● アルマゲドン / ARMAGEDDON [1998年]
隕石が地球を滅ぼす。SF作品で使いまわされたテーマだが、テンポ良く、分かり易く、スマートに表現されている点で評価出来る。「お涙頂戴」が匂うあまりにストレートなドラマだが、それがハリウッド作品の良さだろう。政治的視点は排除して、目に映るものを楽しんで欲しい。
監督は「バッドボーイズ」シリーズ、「ザ・ロック」のマイケル・ベイ。製作の一員には「コヨーテ・アグリー」「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」でも知られるジェリー・ブラッカイマー。「ハリー・S・スタンパー」役には、お馴染みブルース・ウィリス。「グレース・スタンパー」役には、「
Aerosmith」のボーカリスト、スティーブン・タイラーを父に持ち「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでも活躍したリヴ・タイラー。「A.J.フロスト」役には、「トータル・フィアーズ」「ペイチェック 消された記憶」のベン・アフレック。脇を固める俳優陣も、ウィル・パットン、スティーヴ・ブシェミ、ピーター・ストーメア、オーウェン・ウィルソン、マイケル・C・ダンカン、ウィリアム・フィッチナー等非常に豪華。
スペースシャトルに搭乗し、宇宙空間で任務をこなす宇宙飛行士を小隕石が襲う。だが、それは人類滅亡に向かう地球崩壊へのプロローグに過ぎなかった。アメリカ航空宇宙局が原因究明を急いだところ、2週間後にはテキサス州の国土面積に相当する巨大アステロイドが地球と衝突することが判明。回避方法は核によって内部から隕石を砕き、軌道を変えることしかない。ワラをもすがる想いでNASAが着眼したのは「ハリー」率いる石油採掘のプロフェッショナル達だった…。
1999年のラジー賞では、ワースト主演男優賞にブルース・ウィリスが選ばれる等、世間の作品に対する評価はイマイチ。同時期に公開された映画「ディープ・インパクト」と競合する形になった。製作にジェリー・ブラッカイマーが参加し、「パニック」映画に分類されるものの、気負いすることなく観ることが出来るエンターテイメント作品だ。わざとらしい「お涙頂戴」演出もあれば、アメリカが主導で問題解決に挑む様があるから、悪評の存在も否定できない。
一方で私見としては、なかなか好感を持てる作品だった。個性豊かな14人の主人公達は、誰もがヒーロー風貌でないから親近感も沸く。ストーリーの展開にもスピード感があるし、理解もし易い。得てして感情移入も難しくないから、単純に感動して胸が詰まったし、満足感も感じた。
あれこれ考え出すとキリがない。目で見たものを楽しんで欲しい作品だ。
● DVD
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