAN [アメリカ / 2007年 / PG-12]

    b0055200_4151559.jpg同タイトルの"ステルス"ゲームの実写化に新鋭監督ザヴィエ・ジャンが挑む。ゲームを知らないために、ディテールが把握しづらかった。だが、迫力あるアクション、スピーディな展開、スタイリッシュな映像が魅力で、かつ手ごろな観賞が可能な作品である。



    監督は、ザヴィエ・ジャン。「エージェント"47"」役には、「ダイ・ハード4.0」のティモシー・オリファント。「ニカ・ボローニナ」役には、オルガ・キュリレンコ。「マイク・ホイッティア」役には、「ディープ・インパクト」のダグレイ・スコット。「ユーリ・マルコフ」役には、「ホステージ」のロバート・ネッパー。「ミカイル・ベリコフ」役には、ウルリク・トムセン。

    "彼女の涙が 彼の閉ざされた心を開く"
    手段は選ばず、着実に標的を始末していく。「エージェント"47"」は、クライアントの要求に応えるため、身寄りのない子供たちを暗殺者として訓練する組織の一員であり、彼の才能は他を圧倒した。次なる標的は、ロシアの大統領「ミカイル・ベリコフ」である。クライアントの要求が早まり、計画は前倒しとなった。リスクが高い局面での任務であったが、「エージェント"47"」の放った弾丸は、「ベリコフ」の頭を貫く。彼の仕事は完璧だった。しかし、組織から送られてきた報告は耳を疑うものであった。射殺したはずの「ベリコフ」の生存、そして彼の犯行を目撃した者の存在…。


      イギリスのゲームソフト・メーカーであるアイドスが販売する、同タイトル・ゲームの映像化作品。日本国内向けのゲームではコナミの"メタルギア"シリーズが代表であるように、潜入や隠密行動など、いかに敵を避けて目的を達成できるかが主旨となる"ステルス"というジャンルに挙げられるゲームである。これまでにシリーズ4作品が発売され、PCやPlayStation2やXboxなどのプラットフォームに対応している。

      一応に、作品中でもベースがゲームにある旨の前書きがあるが、それがどういったゲーム、ストーリーであるのかという前提知識がなくとも楽しめる手堅いアクション作品であった。迫力のあるアクション・シーンと「エージェント"47"」にまつわる陰謀を含みながら、スピーディかつテンポよく展開していく。「ボーン・アイデンティティー」を初作とする"ジェイソン・ボーン"シリーズにも似て、主人公の他を圧倒とする強さと頼もしさが魅力である。東欧が舞台であるものの、近未来を感じるようなファジーな世界観が醸成されていて、映像はスタイリッシュだ。フランス人監督、ザヴィエ・ジャンの名前は本作で初めて耳にしたのであるが、新鋭というならば評価されて然るべき出来であると思う。

      ゲーム発の映像作品といえば、本作と同じくアイドス社が制作した「トゥームレイダー」やカプコン社の「バイオハザード」などが真っ先に蘇るが、ゲームを楽しんだ者とそうでない者では、観賞前の心構えには大きく差があるに違いない。ゲームよりコアなストーリーを期待してガッカリという状況も少なくないだろうが、両作品はテーマと世界観が明確、独特であるので、少なくともこの2大要素だけを映像に移植すれば、ゲームを知らない者にも受け入れられる寛容さを持つことができた。

      ところが、本作が難しいのは、ゲームがユニークでセンセーショナルであっても、映画としては、前述"ジェイソン・ボーン"シリーズなどのように、雰囲気やモチーフが似た作品が多いという点にある。ここで、ゲームならではの突出したテーマや世界観が発揮されれば良かったが、アイデア自体も特別新しいものではなかった。おそらく、本作はゲームのプレイヤーも、そうでない者も、両方を楽しませようとしている。しかしながら、説明臭さを排除し、作品の説得を映像や出演者の演技に頼ってしまったがために、ゲームを知らない者にはディテールが分かりにくい。続編の有無は別にしても、本作だけに限れば釈然とせず、納得しきれないというのが本音である。

      そうとは言え、この手の作品には相性が良さそうなヴィン・ディーゼルが製作総指揮に回っていたり、2008年公開の"007"シリーズ作品でボンド・ガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコが主演女優を果たしていたり、と話題性に飛んだ出演者が豊富である。アクションシーンの迫力もなかなかであるし、上映時間もコンパクトであるので、手ごろな観賞が可能な作品だ。

    ● 製作代表 : Twentieth Century-Fox Film Corporation
    ● 日本配給 : 20th Century Fox
    ● 世界公開 : 2007年11月21日 - アメリカ/エジプト/カナダ/フィリピン/プエルトリコ
    ● 日本公開 : 2008年04月12日
    [PR]
    by movis | 2008-04-26 04:21 | アクション
    ノーカントリー / NO COUNTRY FOR OLD MAN
    ● ノーカントリー / NO COUNTRY FOR OLD MAN [アメリカ / 2008年 / R-15]

    b0055200_13252763.jpgアカデミー賞主要4部門の受賞と、非常に高い評価を受けた。その中の助演男優賞を受賞したハビエル・バルデムが演じる「シガー」の異様さや異常さが抜群に際立った。変化する人間そのもの、老いていくこと、そして宛のない憂鬱が非常に美しく描かれた文学的な作品だ。



    監督は、「ブラッド・シンプル」「ファーゴ」などを通して"コーエン兄弟"と呼ばれるジョエル・コーエンとイーサン・コーエン。原作は、コーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』。「エド・トム・ベル」役には、「逃亡者」「告発のとき」のトミー・リー・ジョーンズ。「アントン・シガー」役には、「海を飛ぶ夢」のハビエル・バルデム。「ルウェリン・モス」役には、「イントゥ・ザ・ブルー」「アメリカン・ギャングスター」のジョシュ・ブローリン。「カーソン・ウェルズ」役には、「ハード・プレイ」「ラリー・フリント」のウディ・ハレルソン。「カーラ・ジーン・モス」役には、「ネバーランド」のケリー・マクドナルド。

    "You've never been anywhere like No Country"
    1980年代、アメリカはテキサス。メキシコ国境にほど近い荒野で、ベトナム戦争帰還兵「モス」はモーゼル98に装着したユナートルのスコープを羚羊の群れに向けた。弾丸は土埃を舞い上げただけだった。平地を横断する「モス」は、ダメージを負った数台のピックアップトラックと死体の山に行き当たる。凄惨な光景の中で、大量のヘロインと200万ドルが入った鞄を発見する。不穏な予感を得ながらも、「モス」は現金を手にしてしまう。その瞬間から、酸素ボンベを改造した不気味な武器を従える、殺し屋の影がつきまう。翌朝、例の現場に「モス」のトラックを視止めた保安官「エド・トム・ベル」と部下「ウェンデル」。彼らは、やがて遭遇する事の顛末を知る由もなく…。


      2007年、第80回アカデミー賞では8部門でノミネートを受け、作品賞、ハビエル・バルデムの助演男優賞、"コーエン兄弟"の監督賞、脚本賞と4部門でオスカーを勝ち取った。"サスペンス"や"ヴァイオレンス・ドラマ"などという宣伝文句が謳われているものの、哀愁が漂い、文学的で、極めて寡黙な作品であった。埃っぽい荒野の描写がよく似合う。

      助演男優賞の受賞が証明している通り、ハビエル・バルデム演じる「アントン・シガー」の存在感が突出している。「アントン・シガー」というキャラクターは、とかく不気味で実態が掴みにくい。人間味が排除されており、理解を超越した存在感がある。酸素ボンベによく似た未知の武器を従えて、観る者にも高圧的なプレッシャーを寄せてくる。

      コーマック・マッカーシーによる原作『血と暴力の国』は、本作の観賞後に読了したが、"コーエン兄弟"の映像は、変更点が数点あるとはいえ、なかなか高精な再現度を誇っていた。この作品は、「モス」と「シガー」、そして2人を追う「エド」と、大きく2つの視点から成立している。前者は粗放的である。「モス」は、恐怖や狂気の象徴ともいえる「シガー」を見捉え、対峙していく。彼らの対決は感情移入を許さない。観る者は、冷や冷やとしながらも、事の展開をただ眺めざるを得ない。転じて、後者は親和的である。「エド」は、事件を通して、憂鬱を隠せない。保安官という立場がかろうじて、彼を支えている。物語の核心は、この「エド」の視点にある。

      「エド」の憂鬱とは、"No Country For Old Men"である。刻々と変化する社会や人間を受け入れる必要に迫られていて、「昔は良かった」と懐古するだけでは安住できない。未知なる狂気や価値観に対しては、自身が刻んだ人生を掲げるしかない。物語の背景は、凶悪犯罪が多発した80年代に向けられたものだが、どの時代においても、老いていく過程で過去を想い、変化を受け入れなければならないという憂鬱は同じだろうか。

      おどろおどろしいサイコ・スリラーを先入観にさせる本作であるが、実体は一貫された哀愁が際立つ秀逸なドラマであった。エピローグの「エド」の語りが清い。牛角の中に灯した月の色の火は、さぞかし美しかったのだろう。

    ● 製作 : Paramount Vantage
    ● 配給 : Paramount Japan / Showgate
    ● 公開 : 2007年5月19日 - フランス(第60回カンヌ国際映画祭)
    [PR]
    by movis | 2008-04-05 13:39 | ドラマ
    ゆれる
    ● ゆれる [日本 / 2006年]

    b0055200_0463756.jpg出口がない、絶望的で憂鬱な作品であった。描かれる人物の心的葛藤を前に、観る側の心も揺さぶられてしまう。"羅生門スタイル"という手法の選択にテーマが隠れているようにも思える。他人が何を考え、想うのか。そこに完全な理解は存在するのであろうか。



    監督は、「蛇イチゴ」の西川美和。「早川猛」役には、オダギリジョー。「早川稔」役には、香川照之。「早川勇」役には、伊武雅刀。「川端智恵子」役には、真木よう子。「岡島洋平」役には、新井浩文。「早川修」役には、蟹江敬三。「丸尾明人」役には、木村祐一。

    "あの橋を渡るまでは、兄弟でした。"
    母親の一周忌であるにも関わらず、写真家「早川猛」の表情に悲壮感は見られなかった。道中、父親である「勇」と実兄である「稔」が経営するガソリンスタンドに立ち寄った「猛」は、そこで働く一人の女性に目を留めた。声をかけるキッカケが見つからず、ふてぶてしく古びたエンジンを始動させる「猛」。その女性もドアを叩こうと拳をつくったが、空に上げたままだった。「稔」は、後片付けを進めながら「猛」と思い出話に華を咲かせた。幼馴染の「智恵子」がスタンドを手伝ってくれている、と報告する「稔」は、かつて母親に連れられた渓谷に3人で出掛けようと提案して…。


      カタルシスが得られず、救いのない、ある意味では重厚な作品であった。これは完全に意図されたもの。解釈を観る側に丸投げしてしまう、という西川美和の意地が悪く、大胆な演出である。

      唯我独尊を貫きながらもどこか満たされない「猛」に、実直であるが人間関係に不器用な「稔」を演じた、オダギリジョーと香川照之の演技力が抜群に映えている。それぞれの強い個性を薄めることなく、至極ニュートラルに、人間らしく「早川」兄弟を表現した。セリフの一言一句にまで頑固が表れる「勇」を演じた伊武雅刀や、虚無に打ちひしがれ淡々と生きる女性「智恵子」を演じた真木よう子など、助演陣の表現も巧い。人間の、延いては日本人独特の、閉鎖的であり、乖離的な心理が優秀に映像化されている。

      作品はこうした演者の力を得て、小規模でありながらも、ひとつの出来事を複数の視点で見せて理解を乱す"羅生門スタイル"で進行していく。物語が従えたサスペンスを、この手法で描いた点が良かった。他人が一体、何を考え、想うのか。その完全なる理解は不可能である。人はそれを知っている。知っているが、理解を求めるし、理解を試みる。場所や思い出などの共通認識を以って、自分自身を確認し、安心を得る。こうした心的葛藤を包み隠さずに主張するので、作品は絶望的でメランコリックだ。そして、観る側の精神もまた"ゆれる"のである。

    ● 製作 : TVMAN UNION
    ● 配給 : シネカノン
    ● 公開 : 2006年5月24日 - フランス(カンヌ国際映画祭)
    [PR]
    by movis | 2008-03-06 00:52 | 邦画
    コンタクト / Contact
    ● コンタクト / Contact [アメリカ / 1997年]

    b0055200_2545335.jpgこれほど、宇宙の広大さを体験できた作品はなかった。カール・セーガンの情熱と、ロバート・ゼメキスの素直さは見事な相性である。抱えきれぬほどのテーマを盛り込みつつ、ヴィジュアルでは夢を与えてくれた。宇宙の可能性に好奇心がくすぐられる傑作SFだ。



    監督、製作には、"バック・トゥ・ザ・フューチャー"シリーズのロバート・ゼメキス。原作は、カール・セーガンの『コンタクト』。「エリナー・アロウェイ」役には、「羊たちの沈黙」「フライトプラン」のジョディ・フォスター。「パーマー・ジョス」役には、「評決のとき」「U-571」のマシュー・マコノヒー。「S・R・ハデン」役には、「ミッドナイト・エクスプレス」のジョン・ハート。「デヴィッド・ドラムリン」役には、トム・スケリット。「マイケル・キッツ」役には、ジェームズ・ウッズ。「ケント・クラーク」役には、ウィリアム・フィクトナー。

    "If it's just us, it seems like an awful waste of space."
    フロリダ、ペンサコラの人間が無線に応じた。十を数えぬ幼き「エリナー」は、コンタクトの最長記録に胸が高まる。ニューヨークは、カリフォルニアは、中国は、…お母さんにも声は届くのだろうか。SETI(地球外知的生命体調査)の研究員になった「エリナー」は、空を見上げる巨大なアンテナを目の前に、溢れんばかりの情熱を更に一層燃え上がらせた。自身を導いてくれた優しき父親「テッド」の面影を胸に秘めて…。


      天文学者でもあり、作家としても有名であったカール・セーガンの著書『コンタクト』の映像化に"バック・トゥ・ザ・フューチャー"シリーズを築いたロバート・ゼメキスが挑んだ。これに伴い、カール・セーガンはアレンジを加えるほどの熱の入れ様であったが、作品の完成を待たずに逝去。だが、彼の情熱に対して、ロバート・ゼメキスは十二分に応えたのではないだろうか。好奇心をくすぐられる傑作SFであった。

      宇宙を馳せる、というモチーフ自体はもはや定番となってしまったが、宇宙を脅威として捉えるのではなく、"接触"を図ろうとする姿勢を貫いたことで本作には斬新かつ新鮮な印象を抱いた。地球と同じような惑星があるのだろうか、と誰しもが一度は抱く壮大な疑問に対して、地球からズームアウトしていくプロローグにも表れているように、真っ向から美しいCGで応えてくれた。報道番組のカットを細やかに振り分けたり、物語の出来事で影響を受けていく大衆を描写したり、とディテールへのこだわりはSF作品にリアリティを添えている。綻びや隙を感じることもなく、ただロバート・ゼメキスに畏敬の念を抱くばかりであった。

      本作の特徴は、ヴィジュアルだけでなく、「科学」と「宗教」に代表されるような二面性があって"人間たる"様々なテーマを盛り込んでいる点である。地に脚ついた現実的な考えを、マクロ・レベルで俯瞰して昇華させる。海を眺めれば悩みが小さく思える、というような体験を与えてくれたようだ。解釈が分かれるところであろうが、自身は世界的な"友好"、つまり"平和"を謳っているようだと思った。

      溢れんばかりのテーマを携えているにも関わらず、作品が軸を保って成立している理由は、演技者たちの貢献も言わずもがなであろう。ジョディ・フォスターを核として、決して派手とは言えぬが味わい深いキャストが絶妙であった。彼らの人間くささに感情移入しながら、宇宙の可能性を大いに夢見させてくれた。星を見上げるのが、少し楽しみになった。

    ● 製作 : Warner Bros. Pictures
    ● 配給 : Warner Bros.
    ● 公開 : 1997年7月11日 - アメリカ/カナダ 
    [PR]
    by movis | 2008-03-03 02:59 | SF
    蟲師
    ● 蟲師 [日本 / 2007年]

    b0055200_0324910.jpg漆原友紀の人気コミック『蟲師』、初の実写化作品。100年前の日本を舞台とした不気味で幻想的な世界観は、実写化されてもなお脈々と息づいている。しかし、原作の再現、オリジナリティの発揮という二極のバランスを上手く保てているかと問われれば……。



    監督は、「AKIRA」「スチームボーイ STEAMBOY」の大友克洋。原作は、漆原友紀の『蟲師』。「銀蠱(ギンコ)」役は、オダギリジョー。「ぬい」役には、江角マキコ。「虹郎」役には、大森南朋。「淡幽」役には、蒼井優。「庄屋夫人」役には、りりィ。「たま」役には、李麗仙。「真火」役には、守山玲愛。「真火の母」役には、クノ真季子。「ヨキ」役には、稲田英幸。

    "蟲を感じたら お知らせください。"
    およそ遠しとされしもの。生命そのものに近きもの。動植物とは違うとおぼしきもの。古くからヒトはこれらを畏れ、"蟲"と呼んだ。蟲を調査し、時に蟲の影響を受けてしまった人々を救う者たちがいる。「銀蠱(ギンコ)」もまた、日本を旅する"蟲師"のひとりであった。ある時、「銀蠱(ギンコ)」のもとに蟲の力を文字に封じる女性「淡幽」の身体に変異があらわれた、との文が届いて…。


      原作は、月刊アフタヌーン誌にて隔号連載の漆原友紀による人気コミック『蟲師』。アニメ化に次ぎ、今度はオダギリジョーを主演として実写映画化された。『蟲師』は、100年前の日本という設定のもと、"蟲"と"蟲師"の「銀蠱(ギンコ)」が織り成す、心悲しくも幻想的な物語である。おとぎ話とも怪談ともとれぬ独自の世界観が人気を呼んだ。

      コミックからの実写映画化ともすると、自ずと作品への期待は、いかに原作の世界観を壊さずに、強いてはそれ以上を魅せてくれるかどうか、に向く。この点においては、感服であった。明度とコントラストを高くおく色調は、原色が強く映え、黒が深く沈む。"蟲"が潜む異様な世界は、実写化されてもなお、不気味で神秘的である。

      原作『蟲師』は一話完結で物語が描かれる。「銀蠱(ギンコ)」は様々な人や蟲と出会い、別れていく。そういった独特のスピード感の中で、読者は"蟲師"とは何か、「銀蠱(ギンコ)」とは何者かを手探っていく。本作は、そうした数あるエピソードの中から数話がピックアップされ、それぞれがリンクしていくのだが、本作が画竜点睛を欠いている気がしてならないのはこれに原因があるように思えた。映画化にともなってアレンジが施されているとはいえ、原作の再現を保とうとし、映画としてのオリジナリティをも発揮しようとし、結果、半端な印象が拭えないのである。オダギリジョー演じる「銀蠱(ギンコ)」が意外にも味があっただけに、この点が非常に残念であった。

      ところで、本作の海外向けタイトルは「Bugmaster」と名付けられている。たしかに"蟲"は"ムシ"だが、"Bug"と言われるといささか納得し切れない。そんなことに思いを馳せているうちに、「蟲師」のような作品と日常的に出会える日本がいとおしくなった。古き日本の持つ不思議な雰囲気、微妙なニュアンスを表現できる日本語。実に奥ゆかしい。

    ● 製作 : 東北新社
    ● 配給 : 東芝エンタテインメント
    ● 公開 : 2006年9月8日 - イタリア(ヴェネチア国際映画祭)
    [PR]
    by movis | 2008-02-06 00:39 | 邦画
    ソウ2 / SAW II
    ● ソウ2 / SAW II [アメリカ / 2005年 / R-15]

    b0055200_21504951.jpg前作を観賞してしまうと、恐怖を煽る手口が分かってしまうので、それ以上を求めてしまう。閉塞感や緊張感は前作に比べて緩やかに、そして印象の受け方も前作と少し違う。良くも悪くも、映画らしくなってしまった。しかし、気が抜けぬ、底冷えするような恐怖は相変わらずで…。



    監督は、ダーレン・リン・バウズマン。製作総指揮には、前作監督のジェームズ・ワンと、前作では「アダム」役を演じたリー・ワネル。「エリック・マシューズ」役には、「シックス・センス」「身代金」のドニー・ウォールバーグ。「アマンダ」役には、「アニー」のショウニー・スミス。「ジグソウ」役には、「ザ・シークレット・サービス」のトビン・ベル。「ダニエル・マシューズ」役には、エリック・ナドセン。

    "We Dare You Again..."
    かつては荒くれた刑事であったが、近頃、内勤へと転じた「エリック・マシューズ」は、妻から離婚を告げられた上に、息子「ダニエル」の素行の悪さに苛立っている。心にもない言葉を彼に浴びせてしまった。嫌悪に陥っている「エリック」は、猟奇的連続殺人犯「ジグソウ」を追う女性刑事「ケリー」からの呼び出しを受けて、ある事件の現場に立ち会った。凄惨な殺人現場に「ケリー」が「エリック」を呼び出したのには、現場に「エリック」を名指しする犯人からのメッセージが残っていたからであった。「ケリー」からは協力を請われる「エリック」だが、気は進まない。自宅に戻った「エリック」は、息子に詫びようと電話をかけるが、連絡がつかず…。


    閉ざされた空間のなかから、いかに脱出するか、という閉塞感ともなう作品を"ソリッド・シチュエーション・スリラー"と呼ぶらしい。閉鎖的な空間に観賞する人間の意識を集めた前作は、その醍醐味を如何なく魅せてくれた。今作は、物語の舞台となる"内部"の世界と、それを補足する"外部"の世界がリンクしてしまい、閉所独特の息苦しさや緊張感が薄れてしまった。登場人物も各々が明確な意識を持って行動してしまうので、体験には至らず、傍観者とならざるを得ない。精神を困憊させる演出は、前作が巧い。

    そうは言っても、絶望するようなトラップのクオリティは健在だ。恐怖感を伴うサスペンスに関しては、前作よりもしっかりと機能しており、またしても驚愕のラストへと真っ直ぐに進んでいく。作品の軸が、目に見えやすくなったという点から言えば、良くも悪くも映画らしくなった。

    何とか危機を脱しようとする登場人物と同じように、早く終わってくれ、と願っている自分を知った。もちろん、進んで観賞しているにも関わらず、である。スタッフ・ロールが流れて漏れるため息。どうもこの一瞬を味わいたいがために、作品を欲しているような気がしてならない。

    ● 関連作品 in the MOVIS

    ソウ [2004年]

    ● 製作 : Twisted Pictures
    ● 配給 : Asmik Ace Entertainment
    ● 公開 : 2005年 (アメリカ / イギリス / ブルガリア / ルーマニア)
    [PR]
    by movis | 2007-12-19 00:17 | ホラー