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    劔岳 点の記
    ● 劔岳 点の記 [日本 / 2008年]
     
    b0055200_2105066.jpg"本物を撮る"ことへの熱意を持った名カメラマン、木村大作が初監督に挑む。実地ロケを貫いたストイックな姿勢で、圧倒的な迫力の映像を生んだ。内容は易しいものではないが、見応えがある。丁寧に作り上げられた、硬派で、完成度の高い珠玉の一作だ。
     


    監督、脚本、撮影は、木村大作。原作は、新田次郎の『劔岳 点の記』。「柴崎芳太郎」役には、浅野忠信。「宇治長次郎」役には、香川照之。「生田信」役には、松田龍平。「木山竹吉」役には、モロ師岡。「宮本金作」役には、螢雪次朗。「岩本鶴次郎」役には、仁科貴。「山口久右衛門」役には、蟹江一平。「小島烏水」役には、仲村トオル。「岡野金次郎」役には、小市慢太郎。「林雄一」役には、安藤彰則。「吉田清三郎」役には、橋本一郎。「木内光明」役には、本田大輔。「柴崎葉津よ」役には、宮崎あおい。「大久保徳明」役には、笹野高史。「矢口誠一郎」役には、國村隼。「玉井要人」役には、小澤征悦。「水本輝」役には、田中要次。「牛山明」役には、新井浩文。「岡田佐吉」役には、石橋蓮司。「行者」役には、夏八木勲。「古田盛作」役には、役所広司。

    "誰かが行かねば、道はできない。"
    1906年、明治39年。日露戦争終戦後の陸軍は、国防強化の観点から日本地図完成を急いでいた。残るは越中剱岳周辺の三等三角網の完成のみである。軍は、この重要な任務を陸軍参謀本部陸地測量部の測量手「柴崎芳太郎」に託した。立山連峰にして、その険しさから未踏峰のままである剱岳登頂。「柴崎」は困難な任務を前に、元陸地測量部測量手であり剱岳登頂に挑んだ経験を持つ「古田盛作」を訪ねる。その折、創設間もない日本山岳会が海外製の最新装備を伴って剱岳初登頂を狙っている、という情報が入る。剱岳初登頂と測量、日本山岳会との争い。厳命を受けた「柴崎」は用意周到、虎視眈々と剱岳登頂を見据えていた…。


      「八甲田山」「鉄道員(ぽっぽや)」など、日本特有の"美しさ"を映像に乗せて表現してきた名カメラマン、木村大作が初監督に挑むは、新田次郎による原作『劔岳 点の記』の映画化。木村は黒澤明の「隠し砦の三悪人」からキャリアをスタートさせ、彼から"本物を撮る"ことへの意欲や熱意を学んだという。そういった彼の真摯な取り組みは、監督という役割を担っても変わらず、本作には一切の手抜きも感じられない。美しい映像を撮ることへの評判は今更述べるに及ばず、本作にも自然美描写が健在であるが、驚くべきは、約200日という撮影期間、立山連峰における100年前の測量隊の軌跡を実際に登山するというロケーションなど、あまりにストイックな製作スタイルである。とかく丁寧に大事作られた作品。それは観賞するだけで理解できるほどだ。
      
      作品の印象を一言に換えると"硬派"。剱岳初登頂、ひいては日本地図完成に、只ならぬ信念を持って挑んだ男たちの熱いドラマである。前提として木村の"生きた映像"があって、登山を安易にイメージしがちな素人の自分も、刹那に剱岳登山がいかに困難であるかを思い知らされる。登る、という言葉では足らない、険しい斜面。表情が変わりやすい酷寒の天候。そして、測量隊一行の背には重々しい測量機器が負ぶさる。こうした過酷な状況の中で、それでも真っ向から剱岳に立ち向かった「柴崎芳太郎」という人間は、陸軍参謀本部陸地測量部に所属し、越中剱岳の三等三角網完成を命ぜられた実在の人物である。浅野忠信は、この「柴崎」を闊達かつ明瞭な人物として表現した。香川照之も同様に、寡黙だが「柴崎」に忠実な案内人「長次郎」を違和感なく、ニュートラルに演じ上げた。

      浅野忠信と香川照之の貫禄ある、卓越した演技力で表現する「柴崎」と「長次郎」が物語を牽引しているのは疑いのないところだ。彼らは山を知り尽くした登山のスペシャリストであり、剱岳の過酷さを痛感しながらも、勇猛果敢に山頂を目指していく。前述の通りの映像がもたらすリアリティも手伝って、彼ら測量隊の苦境はとりあえず理解できるものの、「柴崎」と「長次郎」には、彼らなら何とかするだろう、といったような安心感が漂っている。それでも、物語が独特の緊迫感を失わない理由は松田龍平演じる「生田信」の存在にある。なぜなら、彼は登山経験のない観賞者の立場にもっとも近いからだ。厳しい登山であっても何とかなるのではないか、という「生田」の自信は、登山に対する素人考えを抱く私には共感できた。しかし、彼は様々な困難に遭遇する。登山に対する自信が打ち砕かれるなどは序の口で、思い通りに事が運ばないフラストレーションと体調の悪化、延いては死すら覚悟しかねない圧倒的な絶望感が「生田」を襲う。そんな彼を眺める私は、おそらく呆然としていただろう。登山に対する考え方を改めるとともに、「柴崎」や「長次郎」の頼もしさや凄みが増す。作品の見所のひとつとして、「生田」の心境の変化も挙げておきたい。
     
      陸軍参謀本部陸地測量部という組織、"点の記"という存在や台詞に用いられる専門用語の数々になかなか理解が追いつかず戸惑いを覚えたが、これは後学に頼ることにして、映像の迫力は申し分ない。史劇としてもスペクタクルとしても、非常に硬派で完成度の高い作品だ。観賞に訪れた、初夏の某シアターには空調の冷気がうっすらと漂っていて、映像の雪景色も相まって次第に寒いとさえ思った。本作に全く責任はないが、その後、私は風邪をひきました。
      
    ● 製作代表 : 東映
    ● 日本配給 : 東映
    ● 世界公開 : 2009年06月20日 - 日本
    ● 日本公開 : 2009年06月20日
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    by movis | 2009-07-26 22:29 | 邦画
    ワルキューレ / Valkyrie
    ● ワルキューレ / Valkyrie [アメリカ / ドイツ / 2008年]

    b0055200_11444310.jpg第二次大戦時のドイツで、"ワルキューレ計画"と呼ばれたヒトラー暗殺計画に参画した男たちを描く哀感のサスペンス・アクション。やや淡白な性格を感じ得る本作であるが、登場人物たちのコミュニケーションや描かれる出来事の一部始終に緊迫感がある、悲しき物語だ。



    監督は、「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー。「クラウス・フォン・シュタウフェンベルク」役には、"ミッション: インポッシブル"シリーズのトム・クルーズ。「ヘニング・フォン・トレスコウ」役には、「フランケンシュタイン」のケネス・ブラナー。「フリードリヒ・オルブリヒト」役には、「ラブ・アクチュアリー」のビル・ナイ。「フリードリヒ・フロム」役には、「フィクサー」のトム・ウィルキンソン。「ニーナ・フォン・シュタウフェンベルク」役には、カリス・ファン・ハウテン。「オットー・エルンスト・レーマー」役には、トーマス・クレッチマン。「ルートヴィヒ・ベック」役には、テレンス・スタンプ。「エーリッヒ・フェルギーベル」役には、エディ・イザード。「ヴェルナー・フォン・ヘフテン」役には、ジェイミー・パーカー。「アルブレヒト・メルツ・フォン・クイルンハイム」役には、クリスチャン・ベルケル。

    "Many saw evil. They dared to stop it."
    第二次世界大戦、ドイツの「クラウス・フォン・シュタウフェンベルク」大佐はチュニジア戦線で第10装甲師団を率いていた。1943年の春、ドイツの配色が濃厚となった状況で「シュタウフェンベルク」は戦闘に困憊した兵士を配慮し、情報を操作することで戦線撤退を画策。しかし、ウォーホークの機銃砲火に遭い、一命は取り留めたものの左目、右手首、左薬指、左小指を失う重傷を負った。戦況不安も手伝い、反「ヒトラー」派が拡大する中、「シュタウフェンベルク」はドイツ帰国後、予備軍司令部に転属となる。彼は「ヒトラー」の暗殺計画が失敗したことで"ゲシュタポ"に捕らえられた「ハンス・オスター」に代わりとなる、反「ヒトラー」派の活動メンバーとして白羽の矢が立てられたのであった。「ヒトラー」亡き後の政治運営、そして家族。計画に対して不安を抱く「シュタウフェンベルク」を導いたのは、ワーグナーの『ワルキューレの騎行』だった…。


      第二次世界大戦時、ヒトラーの暗殺計画の指揮を執り、実在したドイツ人将校「クラウス・フォン・シュタウフェンベルク」を描くサスペンス・ドラマ。監督は、登場人物のコミュニケーションにスリルや緊張感を吹き込むことに長け、「ユージュアル・サスペクツ」や「スーパーマン リターンズ」などの代表作が挙げられるブライアン・シンガーだ。さすがは彼のこと。本作にも隙はない。

      1944年、"ワルキューレ計画"と呼ばれたドイツ軍将校たちによるヒトラー暗殺計画実行の指揮を執ったクラウス・フォン・シュタウフェンベルクと、計画の行方を描く。恥ずかしいことに"ワルキューレ計画"という事実を知らなかったため、作品がどれほど事実を再現しているのかは後学と比較するほかないのであるが、ヘニング・フォン・トレスコウ、フリードリヒ・オルブリヒト、ヴェルナー・フォン・ヘフテンら、出来事のキーパーソンは各自のエピソードとともにしっかりと描かれていた。事実を描く作品を観賞する上でのありがちなストレスとして、登場人物の名称が覚えきれなかったり、彼らの役目やエピソードの整理が複雑で難しかったり、といったことがあるが、本作はその点、そうした作業が非常に易しい。ブライアン・シンガーの業か、俳優陣の腕か、登場人物個々にしっかりとした個性が描かれているからだが、思わず舌を噛んでしまいそうなドイツ独特の複雑な人名にまるで色が浮かぶかのように、『ああ、あの人のことを言っているんだな』と解釈できてしまうニュートラルさが不思議であった。

      さて、いくら歴史に疎い私とて、ヒトラーがどのように終焉を迎えたか、くらいは知っている。ともすれば、本作のエピローグは必然的に察しがついてしまうだが、反ヒトラー派のドイツ軍将校たちが画策する"ワルキューレ計画"やそこに至るまでのクーデター計画遂行の様子は非常に緊迫感がある。火薬を使った動的なシーンやカメラワークなど、ヴィジュアルがスリルを煽ってくることもひとつであるが、ひやひやとするようなコミュニケーションを絶妙なバランスで描くシンガー節が冴えていることが大きい。歴史を忘れ、本作には事実ではない事実が描かれているのではないか、と勘繰ってしまうほどひとつひとつの出来事がハラハラと展開していく。ともあれ、事実こそがドラマ的でもある。「シュタウフェンベルク」やその周囲には予期せぬ障害がいくつも発生するが、どうも脚色ではないようだ。作品に帯びた緊迫感の根源は"ワルキューレ計画"の事実全容とブライアン・シンガーの作風との相性が最適だったことにあるように思う。

      スピーディなサスペンス・アクションとして作品が成功してしまっているが故に、史劇として観る本作が淡白にまとまってしまっている印象も否めないのだが、ある意味では勧善懲悪の概念が排除され、客観的に事実を捉えた作品ということもできる。それでいて私のように後学で"ワルキューレ計画"の事実を追った身からすると、文字の一片一片に本作のシーンが蘇り、その行く末に胸が締め付けられるような思いに駆られた。心を軽く、二度、三度観賞できる、といったものではないが、戦火に生きた男たちの決意や覚悟を熱く描き、悲史を静かに伝えるビターで格調高きドラマであった。
     
    ● 製作代表 : United Artists
    ● 日本配給 : 東宝東和
    ● 世界公開 : 2008/12/25 - アメリカ
    ● 日本公開 : 2009/03/20
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    by movis | 2009-05-30 11:50 | サスペンス / ミステリー
    ニュー・ワールド / The New World
    ● ニュー・ワールド / The New World [2005年 / アメリカ]

    b0055200_371470.jpg「ポカホンタス」の名が有名なアメリカ建国史上の逸話を実写映画化したロマンス。歴史への興味には応えてくれそうにないが、とにかく透明感が印象に強い、美しい作品だった。表情や仕種で演技をする俳優の中で、とくにクオリアンカ・キルヒャーの存在感が鋭い。



    監督は、「シン・レッド・ライン」のテレンス・マリック。「ジョン・スミス」役には、「リクルート」「マイアミ・バイス」のコリン・ファレル。「ポカホンタス」役には、クオリアンカ・キルヒャー。「クリストファー・ニューポート」役には、「サウンド・オブ・ミュージック」「イルマーレ」のクリストファー・プラマー。「ジョン・ロルフ」役には、「太陽の帝国」「バットマン ビギンズ」のクリスチャン・ベイル。「ポウハタン」役には、「南極物語」のオーガスト・シェレンバーグ。「オペチャンカノフ」役には、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」「ヒート」のウェス・ステューディ。「ウィングフィールド」役には、「ドラゴンハート」「キングダム・オブ・ヘブン」のデヴィッド・シューリス。

    "Once discovered, it was changed forever"
    大航海時代の1607年、入植事業を目的としてイギリスから出港した、反逆罪に問われている「ジョン・スミス」含む面々は北アメリカのヴァージニア周辺に辿りつく。入植地を定めた「ニューポート」は、先住民族ポウハタン族との共生を掲げ、交渉の任を「スミス」に託す。ところが、彼らは警戒心が強く、「スミス」は捕われの身となってしまう。部族の王「ポウハタン」は「スミス」の処刑を命じるのだが、王の末娘「ポカホンタス」が必死に命乞いをして…。


      ヴァージニア一帯を支配していた強力なる部族の娘「ポカホンタス」と、探検家「ジョン・スミス」との交流は、事実かどうかは不明であるものの、アメリカ建国史上の逸話として長く伝えられている。このモチーフは、ウォルト・ディズニー社のアニメーション「ポカホンタス」が有名であるように、さまざまな作品で応用されてきた。「シン・レッド・ライン」のテレンス・マリックは、この史的ロマンスに透明感を与えて実写映像化した。

      まず感性に訴えかけてくる映画である。チカホミニ川を中心とした雄大な自然景観、ジェームズ・ホーナーが奏でる壮大な音楽。そして、出演者たちは表情と仕種で演技をする。こうした性格をたたえた作品の中で、コリン・ファレル、クリストファー・プラマー、クリスチャン・ベイルら名優に負けず劣らずの存在感を放つのが、クオリアンカ・キルヒャーである。大役にアサインされた彼女は、当時弱冠15歳であった。言葉少なに悲壮や憂鬱を表現し、先住民族の娘「ポカホンタス」を初々しく演じ上げた。言葉の壁を超えて、親睦を深めていく「スミス」と「ポカホンタス」よろしく、目に映るものが作品を物語っていた。

      物語の序盤においては、先住民との交渉、疫病や飢餓の問題など、入植の様相をありありと魅せてくれる。しかし、史劇としてみる本作への期待は、抱かぬが吉かもしれない。それはただロマンス作品という立場であるからではなく、その描き方が前述のとおり、言葉に頼っていないからである。つまり、ヴァージニア植民地設立の情報が少ない。観賞をきっかけにして、大航海時代の入植史に対する興味や好奇心をかき立ててくれることはあっても、そこにカタルシスは与えてくれない。本作での歴史は、あくまでも作品の盛り立て役であり、世界観の説得役であった。

      結局のところ、やはり美しい作品だという印象が強い。それは文字通りの自然美や映像化の妙のことでもあり、切ないロマンスのことでもある。派手さはなく、むしろ静寂をきわめ、淡々としている。押し付けてくるものは何もなく、心に染み入るような思いがする。悲しいストーリーではあるものの、それすら端麗に思える清楚な作品だった。

    ● 製作代表 : New Line Cinema
    ● 日本配給 : 松竹
    ● 世界公開 : 2005年12月25日 - アメリカ(限定公開: Extended Ver.)
    ● 日本公開 : 2006年04月22日
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    by movis | 2008-05-06 03:15 | ドラマ
    アメリカン・ギャングスター / American Gangster
    ● アメリカン・ギャングスター / American Gangster [アメリカ / 2008年 / R-15]

    b0055200_451458.jpg過去の"ギャング映画"には類を見ない個性を持っており、リドリー・スコットの新たな側面を見せてくれる作品であった。デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの対立が色鮮やかであるだけでなく、キーパーソンを演じるジョシュ・ブローリンが非常に味のある存在感を示す。



    監督は、「エイリアン」「ブレードランナー」のリドリー・スコット。「フランク・ルーカス」役には、「マルコムX」「デジャヴ」のデンゼル・ワシントン。「リッチー・ロバーツ」役には、「L.A.コンフィデンシャル」「グラディエーター」のラッセル・クロウ。「ニッキー・バーンズ」役には、「星の王子ニューヨークへ行く」のキューバ・グッディング・Jr。「トルーポ」役には、「ノーカントリー」のジョシュ・ブローリン。「ヒューイ・ルーカス」役には、「ラブ・アクチュアリー」のキウェテル・イジョフォー。

    "There are two sides to the American dream. "
    1968年のニューヨーク。「フランク」は黒人ギャングのボスとして知られる「バンピー」の運転手を務めていた。「バンピー」の没後、「フランク」はこれまでの学習と新たな発想で麻薬ビジネスを展開する。「フランク」の名が知られることはなかった。ただ静かに、暗黒街での勢力を拡大させていく。警察組織の内部で汚職が跋扈していたこの時代に、ニュージャージーの「リッチー」だけは潔癖を貫いていた。融通がきかぬ性格であるから、同僚、妻子と人間関係にも不器用であったが、信頼に値するという評価を受け、麻薬捜査班のチーフに任命される。検察は相場よりも価格が安く、純度が高い"ブルーマジック"というヘロインの出現に頭を抱えていた。「リッチー」の役目は、市場を牛耳る、姿のみえないボスに辿り着くことであった…。


      1960年代後半から1970年代前半にかけて、ハーレムでヘロインを密売し、犯罪組織のボスであった「フランク・ルーカス」とは実在の人物であり、本作は彼を取り巻いた事実を基に製作された作品である。2007年度のアカデミー賞では、「ママ・ルーカス」を演じたルビー・ディーが助演女優賞にノミネートされた。

      どちらかといえば、「マイ・ボディガード」や「デジャヴ」でワシントンとタッグを組んだ経緯もあるトニー・スコットに向いた作品であるようにも思えるが、結果として実兄であるリドリー・スコットは、非常に上品に、スマートに"ギャング映画"として本作を仕上げた。上品に、スマートに、という意味では、過去の様々な"ギャング映画"にも類を見ないような個性がある。作品がどういった評価を受けるか、は別として、リドリー・スコットの新たな一面を垣間見たような気がする。

      基本的には「フランク・ルーカス」が主体的に描かれている。「バンピー」亡き後、頼れる存在もなく、ほぼ裸一貫の状態から、きわめて知的に暗黒街の実権を握っていく過程が圧巻であった。「リッチー・ロバーツ」を演じたラッセル・クロウの存在感も大きい。両者の対立が本作のひとつの見所でもあるのだが、一族団欒で豪勢な食事を摂る「フランク」とジャンクフードをむさぼる「リッチー」など、画で見る立場の違いも鮮やかであった。汚職が横行する警察組織の中で、潔癖を貫く「リッチー」であるが、それは単純に"正義感"があるゆえ、ではなく、"融通がきかない"から、であるのが、数少ないシーンからも汲めたのも面白い。

      「リッチー」と対をなす「トルーポ」を演じたジョシュ・ブローリンの悪徳警官振りが非常に良かった。しかしながら、「フランク」と「リッチー」という表面的な対立に加えて、「フランク」と「トルーポ」、「リッチー」と「トルーポ」という構図にも重要な意味がある以上、パンチ力不足である点が否めない。彼のエピソードの使い方、描き方次第ではもっとわかりやすい作品になったのではないか、と歯がゆいほどの勿体なさも感じた。

      ともあれ、重厚で、単純にカッコイイ作品である。"ギャング映画"としてはあまりに綺麗すぎたが、実話を基にしているという点では、人間を飄々と描くリドリー・スコットの作風が活きたのかもしれぬ。彼が目の前にいれば、この作品に対する印象を聞いてみたい。満足感に溢れているのだろうか、もしかすれば懲りてしまっただろうか。どちらにせよ、今後の彼の作品に、本作がどういった影響を与えていくかが大いに楽しみである。

    ● 製作 : Universal Pictures
    ● 配給 : 東宝東和
    ● 公開 : 2007年10月19日 - アメリカ(ニューヨーク/プレミア)
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    by movis | 2008-03-10 04:11 | 犯罪 / ギャング
    ブラディ・サンデー / BLOODY SUNDAY
    ● ブラディ・サンデー / BLOODY SUNDAY [イギリス / アイルランド / 劇場未公開]

    b0055200_2342756.jpgポール・グリーングラスが、その存在感を高める由縁となった作品。ドキュメンタリー・タッチを得意とする彼の手腕が、1972年に実際に起こった"血の日曜日事件"をテーマに如何なく発揮されている。「U2」が奏でた、あの名曲の背景とは。迫真の臨場感が心に痛い。



    監督は、「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス。「アイヴァン・クーパー」役には、「マッチポイント」のジェームズ・ネスビット。「フォード」役には、「Vフォー・ヴェンデッタ」のティム・ピゴット=スミス。「マクレラン」役には、「ハムレット」のニコラス・ファレル。「ラガン」役には、「ブレイブハート」「ナイロビの蜂」のジェラルド・マクソーリー。

    "A dramatization of the Irish civil rights protest march and subsequent
     massacre by British troops on January 30, 1972."
    それはただ、"平和的な行進"であるはずであった。「アイヴァン・クーパー」は、ただカトリック系住民の公民権を実現させたいだけだった。1972年1月30日、北アイルランド、デリー。この日曜日は、歴史に深く、悲しい傷を残した…。


    2002年2月、ヴェネチア、カンヌと並んで"世界三大映画祭"と称されるベルリン国際映画祭にて、2つの作品が金熊賞を受賞した。ひとつは宮崎駿監督作品の「千と千尋の神隠し」である。このビッグ・ニュースに日本が沸いていた間、世界はもうひとつの才能を知った。同年、同じく金熊賞を受賞した「ブラディ・サンデー」のポール・グリーングラスである。彼のキャリアパスを眺めれば、「ブラディ・サンデー」に次ぐ作品が「ボーン・スプレマシー」であるから、彼の存在感が高まった由縁がこの作品にある、と言っても過言ではないだろう。

    北アイルランドでは、歴史や宗派などの観点の違いから、北アイルランドに対する対応をめぐってイギリス政府とカトリック系住民の間で対立が深まった。一連の紛争は"北アイルランド問題"などと呼ばれ、今なお問題解決には課題が山積しているのが現状である。1972年1月30日日曜日、"血の日曜日事件"は、まさに問題を浮き彫りにした悲惨な出来事であった。

    ユナイテッド93」などの作品を通して、ポール・グリーングラスのドキュメンタリー・タッチへのこだわりや精巧さが評価されてきたわけであるが、この作品においても彼の味が如何なく発揮されている。手持ちのビデオカメラによる"手ぶれ"の応用やコマ割りの繊細さにも表れているように、真に迫る臨場感、リアリティはドキュメンタリーと見違えるほどであった。客観性のある"伝える"気持ちの力強さがあるから、尚更、心が痛い。

    作品のエピローグには、同じくこの出来事を取り上げた、アイルランド出身ロック・バンド「U2」の楽曲"Sunday Bloody Sunday"が使用されている。物悲しいメロディ・ラインと悲痛な歌詞が頭の中を巡り続けている。

    ● 製作 : Bórd Scannán na hÉireann
    ● 配給 : N/A
    ● 公開 : 2002年 (アメリカ)
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    by movis | 2008-01-24 23:46 | ドラマ
    座頭市 / ZATOICHI
    ● 座頭市 [2003年]

    b0055200_2021616.jpg勝新太郎の主演監督作品「座頭市」を、北野武が同名にて映画化。時代劇というよりは、アクション・エンターテイメントと言えよう。賛否両論されるこの作品だが、勝新太郎のそれと比べるのは酷かもしれない。何かひとつ大きな印象が心に残る。



    2003年、正式にヴェネチア国際映画祭に出品された作品。監督、そして主人公「座頭市」役にはお馴染み北野武。共演には、浅野忠信、ガダルカナル・タカ、岸部一徳、柄本明など日本国内で活躍する実力派俳優からコメディアンまで幅広いジャンルの顔が揃っている。

    頭を金に染め上げ、朱塗りの杖を持った盲目の居合い達人「座頭市」。刀の腕が立つ浪人「服部源之助」と、病に苦しむ彼の妻「おしの」。そして、旅芸者の「おきぬ」「おせい」姉妹。その日、この三組の旅人達が同じ宿場町に脚を踏み入れて…。

    賛否が見事に分かれるこの作品。「座頭市」といえば勝新太郎をイメージする人、それに思い入れが強い人にとっては受け入れがたいかもしれない。時代劇特有の血生臭さはあるけれど、ノリが良く、リズミカルに観賞出来る作品に仕上がっている。北野作品が持つ個性、癖には近寄りがたい印象を持っていたが、このアクション・エンターテイメントは素直におもしろいと思うことが出来た。

    「もはや敵なし。最強」のキャッチ・コピーが表す「座頭市」の圧倒的な剣さばき。彼と「服部源之助」が刀を交えるシーン。時代劇の持つ独特の雰囲気にくわえ、北野武ならではのスピード感がある。そんなシーンの隙間には、お笑い要素がつめられているから肩透かしを喰らったような気持ちさえする。エピローグには、流れを無視した大きなイベントも用意されており、何かと印象が色濃く残る作品である。「座頭市」の奮う刀の筋もさながらに、バッサバッサとテンポ良く観賞することが出来るので、是非とも肩の力を抜いて、北野武ワールドを楽しんで欲しい。

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    by movis | 2004-11-05 21:00 | 邦画