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    Dragonball Evolution / Dragonball Evolution
    ● Dragonball Evolution / Dragonball Evolution [アメリカ / 2009年]

    b0055200_425278.jpg鳥山明による世界的人気コミック"DRAGON BALL"ファン待望の?実写映画化。映像の動性を楽しめる魅力はあるものの、プロットの粗さは残念だ。ジェームズ・ウォンの挑戦心は評価したい。"怖いものみたさ"くらいのモチベーションで観賞するのが吉だろう。



    監督は、「ザ・ワン」のジェームズ・ウォン。製作総指揮と原作には、"ドラゴンボール"シリーズの鳥山明。「孫悟空」役には、「宇宙戦争」のジャスティン・チャットウィン。「ブルマ・ブリーフ」役には、「デイ・アフター・トゥモロー」のエミー・ロッサム。「武天老師」役には、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」のチョウ・ユンファ。「ヤムチャ」役には、パク・ジュンヒョン。「チチ」役には、ジェイミー・チャン。「ピッコロ」役には、ジェームズ・マースターズ。「マイ」役には、田村英里子。「孫悟飯」役には、ランダル・ダク・キム。

    "Master your destiny."
    同級生から、からかいの的となっている冴えない高校生「孫悟空」。幼き頃から祖父「孫悟飯」に武術の鍛錬を受けている「悟空」は、喧嘩をかたく禁じられているのだった。「悟空」の18歳の誕生日、「悟飯」は彼に"四星球"という秘宝を与える。まばゆい光の中に4つの星が浮かぶ"四星球"は7つ存在する"ドラゴンボール"と呼ばれるものの1つであり、すべてが揃えば、どのような願い事であってもひとつだけ必ず叶うという言い伝えがあった。そんな折、地球に不穏な影が迫る。かつて世界に混乱をもたらした「ピッコロ」大魔王が長い眠りから目覚めたのであった…。


      全世界で3億5,000万部を超える発行部数があるとされる、人気漫画家、鳥山明の代表作"DRAGON BALL"シリーズが初めて実写化された。テレビ放送は知らずともDVDで観賞にふける子供たちもいるだろうし、懐かしい思いでコミックを開く大人たちもいるだろう。実写化を待ち望んだファンもいれば、それを悲観するファンもいるだろう。世界中のさまざまな期待や好奇心を一身に受けて、メガホンを執ったチャレンジフルな監督は「ザ・ワン」のジェームズ・ウォンだ。

      製作中止などとの噂が飛び交っていたものだから、事態は温かく見守ってきた。ようやく劇場で眼にした予告編。カットインされた鳥山明の『別次元の「新ドラゴンボール」として鑑賞するのが正解かもしれません』という強烈なインパクトのコメント。自身の作品を大切にする彼のとまどいのようなものを感じたし、作品を観終えて、このコメントにすべてが集約されているような気もする。11年間にもわたって少年誌で繰り広げた壮大なアドベンチャーは、さすがに1作では描き切れないであろう。本作を観賞する上では、"DRAGON BALL"というモチーフを採用した別物、という視点を持つことをお勧めする。

      劇中のアクションはなかなかのもの。リズミカルな殺陣やスピード感のある戦闘シーンにストレスはなく、活劇としては爽快だ。87分という短尺も生きて、映像の動性を楽しむにはそれなりの魅力を備えた作品ではある。"気"の表現であったり、「ブルマ」が扱うメカであったり、視覚効果も主張がすぎずにニュートラル。完成された漫画に対する実写表現という観点からみれば、その完成度は不満にならない。

      しかしながら、やはり"DRAGON BALL"とは別物の"DRAGON BALL"と割り切っても、プロットの粗さが目立ってしまっている点は残念だ。どうせなら、実写版独自の"DRAGON BALL"の世界観を貫いて作品を描いてほしかったものだが、原作の設定や経緯をつまみ食いしていくため、物語の重要な部分の説得がなかったりする。言葉を換えれば、原作の基本は押さえられているから展開に思わず納得しそうになるものの、"DRAGON BALL"というモチーフがなければ、支離滅裂な印象を禁じえない作品だ。結局のところ、モチーフに頼らざるを得ない作品と、モチーフとは別物と割り切りたい観賞者の間のジレンマは解消できず、劇中のキャラクターたちだけが元気よくエピローグを迎えた。

      辛口にコメントしてしまった私の観賞のモチベーションは、ずばり"怖いものみたさ"。原作の『何編の次は何編で…』といったような会話には入れない私のようなミーハーでもそう思うのだから、根っからのファンというのは、私以上にハラハラとしながら"怖いものみたさ"で劇場に脚を運んだのだろう。だが、それくらいのスタンスのほうがいい。原作が優れていれば優れているほど、その映画化作品には批評が付きまとうものだろう。少なくとも、ジェームズ・ウォンの挑戦心は絶対的に評価したい。もっとも彼は"怖いもの知らず"なのかもしれないけれど…。
     
    ● 製作代表 : Dune Entertainment
    ● 日本配給 : 20th Century Fox
    ● 世界公開 : 2009年03月10日 - 日本(日本武道館/プレミア)
    ● 日本公開 : 2009年03月13日
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    by movis | 2009-05-05 04:11 | ファンタジー