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    スパイダーウィックの謎 / The Spiderwick Chronicles
    ● スパイダーウィックの謎 / The Spiderwick Chronicles [アメリカ / 2008年]

    スパイダーウィックの謎 / The Spiderwick Chronicles_b0055200_2595420.jpgILMが放つ特殊効果が抜群のパンチ力を放つ一作。ここまで違和感なく、実写と特殊効果が融合するものか、と驚きを覚えた。2役を演じ分けるフレディ・ハイモアの存在感が鋭い。導入部こそ、子供には難解かもしれないが、裏を反せば大人も楽しめるファンタジーだ。



    監督は、「フォーチュン・クッキー」のマーク・ウォーターズ。原作は、製作総指揮にも参加しているホリー・ブラック、トニー・ディテルリッジの『スパイダーウィック家の謎』。「ジャレッド・グレイス」「サイモン・グレイス」役には、「ネバーランド」「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア。「マロリー・グレイス」役には、「イン・アメリカ / 三つの小さな願いごと」のサラ・ボルジャー。「ヘレン・グレイス」役には、「フライド・グリーン・トマト」「レッド・ドラゴン」のメアリー=ルイーズ・パーカー。「アーサー・スパイダーウィック」役には、「ボーン・アルティメイタム」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のデヴィッド・ストラザーン。「マルガラス」役には、「ケープ・フィアー」「ホテル・ルワンダ」のニック・ノルティ。

    "Their World Is Closer Than You Think"
    森の奥に大きな屋敷がひっそりと建っている。様々な書籍と生物の標本で埋まった雑多な部屋に、不思議な生物を採集した、ひとりの男が飛び込む。彼は怯えた様子で、この生物を観察ノートに記すと、これを封印してしまう。そして、彼の叫び声が轟いた。80年の時を経て、荒廃した古い屋敷に「グレイス」一家が越してきた。「ジャレッド」の悪態を皮切りに始まる「マロリー」「サイモン」の兄弟喧嘩に、声を荒げる母親「ヘレン」。彼らが円満な家庭関係を築けていないのも、そもそもの引越しの理由も、夫婦の関係が悪化していたからだ。「ジャレッド」が家族に強い反抗心を持つのも、離れた父親を慕っていたからであった。そんな折、家族の持ち物が次々となくなってしまう、という現象が襲う。例によって、「ジャレッド」が責められるのであったが…。


      何といっても、映像美に圧倒される。特殊効果のスペシャリスト集団"ILM"のSpFXが、いかに強力であるかを体感できる作品だ。そもそも空想のクリーチャーやモンスターは、特殊効果によって表現するほかないのであるが、いまや実写と自然に相容れている様を目の当たりにして、ただ驚愕するばかりである。スタッフ・ロールに見つけた、上杉裕世をはじめ、多くの日本人の名前が嬉しかった。

      "フレディ・ハイモア"、"ファンタジー"と聞けば、本作と公開日が至近である「ライラの冒険 黄金の羅針盤」を思わず浮かべてしまったが、両作品での共通点は、単純な子供向けのジュブナイルではないことである。大人の思惑や事情に対して、子供が正確にリアクションを返しているので、思わずドキッとするほどシリアスに展開していく。しかしながら、こうした人間関係の不協和音が、恐怖や不安を共有することで解消されていく、というモチーフ自体は新しいものではないので、構成は至極シンプルである。

      こうした予定調和的なストーリーにあって、攻撃的で勇敢な「ジャレッド」と内向的で知的な「サイモン」の2役を演じ分けたフレディ・ハイモアの存在感が鋭い。唖然とするような衝撃のエピローグに向けて、「ジャレッド」が逞しく導いてくれるので、安心して観賞することができる。

      導入部が子供には少々難解かもしれないが、裏を反せば、大人でも十分に楽しめる内容である。昨今、大型のファンタジーでマーケットが賑わっている中、本作は96分という短い尺でスッキリとした完結を堪能することができるので、リラックスして観賞して頂きたい。やはり、映像のもつパンチ力が強い作品であるので、劇場の大きなスクリーンで本作を楽しむのがお勧めである。

    ● 製作会社 : The Kennedy/Marshall Company
    ● 配給会社 : Paramount Japan
    ● 世界公開 : 2008年1月31日 - アメリカ(ハリウッド/プレミア)
    ● 日本公開 : 2008年4月26日
    by movis | 2008-04-13 03:04 | ファンタジー