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    ザ・センチネル/陰謀の星条旗 / THE SENTINEL
    ● ザ・センチネル/陰謀の星条旗 / THE SENTINEL [アメリカ / 2006年]

    ザ・センチネル/陰謀の星条旗 / THE SENTINEL_b0055200_2332755.jpgマイケル・ダグラスが主演、かつ製作を手掛ける。そこそこ惹きつけられる魅力的な序章とは裏腹に、どんどんと尻すぼみするストーリー。キーファー・サザーランドの立ち姿に思わず浮かべてしまう「24」。しかし、ちょっと軽い……。



    監督は、「S.W.A.T.」のクラーク・ジョンソン。「ピート・ギャリソン」役としての出演、かつ製作には「ウォール街」「ゲーム」のマイケル・ダグラス。「デビット・ブレッキンリッジ」役には、「スタンド・バイ・ミー」や海外ドラマ "24 TWENTY FOUR" シリーズのキーファー・サザーランド。「ジル・マリン」役には、エヴァ・ロンゴリア。

    "In 141 years, there's never been a traitor in the Secret Service.... Until Now."
    「ピート・ギャリソン」は、レーガン大統領の暗殺を阻止したことで英雄視されているベテランのシークレット・サービス・エージェント。ある朝、ホワイトハウスに登庁した「ギャリソン」を、「話がある」とエージェントの同僚が呼び止めた。しかし、「ギャリソン」はこれを相手にせず、仕事の後で聞く、と先を急いだ。数時間後、「ギャリソン」の耳に届いたのはその同僚の悲報で…。


    原作は、ジェラルド・ペティビッチの『謀殺の星条旗』。角度をかえてみると、映画らしい映画を観たような気もする。それでも、サスペンスを期待して観たからには、物足りない、と思うほかなかった。「レーガン大統領の暗殺を阻止した」という設定がなされている「ピート・ギャリソン」だが、
    彼の "敏腕振り" は、大統領夫妻が訪問する幼稚園で不審者を取り押さえる1シーンくらいであって、作品全体を通せば「伝説のエージェント」というよりは、「愛欲に溺れた自業自得なおじさん」との印象が強い。

    現場を徹底的に洗い物事を冷静に判断できる、いぶし銀「ブレッキンリッジ」と、あらぬ疑いをかけられ、どうにか身の潔白を証明しようと奮闘する「ギャリソン」の構図は、主旨は違えど、アンドリュー・デイビスの『逃亡者』を彷彿とさせる。それでも、比較の対象とならないのは、どうにも「ギャリソン」を応援できないストーリーに原因がある。悲しきかな、正義の味方を演じるキーファー・サザーランドにはどうしても『ジャック・バウアー』のイメージが先行。少なからず暴君っぷりを期待してしまい、真っ向から「ブレッキンリッジ」という男のある様を捉えることができなかった。

    自らが製作に携わったマイケル・ダグラスは、劇中でもスキャンダラスだった。これはなんとも……言葉にしがたい。

    ● DVD

    ザ・センチネル 陰謀の星条旗 (Amazon.co.jp)
    by movis | 2007-09-02 04:06 | サスペンス / ミステリー