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    タグ:□ 犯罪 / ギャング ( 13 ) タグの人気記事
    トラフィック / Traffic
    ● トラフィック / Traffic [アメリカ / 2000年]

    b0055200_265633.jpgアメリカ、メキシコの巨大な麻薬カルテルをみつめる、色の異なる3つのストーリー。麻薬が生み出す圧倒的な絶望感。綺麗事だけではどうにもならないこともある、と言われた気がするが、その答えを明示してもらえない。希望を探すこと。社会派として貴重な一作だった。



    監督は、「エリン・ブロコビッチ」のスティーヴン・ソダーバーグ。「ロバート・ウェークフィールド」役には、「ウォール街」のマイケル・ダグラス。「ヘレーナ・アヤラ」役には、「シカゴ」のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。「ハビエル・ロドリゲス」役には、「バスキア」のベニシオ・デル・トロ。「モンテル・ゴードン」役には、「ホテル・ルワンダ」のドン・チードル。「レイ・カストロ」役には、ルイス・ガスマン。「マノーロ・サンチェス」役には、ジェイコブ・バルガス。「カルロス・アヤラ」役には、スティーヴン・バウアー。「キャロライン・ウェークフィールド」役には、エリカ・クリステンセン。「アーニー・メッツガー」役には、「バンテージ・ポイント」のデニス・クエイド。

    "No One Gets Away Clean"
    メキシコ、ティファナ。国境警備を担当するメキシコ州警察「ハビエル」と「マノーロ」は、情報屋の垂れ込みをもとに麻薬の密輸を暴くものの、連邦警察「サラサール」将軍に容疑者の身柄を奪われてしまう。「ハビエル」の腕を認めた「サラサール」は彼を呼び出し、ティファナに根付く巨大な麻薬密輸ルートを壊滅させるために、ある任務を課すのであった。アメリカ、オハイオ。麻薬取締最高責任者に任命されたオハイオ州の最高裁判所判事「ロバート」は、新たに与えられた職務に昂揚した。しかし、彼が立ち向かうべき麻薬は、皮肉にも娘の「キャロライン」に魔の手を伸ばしていたのでった。アメリカ、サンディエゴ。子を宿し、幸せな生活を送っていた「ヘレーナ」であったが、突然、実業家の夫「カルロス」が麻薬取締局(DEA)捜査官「モンテル」と「レイ」に逮捕されてしまう。呆然とする「ヘレーナ」に、顧問弁護士「アーニー」は驚くべき事実を告げて…。


      社会派やドキュメンタリーにも通じるスティーブン・ソダーバーグは、本作で2000年アカデミー賞監督賞を受賞した。アメリカ・メキシコをまたがって蔓延る巨大な麻薬カルテルに焦点を当てた犯罪ドラマ。同年、ソダーバーグは「エリン・ブロコビッチ」を製作しているが、雰囲気が異なる両作品は、社会の諸問題を鋭くえぐっている点で共通している。

      アメリカ、メキシコに蔓延る"麻薬"という闇をテーマを直視している。フィクションであるとはいえ、麻薬の脅威や恐怖が映像を生々しく這い回り、絶望を誘う。非常に濃厚な麻薬戦争を舞台としながらも、抑揚は小さく、物語は情をはさむ余地もないほどに淡々と進んでいく。むしろ、この性格があるからこそ、テーマが現実的、日常的に体感できる。雲の上の話とも他人事とも思えず、世界観に惹きこませる演出が巧い。観る者を"その気"にさせる本作の引力は、ひとつのテーマを異なる環境、異なる人間がみつめる群像劇から生まれているように思える。

      物語を牽引していく「ロバート」、「ハビエル」、「モンテル」らだけでなく、彼らの家族、恋人、同僚の存在感も鮮やかであった。それぞれの生活が、赤、青、黄色と映像の色相が描き分けられている点も本作の特徴で、それぞれが異色の憂鬱と決意を秘めている。この三原色が混ざり合ってきたころには、ようやく明示的な解決策がないこと、愛や勇気だけではどうにもならないことを実感しはじめる。次第に、正義と悪の境界が滲み始め、正気を失いそうな不安に陥ってしまう。冒頭で述べた本作の絶望とは、まさにここに潜んでいる。

      ドキュメンタリーを観たかのようで、脱力感を得て、そして淡白だったという思いも禁じえないのであるが、一見の価値を強く主張しておきたい。ソダーバーグはエピローグのその後を観賞者の解釈に委ねているが、かろうじて「ハビエル」に希望を託しているようにも思える。彼の曇りのない眼差しの先には、おそらく後悔はない。信念という言葉に力強さ、頼もしさが帯びるような作品であった。

    ● 製作代表 : Bedford Falls Productions
    ● 日本配給 : 日本ヘラルド映画
    ● 世界公開 : 2000年12月27日 - アメリカ
    ● 日本公開 : 2001年04月28日
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    by movis | 2008-09-08 02:18 | ドラマ
    サブウェイ・パニック / The Taking of Pelham One Two Three
    ● サブウェイ・パニック / The Taking of Pelham One Two Three [アメリカ / 1974年]

    b0055200_132222.jpg地下鉄がハイジャックされる、という現実味を捨てきっていない日常的な世界観。派手な作品ではないが、シンプルで、アイデアは緊張感を帯びていて、ウィットに飛んだジョークを湛えた、シックなサスペンス。ウォルター・マッソーとロバート・ショウの熱演にも注目。



    監督は、「地球爆破作戦」「白熱」のジョセフ・サージェント。「ザカリー・ガーバー」役には、「恋人よ帰れ!わが胸に」のウォルター・マッソー。「ブルー/バーナード・ライダー」役には、「スティング」「JAWS/ジョーズ」のロバート・ショウ。「グリーン/ハロルド・ロングマン」役には、「サイコ」「ティファニーで朝食を」のマーティン・バルサム。「グレー/ジョー・ウェルカム」役には、「プリティ・ウーマン」「コレラの時代の愛」のヘクター・エリゾンド。「ブラウン/ジョージ・スティーヴァー」役には、アール・ヒンドマン。「フランク・コレル」役には、ディック・オニール。「デニー・ドイル」役には、ジェームズ・ブロデリック。「リコ・パトローネ」役には、ジェリー・スティラー。

    "Everyone read it. Now you can live it."
    ニューヨーク、地下鉄ペラム駅。人々の乗降を待つ123号に、帽子、眼鏡、コートという着衣にヒゲをたくわえた中年男性が乗り込む。この地下鉄が駅に停車するたび、彼と似たような風貌の男性が乗り込んできた。4番目に乗り込んできた「ブルー」と呼ばれる男は、おもむろに拳銃を運転手に向けたのであった。ニューヨーク地下鉄公安局の警部補「ザカリー・ガーバー」は、東京を走る地下鉄会社の重役たちの応対に追われていた。その折、59丁目南行きの123号がハイジャックされ、乗客が人質にとられたことを知る。100万ドルの身代金を用意すること、期限以降は1分毎に人質を射殺すること。犯行グループの条件を聞いた「ガーバー」は…。


      アメリカ出身の作家ジョン・ゴーディによる同名ベストセラー作品を、役者としても活躍したジョセフ・サージェントが映画化。「マイ・ボディガード」や「デジャヴ」のトニー・スコットとデンゼル・ワシントンのコンビで、同作品のリメイクが計画されている。ウォルター・マッソーとロバート・ショウを主演に迎え、質朴ではあるが、シックでユニークなサスペンスに仕立て上げた。

      作品は、きわめてシンプルである。ペラム駅を発った地下鉄は、あれよあれよとハイジャックされてしまう。この手の作品によく描かれる、派手な銃撃戦や難解巧妙な伏線は見受けられない。犯行グループと公安当局の二極化が本作をわかりやすくさせている。そして、閉鎖感が溢れている。奪われた地下鉄には非常灯が細々と照っているだけであるし、公安本部には無秩序に通信機が置かれ、職員の往来が激しい。そういった意味では、あまり現実離れしていない世界観というのはひとつ大きな魅力である。本作のロケは、実際にニューヨークの地下鉄で実施されたが、模倣犯行防止のため、ハイジャック対策の保険がかけられたという。

      質朴とも思える、こうした雰囲気でありながらも、客観を貫き、シリアスを排除しているからおもしろい。物語は公安と犯行グループを中心に、人質や地下鉄職員などの視点も描かれているものの、善悪の主張はなく、対等に描かれている。それぞれの視点にもさまざまな人間がいて、感情移入を容易に許さないため、公安と犯行グループの知恵比べを安心して楽しむことができる。本作の緊張感は、彼らの交渉の模様と、犯行グループがいかにして閉鎖空間を脱するかにある。シンプルな作品だという印象が強く残るものの、実はプロットは緻密に構成されている。

      そして、ウィットに飛んだジョークもかかせない。物語のシンプルさ、緊張感を与えるアイデア、そしてこのジョークがスパイスとして効いて、シックな作品に仕上がった。例えば、至近の作品として「スティング」と比較すると、派手さには欠けるけれども、娯楽作としてもサスペンスとしても立派に機能している。安定したバランス感覚を保って、作品が描かれているからこそ、エピローグも許せてしまうのだ。

    ● 製作代表 : Palladium Productions
    ● 日本配給 : United Artists
    ● 世界公開 : 1974年10月02日 - アメリカ
    ● 日本公開 : 1975年02月??日
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    by movis | 2008-06-08 01:36 | サスペンス / ミステリー
    ヒットマン / HITMAN
    ● ヒットマン / HITMAN [アメリカ / 2007年 / PG-12]

    b0055200_4151559.jpg同タイトルの"ステルス"ゲームの実写化に新鋭監督ザヴィエ・ジャンが挑む。ゲームを知らないために、ディテールが把握しづらかった。だが、迫力あるアクション、スピーディな展開、スタイリッシュな映像が魅力で、かつ手ごろな観賞が可能な作品である。



    監督は、ザヴィエ・ジャン。「エージェント"47"」役には、「ダイ・ハード4.0」のティモシー・オリファント。「ニカ・ボローニナ」役には、オルガ・キュリレンコ。「マイク・ホイッティア」役には、「ディープ・インパクト」のダグレイ・スコット。「ユーリ・マルコフ」役には、「ホステージ」のロバート・ネッパー。「ミカイル・ベリコフ」役には、ウルリク・トムセン。

    "彼女の涙が 彼の閉ざされた心を開く"
    手段は選ばず、着実に標的を始末していく。「エージェント"47"」は、クライアントの要求に応えるため、身寄りのない子供たちを暗殺者として訓練する組織の一員であり、彼の才能は他を圧倒した。次なる標的は、ロシアの大統領「ミカイル・ベリコフ」である。クライアントの要求が早まり、計画は前倒しとなった。リスクが高い局面での任務であったが、「エージェント"47"」の放った弾丸は、「ベリコフ」の頭を貫く。彼の仕事は完璧だった。しかし、組織から送られてきた報告は耳を疑うものであった。射殺したはずの「ベリコフ」の生存、そして彼の犯行を目撃した者の存在…。


      イギリスのゲームソフト・メーカーであるアイドスが販売する、同タイトル・ゲームの映像化作品。日本国内向けのゲームではコナミの"メタルギア"シリーズが代表であるように、潜入や隠密行動など、いかに敵を避けて目的を達成できるかが主旨となる"ステルス"というジャンルに挙げられるゲームである。これまでにシリーズ4作品が発売され、PCやPlayStation2やXboxなどのプラットフォームに対応している。

      一応に、作品中でもベースがゲームにある旨の前書きがあるが、それがどういったゲーム、ストーリーであるのかという前提知識がなくとも楽しめる手堅いアクション作品であった。迫力のあるアクション・シーンと「エージェント"47"」にまつわる陰謀を含みながら、スピーディかつテンポよく展開していく。「ボーン・アイデンティティー」を初作とする"ジェイソン・ボーン"シリーズにも似て、主人公の他を圧倒とする強さと頼もしさが魅力である。東欧が舞台であるものの、近未来を感じるようなファジーな世界観が醸成されていて、映像はスタイリッシュだ。フランス人監督、ザヴィエ・ジャンの名前は本作で初めて耳にしたのであるが、新鋭というならば評価されて然るべき出来であると思う。

      ゲーム発の映像作品といえば、本作と同じくアイドス社が制作した「トゥームレイダー」やカプコン社の「バイオハザード」などが真っ先に蘇るが、ゲームを楽しんだ者とそうでない者では、観賞前の心構えには大きく差があるに違いない。ゲームよりコアなストーリーを期待してガッカリという状況も少なくないだろうが、両作品はテーマと世界観が明確、独特であるので、少なくともこの2大要素だけを映像に移植すれば、ゲームを知らない者にも受け入れられる寛容さを持つことができた。

      ところが、本作が難しいのは、ゲームがユニークでセンセーショナルであっても、映画としては、前述"ジェイソン・ボーン"シリーズなどのように、雰囲気やモチーフが似た作品が多いという点にある。ここで、ゲームならではの突出したテーマや世界観が発揮されれば良かったが、アイデア自体も特別新しいものではなかった。おそらく、本作はゲームのプレイヤーも、そうでない者も、両方を楽しませようとしている。しかしながら、説明臭さを排除し、作品の説得を映像や出演者の演技に頼ってしまったがために、ゲームを知らない者にはディテールが分かりにくい。続編の有無は別にしても、本作だけに限れば釈然とせず、納得しきれないというのが本音である。

      そうとは言え、この手の作品には相性が良さそうなヴィン・ディーゼルが製作総指揮に回っていたり、2008年公開の"007"シリーズ作品でボンド・ガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコが主演女優を果たしていたり、と話題性に飛んだ出演者が豊富である。アクションシーンの迫力もなかなかであるし、上映時間もコンパクトであるので、手ごろな観賞が可能な作品だ。

    ● 製作代表 : Twentieth Century-Fox Film Corporation
    ● 日本配給 : 20th Century Fox
    ● 世界公開 : 2007年11月21日 - アメリカ/エジプト/カナダ/フィリピン/プエルトリコ
    ● 日本公開 : 2008年04月12日
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    by movis | 2008-04-26 04:21 | アクション
    フィクサー / MICHAEL CLAYTON
    ● フィクサー / MICHAEL CLAYTON [アメリカ / 2007年]

    b0055200_2302270.jpg社会派要素を含みながら、正統で、静かで、シックにサスペンスを魅せてくれる作品。常に映像から伝わる事実を整理して理解しなければならず、易しい作品とは言えないが、駆け引きは非常に緊張感がある。観る人を選ぶ作品だと思うが、私にとっては傑作であった。



    監督は、"ジェイソン・ボーン"シリーズで脚本に携わってきたトニー・ギルロイ。製作総指揮には、"オーシャンズ"シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ、「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ、ジェームズ・ホルト。製作総指揮と「マイケル・クレイトン」役には、ジョージ・クルーニー。製作と「マーティ・バック」役には、シドニー・ポラック。「アーサー・イーデンス」役には、「バットマン ビギンズ」のトム・ウィルキンソン。「カレン・クラウダー」役には、「コンスタンティン」のティルダ・スウィントン。

    "The Truth Can Be Adjusted"
    在職15年を経ても昇格の機会を見失い、従兄弟の「ティミー」が積んだ8万ドルの借金を肩代わりしなければならない。公私に苦悩を抱えた「マイケル・クレイトン」は、ニューヨークに社を構える大手法律事務所"ケナー・バック & レディーン"に所属するフィクサーであった。「クレイトン」の同僚である敏腕弁護士「アーサー」は、農薬メーカー"U.North"が抱える3,000億円の集団訴訟を担当していた。しかし、突然、彼の精神が倒錯してしまう。騒然とする事態を重くみた事務所の経営者「マーティ」は、「アーサー」の元へ「クレイトン」を送り込むのであったが…。


      "ジェイソン・ボーン"シリーズのトニー・ギルロイを筆頭に、スティーヴン・ソダーバーグ、ジェームズ・ホルト、アンソニー・ミンゲラら敏腕クリエーターが名を連ねる。また、製作総指揮には「マイケル・クレイトン」役のジョージ・クルーニー、製作には「マーティ・バック」役のシドニー・ポラックが参加している。両名の演技力と製作能力に対する高い評価は、今に始まったことではないけれども、本作もまた、彼らの多彩な才能が如何なく発揮されている作品のひとつといえる。2007年度、第80回アカデミー賞では7部門でノミネートを受けた。監督賞、作品賞、助演男優賞では、同年ノミネート作品の「ノーカントリー」にオスカーを奪われた形となったが、助演女優賞には「カレン・クラウダー」役で出演した、ティルダ・スウィルトンが選ばれた。

      3,000億円をかけた集団訴訟、事件に影を潜める陰謀と"フィクサー"の存在、作品は社会派要素とサスペンス要素を含んでいるものの、「エリン・ブロコビッチ」や「インサイダー」などの社会派作品が比較対象にならないのは、陰謀を真っ向から捉えた、極めて正統で、サスペンスを重んじた作品だからである。そうとは言え、やや分かりにくい作品であることは間違いない。プロットや登場人物の設定が精巧を誇っているが、映像から得た事実の整理と理解を繰り返していかなければ、一気に距離を置かれてしまう。漫然と「マイケル・クレイトン」の姿を追うだけでは、陰謀の実体ですら見過ごしてしまうかもしれぬ危うさを秘めている。しかし、これは物語の軸が見えてくれば、非常に緊張感、逼迫感のあるサスペンスを楽しめる、ということの裏返しだ。

      さて、ストーリー上では補助的ではあるものの、「クレイトン」の私生活に対する苦悩というのも見所のひとつである。"フィクサー"という影のある職務を遂行しながらも、決して人間を超越しているわけではない。そして、人間らしさが生々しく描かれている、という点は「クレイトン」にだけ当てはまるわけではない。「アーサー」が精神を倒錯させてしまう由縁というものも、きわめて人間的である。そういった意味では「カレン・クラウダー」を演じたティルダ・スウィルトンがオスカーを勝ち取った理由というのも、勝ち気なビジネス・ウーマンであっても精神的に非凡ではない、という人間味を表現していたからではないか、と思う。物語のステージは雲の上であるものの、駆け引きを織り成す人間そのものは、共感を誘うレベルまで緻密に描かれていた。

      かくいう私は、持ちうる頭をできるだけ使ったことが功を奏したか、作品を楽しめた口である。本作はサスペンスの傑作のひとつであると思う。ただ、観る人は選ぶだろう。大きな陰謀に対してのリアクションが、あまりに静かで、シックであるからだ。だからこそ、余韻がいつまでも頭を捕らえている。エピローグの「マイケル・クレイトン」は、目で何を捉え、頭で何を思うのか。

    ● 製作代表 : Samuels Media
    ● 日本配給 : MOVIE-EYE
    ● 世界公開 : 2007年8月31日 - イタリア(第64回ヴェネチア国際映画祭)
    ● 日本公開 : 2008年4月12日
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    by movis | 2008-04-20 23:04 | サスペンス / ミステリー
    ノーカントリー / NO COUNTRY FOR OLD MAN
    ● ノーカントリー / NO COUNTRY FOR OLD MAN [アメリカ / 2008年 / R-15]

    b0055200_13252763.jpgアカデミー賞主要4部門の受賞と、非常に高い評価を受けた。その中の助演男優賞を受賞したハビエル・バルデムが演じる「シガー」の異様さや異常さが抜群に際立った。変化する人間そのもの、老いていくこと、そして宛のない憂鬱が非常に美しく描かれた文学的な作品だ。



    監督は、「ブラッド・シンプル」「ファーゴ」などを通して"コーエン兄弟"と呼ばれるジョエル・コーエンとイーサン・コーエン。原作は、コーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』。「エド・トム・ベル」役には、「逃亡者」「告発のとき」のトミー・リー・ジョーンズ。「アントン・シガー」役には、「海を飛ぶ夢」のハビエル・バルデム。「ルウェリン・モス」役には、「イントゥ・ザ・ブルー」「アメリカン・ギャングスター」のジョシュ・ブローリン。「カーソン・ウェルズ」役には、「ハード・プレイ」「ラリー・フリント」のウディ・ハレルソン。「カーラ・ジーン・モス」役には、「ネバーランド」のケリー・マクドナルド。

    "You've never been anywhere like No Country"
    1980年代、アメリカはテキサス。メキシコ国境にほど近い荒野で、ベトナム戦争帰還兵「モス」はモーゼル98に装着したユナートルのスコープを羚羊の群れに向けた。弾丸は土埃を舞い上げただけだった。平地を横断する「モス」は、ダメージを負った数台のピックアップトラックと死体の山に行き当たる。凄惨な光景の中で、大量のヘロインと200万ドルが入った鞄を発見する。不穏な予感を得ながらも、「モス」は現金を手にしてしまう。その瞬間から、酸素ボンベを改造した不気味な武器を従える、殺し屋の影がつきまう。翌朝、例の現場に「モス」のトラックを視止めた保安官「エド・トム・ベル」と部下「ウェンデル」。彼らは、やがて遭遇する事の顛末を知る由もなく…。


      2007年、第80回アカデミー賞では8部門でノミネートを受け、作品賞、ハビエル・バルデムの助演男優賞、"コーエン兄弟"の監督賞、脚本賞と4部門でオスカーを勝ち取った。"サスペンス"や"ヴァイオレンス・ドラマ"などという宣伝文句が謳われているものの、哀愁が漂い、文学的で、極めて寡黙な作品であった。埃っぽい荒野の描写がよく似合う。

      助演男優賞の受賞が証明している通り、ハビエル・バルデム演じる「アントン・シガー」の存在感が突出している。「アントン・シガー」というキャラクターは、とかく不気味で実態が掴みにくい。人間味が排除されており、理解を超越した存在感がある。酸素ボンベによく似た未知の武器を従えて、観る者にも高圧的なプレッシャーを寄せてくる。

      コーマック・マッカーシーによる原作『血と暴力の国』は、本作の観賞後に読了したが、"コーエン兄弟"の映像は、変更点が数点あるとはいえ、なかなか高精な再現度を誇っていた。この作品は、「モス」と「シガー」、そして2人を追う「エド」と、大きく2つの視点から成立している。前者は粗放的である。「モス」は、恐怖や狂気の象徴ともいえる「シガー」を見捉え、対峙していく。彼らの対決は感情移入を許さない。観る者は、冷や冷やとしながらも、事の展開をただ眺めざるを得ない。転じて、後者は親和的である。「エド」は、事件を通して、憂鬱を隠せない。保安官という立場がかろうじて、彼を支えている。物語の核心は、この「エド」の視点にある。

      「エド」の憂鬱とは、"No Country For Old Men"である。刻々と変化する社会や人間を受け入れる必要に迫られていて、「昔は良かった」と懐古するだけでは安住できない。未知なる狂気や価値観に対しては、自身が刻んだ人生を掲げるしかない。物語の背景は、凶悪犯罪が多発した80年代に向けられたものだが、どの時代においても、老いていく過程で過去を想い、変化を受け入れなければならないという憂鬱は同じだろうか。

      おどろおどろしいサイコ・スリラーを先入観にさせる本作であるが、実体は一貫された哀愁が際立つ秀逸なドラマであった。エピローグの「エド」の語りが清い。牛角の中に灯した月の色の火は、さぞかし美しかったのだろう。

    ● 製作 : Paramount Vantage
    ● 配給 : Paramount Japan / Showgate
    ● 公開 : 2007年5月19日 - フランス(第60回カンヌ国際映画祭)
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    by movis | 2008-04-05 13:39 | ドラマ
    続・激突!/カージャック / The Sugarland Express
    ● 続・激突!/カージャック / The Sugarland Express [アメリカ / 1974年]

    b0055200_1851933.jpgスティーヴン・スピルバーグの劇場デビュー作品。1969年、テキサスにおいての実話に基づいて製作されたドラマ。子供を、夫を、ただ純粋に愛した女性の行く末がおかしくも切なく描かれている。しかし、邦題が作品のイメージをミスリードしている点は否めず…。



    監督は、"インディ・ジョーンズ"シリーズのスティーヴン・スピルバーグ。「ルー・ジーン・ポプリン」役には、「サボテンの花」のゴールディ・ホーン。「クロヴィス・マイケル・ポプリン」役には、「ダイ・ハード」「ペリカン文書」のウィリアム・アザートン。「ハーリン・タナー」役には、「ワイルドバンチ」「シェーン」のベン・ジョンソン。「マックスウェル・スライド」役には、マイケル・サックス。

    "The true story of a girl who took on all of Texas...and almost won."
    テキサスのとある田舎道にバスが停まる。両手に大きな荷物を抱えた若い女性が降り立った。「ルー・ジーン」が向かった先は、囚人の訓練施設であった。手荷物検査を終えた彼女は、夫「クロヴィス」の元へと駆け寄る。彼らには、幼い息子がいた。ところが、裁判所の命令で養育権が取り上げられてしまった。「ルー・ジーン」は、息子を取り戻すべく「クロヴィス」に助けを求めにきたのだ。あと4ヶ月で出所できる、と思い悩む「クロヴィス」であったが、「ルー・ジーン」に押し切られてしまい、脱獄を決行。息子が保護されているシュガーランドまでの長い旅が始まった…。


      1969年、テキサスで実際に起きた出来事を基に製作された本作は、「激突!」で知名度を高めたスティーヴン・スピルバーグの劇場デビュー作品である。若い夫婦が息子を取り戻すために行動を起こしていくさまを、コメディや犯罪性を含めて描いたドラマであった。

      「ルー・ジーン」演じた、ゴールディ・ホーンの演技力が見所のひとつ。"若さ故に"と片付けるには言葉足りぬ傍若無人だが無邪気な振る舞い、何をしてでも子供を取り返したいと強く願う心、そして夫への愛情。一風変わった女性をホーンはニュートラルに演じきった。「ルー・ジーン」の夫「クロヴィス」も然ることながら、「タナー」や「スライド」の存在感も大きい。警察の立場として、「ポプリン」夫婦を放ってはおけぬが、理解もある。本来は相容れないはずの人間たちが紆余曲折を経て、親近感を抱いていく様が非常に切ない。カントリーサイドの風景も作品に哀愁を添える。シュガーランドを目指して直走る。センチメンタルを誘う、美しいロードムービーともいえる。朗らかなプロローグから胸がつまるようなエピローグへの遷移が絶妙のバランス感覚を誇っていた。

      しかし、何に増しても邦題が頂けぬ。何百というパトカーに追われて、カーチェイスの様相を呈しているものの、その意味合いは「激突!」とはまったく異なる。少なからず"続"を期待していただけに、ガッカリであったというのも正直な胸の内である。作品への印象はタイトルによるところも大きいということを、改めて思い知る。スピルバーグが劇場デビューを果たした本作はもっと伝えられて然るべきだと思うからだ。

    ● 製作 : Zanuck/Brown Productions
    ● 配給 : Universal Pictures/Cinema International Corporation
    ● 公開 : 1974年3月31日 - アメリカ
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    by movis | 2008-02-16 18:11 | ドラマ
    スティング / The Sting
    ● スティング / The Sting [アメリカ / 1974年]

    b0055200_1311068.jpg『古き良き』という言葉は、こういう作品のためにあるのではないか、と思ってしまうコメディ映画の名作。ロバート・レッドフォードとポール・ニューマンの駆け引きも然ることながら、脇を固める俳優たちの演技も憎いまでに個性的。まるで隙が見当たらない…。



    監督は、「明日に向かって撃て!」「ガープの世界」のジョージ・ロイ・ヒル。「ジョニー・フッカー」役には、「明日に向かって撃て!」「コンドル」のロバート・レッドフォード。「ヘンリー・ゴンドルフ」役には、「明日に向かって撃て!」「タワーリング・インフェルノ」のポール・ニューマン。「ドイル・ロネガン」役には、「わが命つきるとも」「JAWS/ジョーズ」のロバート・ショウ。「ウィリアム・スナイダー」役には、「メル・ブルックスの大脱走」のチャールズ・ダーニング。

    "...all it takes is a little Confidence."
    実に巧妙な手口であった。スリをとめてくれ、と叫ぶ初老の黒人男性は脚に傷を負っていた。スリは捕まるものか、と全力で駆けていた。通りがかりの白人の青年はスリを思いきり突き飛ばした。「モットーラ」は、疑う余地すら与えてもらえなかったのである。「フッカー」と「ルーサー」は笑いがとまらなかった。掴んではいけない金であることを、その時はまだ知らなかったのだから…。


      迫力の映像技術や、芯に轟く音響技術がふんだんに盛り込まれた映画を見慣れてしまっている。クラシカルな作品には先を急がぬ余裕があるが、それが冗長だと感じてしまう。映画に"軽快さ"を求めてしまったがゆえに、こうした作品の観賞にはちょっとした覚悟が必要だったのである。

      この「スティング」という作品は、と言うと、たまたまDVDパッケージのイラストに惹かれて、いわゆる「ジャケ借り」で観賞に至ったわけだが、これが非常に楽しかった。まるでコントのような登場人物のやり取りも然り、騙し騙されの"イカサマ"がテーマパークのアトラクションのように機能しているのである。誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、スコット・ジョプリン作曲、マーヴィン・ハムリッシュ指揮の"THE ENTERTAINER"や"EASY WINNERS"といった楽曲も加わって、ワクワクするようなシーンに事欠かなかった。

      楽しいばかりではない。人間の喜怒哀楽たるものが、すべて表現されていた。感情を二転三転と揺さぶられるような作品には、なかなか巡り合えないものである。さらに驚きは、コメディ、アクション、サスペンス、ドラマと、作品をどのジャンルと捉えるべきかに頭を悩ませる点である。作品を盛り立てるために様々な映画要素が用いられている。だから、おもしろい。その"ごった煮"は絶品であった。緻密で隙のない脚本という名のレシピは、何度推敲されたかも知れぬ。

      折りしも、某航空会社の機内誌の1月号には、映画評論家である森山京子さんによるロバート・レッドフォードのインタビュー記事が掲載されていた。彼の監督としての、インデペンデント作品に対するこだわりが記事の主であり、彼の前衛的な姿勢を読みとることができた。ロバート・レッドフォードの哲学たるもの、この「スティング」も少なからず影響を与えているに違いない。しかし、彼は至極、無邪気であった。これは、ポール・ニューマンやロバート・ショウも同じだ。「フッカー」と「ゴンドルフ」が出会うシーンこそ、個人的な一番のお気に入りなのだが、俳優たちが楽しんで演技をしている様が、目に見て分かるのであった。

      とかく、覚悟の必要はない作品であった。古き良き、という言葉がまさに至言である。おそらく、この味はこの時代の作品でしか味わえぬ。少なくとも「スティング」は、観る人の時代を選ばない、歓待、寛大な性格の作品であった。

    ● 製作 : Zanuck/Brown Productions, Universal Pictures
    ● 配給 : Cinema International Corporation
    ● 公開 : 1973年12月25日 - アメリカ(プレミア)
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    by movis | 2008-02-02 13:14 | コメディ
    チャプター27 / Chapter 27
    ● チャプター27 / Chapter 27 [カナダ / アメリカ / 2007年]

    b0055200_09588.jpgジョン・レノンはなぜ殺されたのか。チャップマンの生い立ちなどには触れず、件までの3日間が淡々とした語り口で描かれている。突起するような盛り上がりはないが、油断すると狂気に取り込まれてしまいそうな影響力がある。この作品は、なかなか怖い。



    監督は、J・P・シェファー。「マーク・デヴィッド・チャップマン」役には、「ファイト・クラブ」「シン・レッド・ライン」のジャレッド・レトー。「ジュード」役には、「フォーチュン・クッキー」のリンジー・ローハン。「ポール」役には、ジュダ・フリードランダー。

    "No one can survive becoming a legend."
    1980年12月6日、ハワイ出身の「マーク・デヴィッド・チャップマン」は、ジョン・レノンが住まうニューヨークのダコタ・ハウスにいた。11月、ジョン・レノンのニュー・アルバム「ダブル・ファンタジー」が発売されたこともあって、彼に一目会おうとする人々で賑わっている。「チャップマン」の目的もまた、彼らと同じであった。以前にも「チャップマン」は、ジョン・レノンに会おうとニューヨークを訪れていたが、目的は果たせなかったのである。しかし、今回は何かが違う。きっとジョン・レノンに会える、という予感があった…。


    1980年12月8日、ダコタ・ハウスの前で、かのジョン・レノンを殺害した「マーク・デヴィッド・チャップマン」。彼の生い立ちなどには触れることなく、12月6日にニューヨークに降り立ってから、12月8日に事に及ぶまでの3日間だけに焦点を当てた異色のドラマである。整った顔立ちで人気高いジャレッド・レトーは、「チャップマン」を演じるために体重を30キロも増量させたという。作品を観賞して、彼が演じる「チャップマン」と「チャップマン」本人と見比べる。これだけで、この作品に対するジャレッド・レトーの意気込みと努力の跡が窺えた。

    「チャップマン」は狂気に満ちている。だが、彼なりの苦悩や葛藤があった。そういった"心の叫び"が、まとわりつくような語り口で囁きかけてくる。200時間に及ぶ「チャップマン」へのインタビューを行って執筆された『ジョン・レノンを殺した男』という原作があるにしても、それをニュートラルに映像化した点で新鋭J・P・シェファーは評価されて然るべき。理屈や理性を超えて叫びたくなる瞬間を経験したことがあれば、この作品を客観的に眺めているのは難しい。もちろん、「チャップマン」への同情の余地はないのだが。

    "Chapter 27"というタイトルは、彼が強く影響を受けたとされる『ライ麦畑でつかまえて』が全26章で完結すること、そして、2007年がジョン・レノンの没後27年目を迎えることに由来する。そこには、精神を揺さぶられるような影響力の怖さがあった。

    ● 製作 : Peace Arch Entertainment Group
    ● 配給 : Asmik Ace Entertainment
    ● 公開 : 2007年 (アメリカ)
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    by movis | 2007-12-30 03:23 | ドラマ
    テイキング・ライブス / Taking Lives
    ● テイキング・ライブス / Taking Lives [アメリカ / 2004年]

    b0055200_51713100.jpgなかなかスタイリッシュで、モダンな映像。作品へと一気に惹き込む衝撃のプロローグ。さぁ、魅せてくれ!というところで、あっさりと期待は砕かれて…。秀逸した点もあれど、ストーリーの映像化にやや難ありという印象。もどかしいほどに"勿体無さ"を感じる作品であった。



    監督は、「トゥー・フォー・ザ・マネー」「ディスタービア」のD・J・カルーソー。原作は、マイケル・パイの『人生を盗む男』。「イリアナ」役には、「マイ・ハート、マイ・ラブ」「Mr. & Mrs. スミス」のアンジェリーナ・ジョリー。「コスタ」役には、「トレーニング・デイ」「ガタカ」のイーサン・ホーク。「パーケット」役には、「夜になるまえに」「S.W.A.T.」のオリヴィエ・マルティネス。「ハート」役には、ドラマ"24 TWENTY FOUR"シリーズ、「スタンド・バイ・ミー」のキーファー・サザーランド。

    "He would kill to be you."
    1983年、カナダはケベック州のとある長距離バス待ち合い所。眼鏡をかけた長髪の少年「マーティン」は、モン・ローリエへのチケットを購入。座席の隣には、ギターをかかえた同じ年頃の少年「マット」が座った。自己紹介もそこそこに、不幸にもバスのタイヤがパンクしてしまう。バスの修復を見限った「マーティン」と「マット」は、中古車を購入して旅を再開させる。ギターの音色と、2人の笑い声。楽しい旅に思えた。ところが、その中古車もまたパンクしてしまう。そして、後続車が近づいていることを確認した「マーティン」は、スペア・タイヤに差し替えようと作業を進める「マット」を思い切り蹴飛ばしたのだった…。


    「U2」の"BAD"がムードを牽引しつつ、ノスタルジーに駆られるプロローグ。この作品はロード・ムービーだったのか、と思えるような爽やかな印象は、「マーティン」の奇行によってあっさりと塗り替えられてしまう。これを見せられてしまうと、後々の壮大なストーリーを期待するほかない。導入部の演出が非常に巧い。

    時間軸が一気に現在へとスライドして、いよいよアンジェリーナ・ジョリー扮する「イリアナ・スコット」の登場である。男気あふれる社会のなかで、凛とした可憐さを振りまいた。FBIという肩書きがあり、しかも女性とあって、モントリオール市警の、見た目にも屈強なオリヴィエ・マルティンス扮する「パーケット」と確執を激化させていく。それでも、心折れない"できる女性"を演じきった点で、彼女の存在感は圧倒的であり、魅力的である。映像もスタイリッシュで、おどろおどろしい事件が展開するのだが、清潔感が垣間見えた。

    しかし、こうした長所があるにも関わらず、充足感を感じ得ないし、煮え切らない。正統派のサスペンスであることに不満はなく、ミスディレクションを欲しているわけでもないが、黒幕の手口や動機の説得が非力であったり、エピローグのくどさであったりと、ストーリーから映像へ、その手段にやや問題あり、といったような印象を受けた。

    スタッフロールを眺めながら、やっぱり「U2」の"BAD"は名曲だな、と作品の余韻に浸りきらない自分に呆れつつ、それでも物足りなさを感じずにはいられなかった。

    ● 製作 : Warner Bros. Pictures
    ● 配給 : Warner Bros.
    ● 公開 : 2004年 (アメリカ)
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    by movis | 2007-12-23 01:25 | サスペンス / ミステリー
    メメント / Memento
    ● メメント / Memento [アメリカ / 2001年]

    b0055200_4235837.jpg2回目、3回目と、尾をひくように観賞したくなる不思議な作品。プロットが精錬されており、観る度に新しい発見がうまれる。万人が納得のいく真相は存在しない。作品の意図を理解しようとすればするほど苛立つが、それはきっとこんな映画に出会ったことがないからだ。



    監督は、「インソムニア」「バットマン ビギンズ」のクリストファー・ノーラン。「レナード」役には、「L.A.コンフィデンシャル」「タイムマシン」のガイ・ピアース。「テディ」役には、「ミッドナイト・ラン」「マトリックス」のジョー・パントリアーノ。「ナタリー」役には、"マトリックス" シリーズのキャリー=アン・モス。

    "Some memories are best forgotten"
    ─起きてる。オレは「サミー」と違って、要領を得ている。ロサンゼルスで保険調査員を務めていた「レナード」は、とある出来事が原因で前向性健忘症を患ってしまう。記憶がないわけではないが、新しい記憶を忘れてしまう。命綱は"ボラロイド写真"、"メモ"であり、そして"刺青"が「レナード」に代わって、重要な記憶を司る。さぁ、「ジョン・G」はどこだ…。


    既視感を得るような不思議なプロローグは、壮絶なシーンで締めくくられる。感が鋭ければ、これだけで一気に作品の構成が見抜けてしまう。結論を見せて、その原因に遡るフラッシュバック・シーケンスの手法をとった作品だ。新しい出来事を記憶できない、前向性健忘症を患っている、という主人公の設定と、この手法の選択があって、きわめて独特で斬新であった。しかし、そこで関心に耽っていられるほど、易しい作品ではない。

    まず観賞者に課せられる作業は、時系列に物語を整理、理解することである。モノクロームに色分けされた、いわゆる "ヒント" を与えてくれるシーンが節々に挿入されるが、観賞者はつねにシーンとシーンの整合を要求される。この段階を経て、本筋を掴んだところでようやく本当の謎解きに挑める。ところが厄介なのはここからで、完全なる真相を知れるほど登場人物は饒舌でない。より事の詳細を知ろうとすればするほど、拾い上げた伏線を片手に途方に暮れてしまう。パズルに例えれば、同じ形のピースがいくつも紛れているようなものだ。全体像を捉えながら、どこにどのピースを配置すればしっくりくるのか、を観賞者自らが起草するほかないのである。

    プロットが非常に上手く練り上げられている。だからこそ、難解で奇奇怪怪とした雰囲気を誇っているにも関わらず、多くのリピーターを生んだのだろう。万人に納得できる筋が用意されていないところに苛立ちすら覚えるが、それは物語の解釈を観る側に委ねてしまう大胆な作品に出会ったことがないからに違いない。

    ● 製作 : Newmarket Capital Group
    ● 配給 : Amuse Pictures
    ● 公開 : 2000年 (フランス)
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    by movis | 2007-12-16 14:15 | サスペンス / ミステリー