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    グラン・トリノ / Gran Torino
    ● グラン・トリノ / Gran Torino [アメリカ / 2008年]

    b0055200_20324767.jpg…完璧。うまく言葉で表現できないが、この作品に出会えたことが心から良かったと思えた。出会いが人を変えていく。その過程には笑いもあれば涙もある。エピローグに漂う不思議な優しさや温かさ。きっと観た人それぞれの心に何かを与えてくれる。本作の何もかもが愛しい。



    監督、製作、「ウォルト・コワルスキー」役には、「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッド。「タオ・ロー」役には、ビー・ヴァン。「スー・ロー」役には、アーニー・ハー。「ヤノヴィッチ」役には、クリストファー・カーリー。「ミッチ・コワルスキー」役には、「ディパーテッド」のブライアン・ヘイリー。「スティーブ・コワルスキー」役には、「幸せのちから」のブライアン・ホウ。「カレン・コワルスキー」役には、「ロッキー・ザ・ファイナル」のジェラルディン・ヒューズ。「アシュリー・コワルスキー」役には、ドリーマ・ウォーカー。「デューク」役には、コリー・ハードリクト。「マーティン」役には、ジョン・キャロル・リンチ。「トレイ」役には、スコット・リーヴス。「ビュー」役には、ブルック・ジア・タオ。「スパイダー(フォン)」役には、ドゥーア・ムーア。「スモーキー」役には、ソニー・ビュー。「ウィリアム・ヒル」役には、ティム・ケネディ。「ユア」役には、チョウ・クー。

    "俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を。"
    アメリカ、ミシガン州ハイランドパークに朝鮮戦争の帰還兵「ウォルト・コワルスキー」が住んでいる。月に一度「マーティン」のいる床屋へ行き、古くなった自宅を修繕し、愛犬「デイジー」を伴ってバルコニーで煙草を燻らせながらビールを呑む。長年フォード社で自動車工を務めた彼の一日は、そうして過ぎ去っていく。妻「ドロシー」に先立たれ、子供や孫たちとも疎遠、顔なじみだった隣人たちも去り、「ウォルト」は孤独だった。自動車産業発展期のハイランドパーク一帯の栄光を知る「ウォルト」にとっては、通りを練り歩くギャングたち、荒廃した住宅街、姿をかえた人間や街並みの全てが気にいらない。隣の家には、東南アジア系移民が越してきたようだが、そのことも鬱陶しい。かつて妻は「ウォルト」に懺悔を勧めたが、毎日のように訪ねてくる神父「ヤノヴィッチ」に告白することなど何もない。すべてが漫然だった。ある日、「ウォルト」宅のガレージに何者かが忍び込んだ。そこには彼の愛車"グラン・トリノ"が眠っている。「ウォルト」が今も大事に磨き上げているM1ライフルの銃口が捕らえたのは、隣家の少年「タオ」の姿だった…。


      タイトルの"グラン・トリノ"とは、アメリカの大手自動車メーカー、フォード・モーター・カンパニーが1968年から1976年にかけて生産販売したインターミディエイト、"トリノ"シリーズの一車種。1972年、"フォード・トリノ"シリーズのフルモデル・チェンジを受けて世に登場した"グラン・トリノ"は、当時のアメリカ自動車市場の中で大きな成功を収めた。本作には、ヴィンテージ・カーと位置づけられている"グラン・トリノ"の製造ラインでステアリングを取り付けていたのが他ならぬ「ウォルト」だった、という設定がある。また、"グラン・トリノ"に加えて本作における重要なキーワードは"モン族"である。ラオス、ベトナム、タイ、ミャンマーなど、東南アジア域に散在する少数民族のことだが、ベトナム戦争後、アメリカに移住した"モン族"には様々な苦難、苦境が待ち構えていた。それを乗り越えてきた逞しき"モン族"は"モン族"に演じさせたい、というイーストウッドの意向から、数多くのオーディションを経て、ビー・ヴァン、アーニー・ハーらに白羽の矢が立った。また、イーストウッドの息子である、スコット・リーブスが「トレイ」役で出演していること、カイル・イーストウッドが音楽を担当していることにも注目。

      「ミリオンダラー・ベイビー」の「フランキー・ダン」を彷彿とさせるような堅物「ウォルト」が、些細な出来事をきっかけに隣家のアジア系住民と心を通わせていくさまを描いたドラマ。哀愁が漂い、格調の高い趣を備えた作品ではあるが、思わず噴き出してしまうようなユーモアも伴っている。「ハリー・キャラハン」や「フランク・モリス」などの名役を演じつづけてきたクリント・イーストウッドが、俳優業最後の仕事とも語る。それが真の決断だとすれば、「ウォルト」という名の偏屈で頑固なじいさんが、彼のキャリアの集大成ということか。そこに抱く特別な感情は別にしても、本作は総じて完璧。もう私にとっては、これ以上ない宝物のような作品に出会ったような気分だ。

      「ウォルト」が唸り声を上げる。彼の子供や孫の内疎外親で滑稽な言動、行動。言葉の壁を超えた"モン族"とのコミュニケーション。こじんまりとしたコミュニティの中で出来事が展開されるにも関わらず、物語に壮大な奥行きを感じ得るのは、登場人物たちの心の移ろいが繊細に描かれているからであろうか。「ウォルト」の孤独感や近寄りがたさ、はたまた一見すると人種差別者かと思えるほど汚い言葉を口にしていた彼が、「タオ」や「スー」との出会いによって、次第にほぐれていくさまがありありと描かれている。その面白おかしい交流に思わず笑ってしまうことも少なくなかった。こうした温かいドラマが終盤に向けて暗調となっていくが、ハッピーエンドやバッドエンドという言葉では語れない不思議な余韻が身体を襲う。これぞ、イーストウッドの作品。ただ映像を追っても感泣ものだが、タイトルの"グラン・トリノ"が象徴するものとは、「ウォルト」がアジア人を毛嫌いする理由とは、「ウォルト」の愛用のジッポに刻まれている模様とは、「ウォルト」の懺悔とは、作品の節々に散りばめられたアイテムやエピソードの意味が解き明かされたとき、更なる哀歓がじわじわと滲み出してくる。

      ある意味では、近代のアメリカを包括的に象徴しているとも捉えられるが、実直でいること、相手を思い遣ること、人を愛すること、時代の変化を受け入れること。個人個人に人生のヒントのようなものを与えてくれるようにも思う。ピカピカに磨かれた"グラン・トリノ"が、「デイジー」を乗せて颯爽と駆けていく。優しくて温かい。本作の良さが言葉にし尽くせないことが悔しいが、私はこの作品に出会えたことが幸せとも思える。本作の何もかもが愛しい。ヒューマン・ドラマの傑作だ。
      
    ● 製作代表 : Matten Productions
    ● 日本配給 : Warner Bros.
    ● 世界公開 : 2009/01/09 - アメリカ
    ● 日本公開 : 2009/04/25

    (2009/06/02: 一部追記)
    (2009/06/05: 出演者情報追加)
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    by movis | 2009-05-31 20:50 | ドラマ
    チェンジリング / Changeling
    ● チェンジリング / Changeling [アメリカ / 2008年 / PG-12]

    b0055200_1111466.jpg名匠クリント・イーストウッドが描く、想像を絶する驚愕の事実。彼の生み出す作品に帯びる崇高な風格は本作にも健在。イーストウッドらしさと意外性を感じえる個性的な作品でもある。アンジェリーナ・ジョリーの非凡が存分に発揮された。見応え充分、観て損は有り得ず!



    監督は、「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」のクリント・イーストウッド。「クリスティン・コリンズ」役には、"トゥームレイダー"シリーズのアンジェリーナ・ジョリー。「グスタヴ・ブリーグレブ」役には、「ザ・シークレットサービス」「マルコヴィッチの穴」のジョン・マルコヴィッチ。「J・J・ジョーンズ」役には、ジェフリー・ドノヴァン。「ジェームズ・E・デイヴィス」役には、コルム・フィオール。「ゴードン・ノースコット」役には、ジェイソン・バトラー・ハーナー。「キャロル・デクスター」役には、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のエミリー・ライアン。「レスター・ヤバラ」役には、マイケル・ケリー。「ウォルター・コリンズ」役には、ガトリン・グリフィス。「サンフォード・クラーク」役には、エディ・オルダーソン。

    "To find her son, she did what no one else dared."
    1928年、アメリカ、ロサンゼルス。電話通信会社に勤める「クリスティン・コリンズ」は、女手ひとつで一人息子「ウォルター」を育て、2人で細々と生活を営んでいた。3月10日、「ウォルター」と映画を観にいくはずだった「クリスティン」の休日。人手が足りないから出勤してほしい、という会社からのオンコールを「クリスティン」は断ることができず、ふて腐れる「ウォルター」をなだめて職場へと向かった。終業後、「クリスティン」は帰路を急いだが、自宅にいるはずの「ウォルター」の姿がない。躾には厳しいつもりだった。日が暮れても「ウォルター」が帰ってこないことに、不安が募り、「クリスティン」はロス市警に捜索願いを請う。しかし、牧師の「ブリーグレブ」がロス市警の腐敗撲滅キャンペーンを実施するように、警察組織の怠慢や跋扈した汚職に、市民は不信を極めた。仕事を続けながら関係各局を駆け巡り、邪険に扱われながらもロス市警に喰らい付く日々を送る「クリスティン」に、5ヵ月後、朗報が届く。ロス市警青少年課の「ジョーンズ」から「ウォルター」をイリノイ州で発見、無事保護した、との連絡が入ったのであった…。


      本作のタイトルである"changeling"とは、"取り替え子"の意味がある英名詞。「ウォルター」少年の失踪、「クリスティン」とロス市警の対峙と核心を握るウィネヴィラ養鶏場事件は実際の出来事であり、これをモチーフに「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッドが映画化した。第81回のアカデミー賞では、主演女優賞、撮影賞、美術賞でノミネートを受けた。

      端麗な顔立ちとスタイルで数々の作品に華を添えてきたアンジェリーナ・ジョリーが、艶やかなアプローチを潜めた、技巧的な演技を魅せる。監督のクリント・イーストウッドは、彼女の魅力を「若草物語」などの代表作を持つキャサリン・ヘップバーンらに例え、個性的で存在感がある点に言及しているが、なるほど、彼女の至近の出演作の中では、その非凡な表現力が最もわかりやすい作品であった。突然、最愛の息子が失踪してしまった「クリスティン」の落胆とヒステリック、頼みの綱であるはずの警察組織の怠慢に立ち向かっていく「クリスティン」の勇猛果敢さ。アンジェリーナ・ジョリーは「クリスティン・コリンズ」その人かと思うほど、繊細な心理心情を表現している。「17歳のカルテ」以降、遠のいていたアカデミー賞のカーペットを踏んだ彼女であるが、本作の「クリスティン・コリンズ」を観れば、主演女優賞のノミネートは納得であった。

      カタルシスを見出し難い暗鬱な作品だ。観賞を終え、件の詳細を調べてみてもにわかには信じがたい事実だ。「クリスティン・コリンズ」を襲った息子の失踪という不幸を発端に、次々と絶望が噴出する。強烈な悲劇を突きつけられるから作品にリアリティがあるかないかを言及する気もおきないのであるが、登場人物の緻密な、言葉を換えれば、地に脚ついたコミュニケーションが骨太に描かれているために、脚色を控え、事実をありのままに伝えんとする製作陣の情熱をひしひしと感じることができる。

      ところで、本作には、イーストウッドの"らしさ"と"らしくなさ"を感じ得る、不思議な雰囲気が漂っている。まずは、"らしさ"と感じた部分についてであるが、やはり隙がなく緻密で懇切丁寧な作品の仕上がりと、それに伴い崇高な品格と風格が備わっている点である。彼は監督、俳優業に留まらず、音楽に関しても才が長けていることは有名だが、決して音で作品を誤魔化さない。自動車や衣装、作品の色調にいたるまで拘りが垣間見え、決して作品の世界観を崩さない。先に記述したような、人間のコミュニケーションが活き活きと描かれ、決して超人は描かない。作品の最もわかりやすい部分を見ても、彼の業が他を凌駕する領域に達していることは明らかだ。

      一方で"らしくなさ"と感じた部分についてであるが、90年代以降の作品では顕著な、映像を追っただけでもある程度の結論は分かるが、作品のより深みに脚を踏み入れると様々な深慮のトリガーが潜んでいる、二度三度おいしい、という性格が本作では控えめだった点である。ロン・ハワードからメガホンを受け取った、という製作秘話に根拠があるのかもしれないし、彼は少し日常から離れた世界を描くヒューマン・ドラマの名匠だという先入観がそう思わせるのかもしれないが、淡々と悲壮や絶望を煽り続けられたところに戸惑いを禁じえなかった。とはいえ、母親 = 「クリスティン・コリンズ」の気丈さや勇敢さは悲劇や理屈を超えて、美しく描かれている。最凶の事実を描きながらも、品位を添えてくる辺りは、やはり彼の"らしさ"なのかもしれないけれど。

      実話に基づいた作品、かつ、それがトラジックなものであればあるほど、無邪気に観賞を勧め難いのであるが、イーストウッドの作品に帯びるロイヤルな優雅、威厳は本作にも健在。ドラマ作品としても、ヒストリー作品としても見応え充分な珠玉の一作だ。

    ● 製作代表 : Imagine Entertainment
    ● 日本配給 : 東宝東和
    ● 世界公開 : 2008年05月20日 - フランス(第61回カンヌ国際映画祭)
    ● 日本公開 : 2009年02月20日
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    by movis | 2009-04-02 01:16 | ドラマ
    ベンジャミン・バトン 数奇な人生 / The Curios Case of Benjamin Button
    ● ベンジャミン・バトン 数奇な人生 /
        The Curios Case of Benjamin Button [アメリカ / 2008年]

    b0055200_1932362.jpg年齢を重ねるたびに身体が若返っていく男の数奇な生涯を、デヴィッド・フィンチャーが不思議なファンタジータッチで描く。人と出会うこと、互いに影響を与え合っていくこと、人を愛すること。当然のことのようで大切な、人生の哀歓を優しく諭してくれる作品だった。



    監督は、「セブン」「ファイト・クラブ」のデヴィッド・フィンチャー。「ベンジャミン・バトン」役には、「バーン・アフター・リーディング」のブラッド・ピット。「デイジー」役には、「アビエイター」のケイト・ブランシェット。「エリザベス・アボット」役には、「フィクサー」のティルダ・スウィントン。「トーマス・バトン」役には、「スナッチ」のジェイソン・フレミング。「ムッシュ・ガトー」役には、「ゾディアック」のイライアス・コティーズ。「キャロライン」役には、ジュリア・オーモンド。「クィニー」役には、「ハッスル & フロウ」のタラジ・P・ヘンソン。「デイジー(6歳)」役には、エル・ファニング。

    "Life isn't measured in minutes, but in moments"
    嵐を予感させる強い雨が病院の窓を叩く。ベッドに横たわった老女は自身の死期を悟った。傍らに付き添う若い女性は、老女の頼みで日記と思われる一冊のノートを読み上げる。1918年、ルイジアナ州のニューオリンズ。第一次世界大戦が終結し、生まれるには最高の夜と思しき日に、日記の著者は生を受けた。しかし、顔はまるで老人のように皺にまみれ、80歳に相当するほど弱った身体の赤ん坊であった。彼の父親は、赤ん坊の容姿と妻の死にショックを隠せず、老人養護施設の前に我が子を置き去りにしたのであった。生まれながらにして人とは違う境遇に生まれた彼にとって幸いであったのは、この施設で働く「クィニー」が惜しみない愛情を与えてくれたことだった。「ベンジャミン」という名を与えられた彼は、数奇な人生を歩むこととなる…。


      原作は、「The Curios Case of Benjamin Button」というタイトルで執筆されたF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説。本作の脚本には、「フォレスト・ガンプ/一期一会」「インサイダー」のエリック・ロス。第81回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、ブラッド・ピッドの主演男優賞、タラジ・P・ヘンソンの助演女優賞をはじめ13部門でノミネートを受け、その内、美術賞、メイクアップ賞、視覚効果賞で最優秀賞に選ばれた。

      第一次世界大戦終結の年から、21世紀を生き抜いた一人の男の生涯をたどる。ただ、彼の人生が他の人の人生と圧倒的に違うのは、年を重ねるたびに肉体が若返っていく点だ。ピーター・ドナルド・ダバラメンティ二世、ロバート・タワーズ、トム・エヴァレットらの協力を得ながら、「ベンジャミン・バトン」が違和感なく若返っていく様は視覚的に面白い。ブラッド・ピットは特殊メイクの為に長時間座っていることが嫌だった、と語っているが、アカデミー賞ノミネートにヴィジュアル・エフェクトに関する部門が多いことは、彼らの苦労の成果だといえる。

      人間は一生のうちに出会う人数はある程度決まっている、という話を聞いたことがある。本作は、哀愁ただようファンタジー作品でありながらも、自分を理解してくれる人間の有難み、その人との出会いの稀少さ、といった人間の繋がりの温かさが強烈に迫ってくる。「ベンジャミン」の身体は歳をとって若返っていくわけだが、他人の人生と異なる点というのは、まさにそれだけだと言ってもよくて、彼も他人と同じように懸命に人生を生き抜いていく。しかし、やはり、他人と唯一違う彼の体質が、人生のあらゆる局面でジレンマとなっていく。だからこそ、「ベンジャミン」に同情的になってしまい、本作は暗調ともとれるのだが、「ベンジャミン」の透き通った人間性が不思議な安心感を醸し出す。

      肉体的には老人であった「ベンジャミン」幼少の頃、彼は「デイジー」と出会った。周囲の怪奇な視線をもろともせず、子供の2人だけが互いの純心を見抜く。だが、「ベンジャミン」は自身を巡る不遇を誰よりも理解している。彼にとっては叶わぬ恋だった。彼は何かを求めて世界に飛び出した。長い旅路の中で、"アーティスト"や"泳ぐ人"などと出会っていく。彼の真っ直ぐな生き方や疑いようのない誠実さは、彼らとの出会いによって熟成されていき、また相手も「ベンジャミン」から何かを学びとっていく。やがて、「ベンジャミン」と「デイジー」のヴァイタル・バランスが一瞬均衡を保ったとき、運命が彼らを結びつけた。だが、「ベンジャミン」は"永遠のものなんてない"と悲観的になるのだが、「デイジー」は違った。

      誰もがみな、自分は人とは違うと思うもの。しかし、通る道は違っても、行き着く先は同じ。作品が強調するこのメッセージが、「ベンジャミン」と「デイジー」を介して、ドラスティックに心に訴えかけてくる。"Button(ボタン)"を掛け違えながらも、やがて正しいボタンホールにたどり着くように。カミナリに七回打たれる人、ボタンを作る人、母親、踊る人、すべての出会いが美しい。漫然と人と出会い、人生を生きてきたような気がするが、本作の観賞でハッとした。つらいこと、頭悩ませること、生きていくうえでの憂鬱は多い。でも、もしかしたら「ベンジャミン」と同じくらい、自身のこれまでの出会いは奇跡的で、相互にいい影響、悪い影響を与え、与えられながら、無二で数奇な人生を歩んでいるのかもしれない。こんなことを思いながら、なぜだか目頭が熱くなった。理論的でも宗教的でもない。人生はすばらしい、そう温かく教えてくれた作品だった。

    ● 製作代表 : The Kennedy/Marshall Company
    ● 日本配給 : Warner Bros.
    ● 世界公開 : 2008年12月10日 - オーストラリア(シドニー/プレミア)
    ● 日本公開 : 2009年02月07日
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    by movis | 2009-03-14 19:41 | ファンタジー
    ミリオンダラー・ベイビー / Million Dollar Baby
    ● ミリオンダラー・ベイビー / Million Dollar Baby [アメリカ / 2004年 / PG-12]

    b0055200_0124693.jpg美しい語り口と哀歓の描き方。クリント・イーストウッドの持ち味が十二分に発揮された、濃厚なヒューマン・ドラマ。アカデミー賞4部門にて最優秀賞に選ばれたものの、賛否両論を生む理由がある。万人には勧めにくいものの、重要な議題を与えてくれる一作であった。



    監督と「フランキー・ダン」役には、「ルーキー」「ミスティック・リバー」のクリント・イーストウッド。「マギー・フィッツジェラルド」役には、「ボーイズ・ドント・クライ」のヒラリー・スワンク。「エディ・"スクラップ・アイアン"・デュプリス」役には、「ショーシャンクの空に」のモーガン・フリーマン。「デンジャー・バーチ」役には、「あの頃ペニー・レインと」のジェイ・バルチェル。「ショーレル・ベリー」役には、「セレブの種」のアンソニー・マッキー。「ビッグ・ウィリー」役には、マイク・コルター。

    "Beyond his silence, there is a past. Beyond her dreams, there is a feeling.
     Beyond hope, there is a memory. Beyond their journey, there is a love. "
    「フランキー・ダン」は、ロサンゼルスにある古びた小さなボクシング・ジムを経営している。かつては優秀なカットマン(止血係)であった彼の指導方針は、ビッグ・タイトル獲得を焦らず、慎重かつ保守的であるため、才能に溢れる若きボクサーは皆、彼の元を去ってしまう。実娘「ケイティ」とも連絡が付かず、「フランキー」は孤独な日々を送った。31歳の女性「マギー」がこのジムに押しかけてきたのは、「フランキー」が手塩にかけて育てた「ビッグ・ウィリー」が彼に別れを告げた頃だった。不遇の人生を歩んできた「マギー」は、自身のボクシングの才能に望みを託している。そんな彼女に「フランキー」は見向きもせず、女性ボクサーは取らない、という台詞を繰り返すばかりだ。「マギー」はそれでも折れず、毎日のようにジムへと脚を運ぶ。そんな彼女の姿を見守っていた「フランキー」の親友であり、ジムの雑用係である元ボクサー「エディ」は、「マギー」の将来性を感じ、「フランキー」を説得にかかるのであった…。


      2003年の「ミスティック・リバー」と同様、監督と音楽を兼務し、「フランキー・ダン」役にて主演にも挑んだクリント・イーストウッドの意欲作。2004年に開催された第77回アカデミー賞では7部門のノミネートを受けた。不遇にも、この授賞式では11部門のノミネートを受けたマーティン・スコセッシの「アビエイター」と角を突き合わせる格好となったが、作品賞、主演女優賞、助演男優賞、監督賞と主要4部門でオスカー像を勝ち取った。意外にも、助演男優賞ノミネートでは常連のモーガン・フリーマンは、この作品で初めて最優秀賞を獲得している。

      感情表現や人間関係に滅法不器用な「フランキー」は、人を思い遣る深い心があるにも関わらず、それが上手く相手に伝わらない。どれだけ大切にボクサーを育てても、皆、彼の真意を量りかね、我慢を強いられていると思い込み、去っていってしまう。それは実の娘の「ケイティ」も同じだ。「マギー」を巡る人生は不遇の極みであった。貧しい家庭に育ち、自分を唯一可愛がってくれた父親の死後は、強欲非道な母親や兄弟に囲まれて育った。彼女はそんな家族に対しても愛情を抱え、幼少からウェイトレスで生計を立て、自分の存在意義をボクシングに見出してきた。私は、哀歓を語らせれば、クリント・イーストウッドの右に並ぶ監督はそういないと思っているが、本作では「フランキー」と「マギー」の少し性格の異なる"孤独"が、互いの出会いを以って、光を差し込んでいく語り口が最高に美しいと思った。

      慎重で保守的な「フランキー」と、ハングリーで好戦的な「マギー」という対極の人間が"孤独"という唯一の共通点によって理解を深め、相手を尊重していく。互いの頑固な信念がぶつかりあっている内はヒヤヒヤとするが、それを上手く噛み合わせていくのが「エディ」だ。もちつもたれつ3人の人間が絡み合いながら、ある意味では「マギー」が強引に「フランキー」と「エディ」を牽引しながら、物語は輝かしい予感を振り撒き、また微笑ましく展開していく。もうこのまま光を観て作品がエピローグを向かえてもいい。そう思えるほど、寡黙でありながら、彼らの人格や彼らの抱える"孤独"がありありと映像に表れているのだ。

      しかしながら、伝統ある栄誉を与えられ、こうした非常に精巧なヒューマン・ドラマを讃えていながらも、本作には賛否両論が尽きない。その理由は、作品の核心に触るものであるために言及を避けるが、倫理学上では注意深く語られるべきであるテーマを、あまりに唐突かつ大胆に表現してしまっているからだ。それなりに予兆はあるものの、絶望が一気に噴出する。ある者が口にすること、ある者がとった行動、例えば自分が「フランキー」だったら、「エディ」だったら、「マギー」だったら、思わず深慮に耽ってしまうような憂鬱がある。私は、誰の考えも、誰の行動も、何が間違っていて何が正しいかを語ることができない。それは、自分の人生の中で、彼らのいづれの立場にも置かれたことがないためだろうか。きっと、あの"レモンパイ"の味は、当人にしか分からない。

      観る者の経験、生き方によって、本作が語るメッセージの解釈や心象は異なるかもしれず、敢えて万人に勧めることのできる作品ではないと言っておきたい。とはいえ、手抜きのない、丁寧で繊細なヒューマン・ドラマを体感でき、クリント・イーストウッドの持ち味が十二分に発揮されているといえよう。語り口も美しい。自身が本作に登場するいづれかの立場に置かれたとき、何を考え、どう行動するだろうか。心に重いが、重要な議題を与えてくれる作品だ。

    ● 製作代表 : Warner Bros. Pictures
    ● 日本配給 : MOVIE-EYE/松竹
    ● 世界公開 : 2004年12月15日 - アメリカ
    ● 日本公開 : 2005年05月28日
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    by movis | 2009-01-27 00:21 | ドラマ
    コールドマウンテン / COLD MOUNTAIN
    ● コールドマウンテン / COLD MOUNTAIN [2004年]

    b0055200_17373357.jpg「たった1つの地名。本当の地名でもないのに胸が痛くなる。彼女がいるから。だから、あそこに帰りたい…。」情景描写は文句の付け様がないほど美しい。ストーリーも自分好みで、要所要所で胸が熱くなった。しかし、不満として残る点もないわけじゃなくて…。



    監督は「イングリッシュ・ペイシェント」や「リプリー」で知られる、アンソニー・ミンゲラ。主人公「インマン」役には、新作「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」で製作、出演し、「スターリングラード」「A.I.」にも出演したジュード・ロウ。「エイダ・モンロー」役には、言わずと知れた大女優ニコール・キッドマン。また、「ルビー役」レニー・ゼルウィガー、「セーラ役」ナタリー・ポートマンと、第一線で活躍する俳優陣も出演。

    "Find your way home"
    時は、南北戦争末期の1864年。南軍の兵士として戦場に狩り出された「インマン」は、故郷コールドマウンテンと、そこに街から移り住んで来た牧師の娘、「エイダ」のことが忘れられずに、重罪を覚悟で脱走する。一方で「エイダ」も「インマン」のことが忘れられずに、悶々とした日々を送くり、碌に生計も立てられない状況に追い込まれる。こうして、2人の長く切ない日々が幕を開けた…。

    まず第一声として、自然を背景にした描写はお見事。「イングリッシュ・ペイメント」でも同じことが言えるが、ミンゲラ監督の「魅せる」腕は流石だ。強引な「インマン」「エイダ」の思い惹かれるシーンから幕を開けるものの、「インマン」の「エイダ」を一貫して思い続ける気持ちには格好良さを感じる。

    ただ、不満な点を挙げるとすれば、単刀直入に長い。中盤シーンはダラダラと続き、色んな方の感想で見かける「眠ってしまった」は頷ける。そして、何よりも終盤の重要なシーンでは観賞者の期待を大きく裏切る盛り上がりの無さ。これには興ざめだ。「インマン」と「エイダ」の人柄をもう少し視覚的に観て、理解が易いシーンをもっと盛り込んで欲しかった。

    一方で、街娘「エイダ」に農村での生きる術を説く「ルビー」に扮するレニー・ゼルウィガー、また、「インマン」と出会う「セーラ」に扮するナタリー・ポートマン両者の演技力には脱帽だ。人や動物が冷徹に殺されていくシーンが続く中で、「インマン」「エイダ」が出会っていく人の温かみ、優しさが心に心地良く感じられた点も良かった。ストーリー自体に大きなカラクリがあるわけではないが、自分としてはこういう作品は決して嫌いではない。

    ● DVD

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    by movis | 2004-11-07 18:00 | ラブ / ロマンス